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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
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#21 赫の沈黙、交わされた言葉の果て
その朝、なつはカフェの開店準備をしていた。
シンクには昨夜のカップが並び、豆の袋からは微かに甘い香りが立ちのぼる。
店内のスピーカーからは、ジャズが小さく流れていた。
なつはエプロンをつけ、手際よくコーヒーミルを回しながら、カウンターを磨いた。
この仕事を気に入っていた。
誰かの「日常」を見守れる場所。
そこでは、銃声も悲鳴も、組織の影もなかった。
# 赫
静かにドアベルが鳴るたび、柔らかな声でそう言う。
ただ、その声の裏にはいつも、ひとつの“違和感”が渦巻いていた。
# 赫
数日前、赫はある依頼を受けていた。
対象は、地味な営業職の男。
脅迫まがいの投資勧誘を続けており、数人の自殺者を出したという。
報酬は高く、殺害方法は問わない。
だが、赫はいつも通り、急がなかった。
赫は、男の出社時間を調べ、通勤路を歩き、ランチの場所を選び、言葉を交わす機会を何度も設けた。
いつものように、関係を築く――その中で、「どこで殺すか」を決める。
――だが、今回は違った。
男は、赫に心を開いた。
自分が抱える会社のプレッシャー、家庭の事情、過去の失敗。
すべてを語った。
それは「言い訳」ではなかった。
「人を殺す理由にならない」と、赫は理解していた。
だがそれでも、ある夜――男と一緒に飲んだ帰り道、赫の手が止まった。
# 赫
# 赫
翌日。
なつはそのまま報告を送らず、カフェにこもっていた。
スチームミルクの音が心地よく、けれど耳の奥に「依頼未遂」という警告がこだましていた。
その日、閉店後の店に、一人の影が現れた。
こさめだった。
# 瑞
なつは答えず、手元のカップにミルクを注いでいた。
そしてカウンター越しにそれを差し出す。
# 赫
こさめは、無言で受け取った。
しばらくの沈黙の後、こさめが口を開いた。
# 瑞
# 赫
# 瑞
# 赫
# 赫
# 赫
# 瑞
# 赫
なつの瞳が揺れていた。
かつて、確信に満ちていた視線が、今は答えを探しているようだった。
# 赫
# 赫
# 赫
# 瑞
# 赫
カフェの灯りがゆらぎ、店内に深い沈黙が落ちた。
こさめは、冷えたカップを見つめたまま言った。
# 瑞
# 瑞
# 赫
# 瑞
# 瑞
# 瑞
なつは目を伏せ、ゆっくりと息を吐いた。
# 赫
# 赫
# 瑞
# 赫
# 赫
その夜、なつはカフェの帳簿を閉じたあと、一通のメールを送った。
# 赫
そして、送信した直後。
なつは席に戻り、またコーヒーを淹れた。
その味は、今までより少しだけ――苦かった。
組織の記録管理室。
モニターには赫の報告が映し出されていた。
黈は静かにそれを読み、手帳に一言だけ書いた。
“The fire that refuses to burn may yet light the way.” 「燃えぬ炎こそ、道を照らすかもしれない」
そして、それを一冊のファイルに挟んだ。
そのファイルの背表紙には、こう記されていた。
【脱線者記録:五件目】
心に火を灯す者が、その炎で誰かを救う日が来るのなら――殺す理由ではなく、生きる理由が、赫を導くかもしれない。
赫は今、自分の“銃”よりも、“言葉”の重さに怯えていた。
#21・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡220
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