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コメント失礼します!(*- -)(*_ _)ペコリ続き待ってます‼️ 無理しないように、頑張ってください✨
attention 黒総愛 オメガバース α_アルファ β_ベータ Ω_オメガ フィクション
ようこそ。ゲスト様。
そんな声が鳴り響く会場
煌びやかなドレスや服に身を包み 欲望を持て余して今日もアソブ
年に1度 たった数体の"人形"が売り出される
それは職人の手先しだいで
性別・性格・見た目・声
全てが決まってゆく
中には
感情
が入った人形がいるのだとか。
飼い手側は それを見極め大金を支払う
どれだけ落ちこぼれであろうと 数百万はくだらない。
それを払えるゲスト達が集まるのだ
桃
青
白
青
水
赤
水
赤
水
白
赤
桃
桃
赤
赤
少し小さくなる最年少
桃
青
赤
なんて、少し寂しそうにするもんだから
桃
赤
そう言って笑う彼ら5人
目立つ青と桃色、白と赤はα
水色はβだ
ここで売り出される人形の大半はα
お相手を務めるΩはそうそういない。
しかもこの世界では 驚く事にΩが多い
人形で作らなくてもよいという 発想なのだろう。
水
赤
白
青
桃
水
白
青
桃
桃
水
そんな会話をしていると
奥のオークションステージへ案内された
桃
赤
やっとの思いで予約席にたどり着くと
間髪入れずにアナウンスがかかった
御来場の皆様……___
青
白
赤
アナウンスが流れる間は 少し休憩
遠い世界から遥々この会場まで やってきたんだ
一睡もせずに
水
桃
水
桃
不思議そうな顔で 聞いてくる
そうなはずだ 病院で測ったから
水
水
桃
すんすん、と匂いを嗅ぐも 何も感じない
桃
青
白
まあそうだろう。 水色の彼が反応したのだから
桃
赤
赤
水
青
バチッ
白
ブレーカーが落ちて ステージが照らされる
司会
司会
前に出て楽しそうに振る舞う 司会も人形だ。
ズラリと並ぶ職人達
どれも自信満々な顔をしていて
面白い
赤
赤
青
α強めの彼ら 性欲剤のおかげで涼しい顔をする
桃
会場紹介が終わり 人形売買が始まる時
より一層 会場は暗く、騒がしくなった
司会
司会
司会
司会
司会
着々と進む売買
500万!
550万!
700万!
飼い手の声が 騒がしく響く
白
桃
桃
赤
水
赤
水
けらけらと笑って帰り支度をする
彼らも暇では無い 用がないならさっさと帰りたいもんだ
桃
そう言って席を立つと
青
桃
蹲った青髪と 酷く甘い匂いがステージから襲いかかる
桃
ステージに立つ人形
無口でニコリとも笑わない
ただ
穏やかに佇んだ低身長と 長く靡いた髪が
吸い込まれそうな程 美しく柔らかい瞳が
凛々しい顔つきと 桜や椛の様に儚い表情が
狂おしく愛おしい
赤
水
桃
この匂いは
白
司会
司会
司会
28年かけて作った 大作です
桃
青
司会
感情入り
赤
水
司会
♂ですよ
関係なかった 性別なんて
荒ぶる感情を抑えることが出来なくて
桃
桃
白
水
赤
少し俯いたまま 返信をしない青
不安になって声をかける
桃
青
青
生粋のα 性欲が強いのか ステージ上の彼の匂いが 酷く脳を擽るようだった
司会
司会
少しどよめく会場
ここぞとばかりに声を張り上げて
桃
青
桃
跳ね上がる金額と 盛り上がる会場
死のオークション
なんて素敵な響だろうか
水
水
1650万
1800万
2000万
1度声が止まる
ここで止まれば 彼は5人のもとに___
3000万
桃
白
予算オーバー
出せなくは無いが 生活が苦しくなるのは避けたい
青
3500万
桃
ぱんっ、と張った声
静まり帰った会場に
アナウンスの声が響いて
司会
幾ら煽ろうが次は出ない
司会はうすらと口角を上げた
司会
ビシッと指を指す方向には
司会
桃
赤
りうらは一言も喋らない
子供組は信じられない、と言いたげに りうらを見つめていた
青
赤
赤
カバンから出したのは 通帳
赤
赤
赤
ニヤリと笑って開いた通帳には 書ききれないゼロが付いていた
白
青
信じられない しかも3年前なんか16歳じゃないか
桃
赤
次に出てきたのは
赤
研がれたナイフ
赤
赤
表ではホスト 裏ではヤクザ
1年に一体何万入っていたのだろうか
桃
白
桃
赤
手を引っ張る最年少
笑う彼の笑顔が
心做しか黒く見えた
赤
ニコニコと笑うりうら
他4人を除いて 会場に来ていたお客さんは ロビーから閉め出されていた
赤
何もなかったかのように 微笑んで見せる彼
笑顔の裏にどれだけの泥が塗られていたのか。 そんなもの知る由もなかった
桃
唐突に呼ばれた名前に驚いて 目線をりうらから店員へと戻す
帰ったら着替えさせればいいかと思い 大丈夫ですと頷く
少々お待ち下さい そんな言葉で1度緊張が解れた
桃
赤
桃
自分達もお金を払うと言えど 彼にだって払わせる事になる
自分の趣味に使えるお金が少なくなりそうで不安だった
赤
赤
赤
そっと頬に添えられた手が 暖かく恐ろしい
自分の知らない「りうら」が どこか大人びて見えた
白
白
白
赤
青
赤
水
水
赤
ぽかぽかと殴られるりうら
悪戯っぽく笑う笑顔は紛れもなく 最年少 で
なんだか 少しだけ安心。
桃
青
白
赤
青
白
水
青
白
桃
白
水
赤
赤
赤
桃
桃
仲良く笑いあったとき
準備が出来ましたと 呼ばれた
桃
青
白
水
赤
水
桃
水
水
白
わちゃわちゃするこの空気も 彼ら5人の大事な時間
これからお迎えする人形も これに馴染めればいいな、なんて
桃
桃
目の前の扉を開けた
ガチャッ
その部屋は凄く庶民じみた部屋
鼻を擽る 甘い香り
桃
こちらに背中を向けて座る 人形が
一段と美しかった
どんな名前が彼には似合うだろうか
美しくて 暖かい
姿を見るだけで鼓動が早まって 息が詰まる
どんな名前が1番だろうか
白
桃
白
彼から零れた名前は 案外と普通
この世界に馴染みやすく 何より凄く頼りがいのある名前
青
青
青
桃
彼は頭がいい
つくづく思う
「悠」は 時間的 時空的にどこまでも続くさま ゆったりしたようす
「佑」は たすける。たすけ。
悠佑
なんて素敵な名前だろうか
桃
白
水
赤
桃
すっ、と一息すって
綺麗な長髪が揺れる背中に 声を伸ばす
悠佑_ゆうすけ_
そうすると 彼は振り返った
黒と黄色のグラデーションになった髪が 静かに揺れる
少し褐色な肌は 白いTシャツによく映える
ステージ上ではよく見えなかった顔が
世界で1番と言っていいほど 綺麗で。
目が合って
恋に落ちた
黒
穏やかに微笑む笑顔が
この世界で何よりも 美しかった
黒