明日が来れば 俺は絶望に打ちひしがれるだろう。
また太陽を見れば闇ばかりが見えるだろう。
きっともう俺の望む世界は来ない
先を求める俺は過去に囚われている
だからもう今日で全てを終わりにしたい…
ピピピピッ…ピピピピッ!
規則正しく一定の音を決まった時間に鳴らして部屋中を支配するアラーム
俺はその音に眠りを妨げられ、目を覚ましてしまう。
牛沢
牛沢
窓から僅かに射し込む光を見て判断する。
俺はまた始まった今日という1日に絶望していた。
牛沢
牛沢
牛沢
重い腰を上げて準備を始める
俺は1日の業務を終えて
深夜に家へ帰ってきた
牛沢
牛沢
自宅へと続く階段を上る
その道のりが遠く感じた
牛沢
鞄を漁りながら階段を上り終えると
ドアの横で座り込む人がいた
俺の自宅のドアのすぐ横で体育座りしている
牛沢
俺はこいつを…この男を知っていた
けれど、もう二度と会うことなどないと思っていた
キヨ
キヨ
そう言ったこの男は立ち上がり 俺の前に立つ。
そいつの身長は俺より高く、 見上げるかたちになった。
牛沢
キヨ
キヨ
男は俺の手から鍵を奪い、勝手に部屋へ入ろうとする
牛沢
牛沢
俺は男を制止しながら言う
片腕を引っ張り、力ずくで止めるかたちだ。
キヨ
牛沢
その言葉が心臓を突き刺す
キヨ
キヨ
キヨ
牛沢
俺は言葉を詰まらせた
返したい言葉が見つからなかった
牛沢
牛沢
牛沢
嫌だと、反発する言葉しか出てこない
俺はこいつを恐いと思っていた
だから、会いたくなかった
見つけないでほしかった
キヨ
キヨ
キヨ
彼は俺の制止していた手を振り切って中へ入っていってしまった。
牛沢
俺の言葉など無視して奥まで進んでいく
ズンズンと進む彼を制止しきれず、 結局居座られてしまった
キヨ
キヨは自分の席を指す
キヨ
キヨ
笑顔でこちらの顔を見てくる
俺は黙って彼を見続けていた
牛沢
牛沢
嫌いだ。
牛沢
牛沢
牛沢
心が痛く、苦しんで、締め付けられる。
牛沢
キヨ
牛沢
俺は絞り出した声を 頑張って大きな声で言った
この言葉だけで涙が出そうになる
キヨ
目の前の彼の顔が恐くて見れない
けれど自分の感情でいっぱいいっぱいだ。 彼の存在をもう感じたくない。
キヨ
キヨ
キヨ
牛沢
衝撃の言葉に思わず顔を上げた
彼の目と焦点が合う
キヨ
キヨ
キヨ
キヨ
彼の口からは、俺と、その会社に勤めていないと分からない情報が語られる
牛沢
キヨ
キヨ
至極当然かのように話す彼が恐い
何の疑問があるのかと見つめてくる目が
自分が間違っていると言われている気がした
牛沢
牛沢
キヨ
キヨ
キヨ
チラチラとこちらを嘲笑うような表情で見てくる
牛沢
今の俺が働く本店の上司の息が本店の次に最もかかる場所だった。
牛沢
俺は今の生活で嫌というほどの理不尽にあってきた
だから、あの会社が消えて欲しい。そう思っていた
牛沢
はじめの頃は辞職を出そうとしたが何度も揉み消されてきた
この話はそこへ射し込んだ光だった
牛沢
俺の心は揺らいでる。
俺はコイツが憎い
コイツの話に乗れば 何らか嫌な条件があるのは目に見えていた
けれど、どちらをとっても地獄を味わうような生活
どちらへ転んでも闇だ。
牛沢
プルルプルル…📲
牛沢
振り絞る思考でどちらの闇へつくか考えていると 聞き慣れた恐怖の着信音が鳴る。
俺は目の前の状況を他所に、急いで携帯を取り出した
キヨ
牛沢
キヨに横から携帯を取られてしまった 先ほど見えた着信先は上司。
今電話を取らなければ 明日はまた怒鳴りから始まる だろう
俺は必死に手を伸ばした。
牛沢
あの低く、ドスの効いた声で耳をつんざくような大声。 周りのことなどお構い無しに自分のストレスのはけ口にしてくるあの声。
聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない!
彼の高く上げた手に俺が届くはずもなく着信音がその間に途絶えてしまう
牛沢
俺の顔に血の気が消えた
牛沢
もう既に壊れかけていた俺の心は ついに壊れてしまった
明日への恐怖が俺の思考を支配する
目の前が真っ暗だ
思考は目の前の「楽」にすがりたくて仕方ない
キヨ
キヨ
今ではもう藁にも縋る思いで 彼の力が欲しくなった
プルルプルル…📲
再度 着信音が鳴る
今度はキヨが強制で電話をとった
牛沢
上司
上司
上司
言葉にふわりとした抑揚がある。 きっと今酔っ払っているのだろう
だが、こうなった時のコイツは質が悪い
コイツは記憶を飛ばさず ちゃんと記憶を所持して、 翌日は二日酔いで機嫌が悪くなる
牛沢
こういう時は謝るしかない
俺の焦りと先の目に見える厄介事に胃が悲鳴をあげる。
手元で俺の携帯を操作しているキヨはどうする?と言わんばかりの顔で
俺をじっと見てくる
牛沢
俺の目にはもう涙が溜まっているのだろう
牛沢
牛沢
キヨの口角があがる
キヨ
そう言った彼は その勢いのまま家を出ていき、帰ってしまった
俺は今何と口走ってしまったのだろう
思考には恐怖だけが植え付けられ、なにも考えられていない
俺はその場に力なく座り込んで しまった。
翌日になり いつも通り出勤する
牛沢
牛沢
挨拶しながら 自分の会社の階へ上がると
牛沢
俺は衝撃の事実が目の前に貼られていた
会社入り口のドアに張り紙があって そこには
「本店移転の知らせ つい先日、uから付く何者かが本店の評価を下げる行いをし、顧客様を起こらせたため支店へと本店を移転することが決まりました。また、本店に就いていた職員は皆解雇する旨もここに記すこととします。」
無責任で、唐突なリストラだった
牛沢
微かな喜びがあったが、 それよりも、喪失感、焦り、戸惑いが心の中でごちゃ混ぜになって
俺は張り紙の前でただ呆然と立っていることしかできなかった。
後ろから声をかけられる
キヨ
キヨ
キヨは俺の手を引くと 近くに停めていた車に俺を乗せた
牛沢
彼に手を握られることですら恐怖だった
俺はこれからの展開が恐ろしく、戸惑いながら彼についていった。
車は、とある家に到着し キヨはまた俺の手を引いて家内へ入っていた
牛沢
ここは見覚えのある家だった
もう二度と戻りたくないと思っていた家だ
キヨ
キヨは嬉しそうに何かを準備し始めた
俺はその間も手を引かれたままである
牛沢
何かを見つけ出すと キヨは俺を椅子に座らせる
牛沢
強く押されたため、着地した椅子の固さに痛みを感じた
それを構わず、キヨは俺に近寄ってくる
俺は恐くて目をつぶってしまう
キヨ
キヨの声が聞こえ、首に僅かな痛みが走った
目をそっと開けると、俺の首に首輪をつけている
牛沢
キヨ
キヨ
キヨ
キヨ
キヨ
キヨ
つけ終わった彼が俺を見つめると
彼の目は俺の太陽だ と呼べたあの頃の光を失っていた
黒が濃く見え、影を映しているように見える
キヨ
キヨ
キヨ
キヨ
キヨ
キヨ
牛沢
間隔を置いて思い浮かべるように話す彼に悪寒を覚える
キヨ
キヨ
牛沢
キヨ
キヨ
キヨは俺の首輪から繋がる丈夫な紐を引っ張った
牛沢
俺は黙って痛みに耐えながら彼の後を追うしかなかった
牛沢
牛沢
完全に退路を絶たれている
俺はもう逃げられるよう協力してくれる人ももう居なくなってしまっていた
キヨ
牛沢
俺はこの時からずっと先までこのままだろう
そう思ったように 俺はこの時からずっとキヨと奴隷のような関係が続くこととなった
キヨ
キヨ
牛沢
牛沢
コメント
2件
いやん愛してる 私を監禁してもいいn(((殴 蹴
あっ……あぁ……メンヘラァ…… 神ッ!!