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「湊くん!大好きだよ! これ、ちょっとだけど受け取って!」 毎日毎日俺に会いに来て、 毎回莫大な愛を送ってくる 姫には申し訳ないけど、 俺はお前が想像してるような男じゃない そういって 突き放してあげた方がこの人たちにとってもいい気がすると 叶いもしないことをずっと考えている
水を触れば濡れるように 転べば痛みを感じるように 笑えば苦しくなるように 一度受け取ってしまった愛は一生離れず ズクズクと心も身体も 蝕んでいく その感覚が苦手だ
You,
Fw,
You,
Fw,
この瞬間にも 目の前にいる彼女に 少しばかり貰った愛が 胸のなかで渦巻いている
Fw,
Fw,
You,
You,
Fw,
Fw,
You,
Fw,
You,
Fw,
呆れたように俺のジャケットを持ち 首をかしげる彼女の耳に 違和感があった
Fw,
You,
Fw,
Fw,
ハッとしたように目を開き 耳に手を這わせる いつもなら俺があげた 黒のインナーコンクと ロブをしているはずなのに 今日は白の花形軟骨を つけていた
You,
You,
口角をあげ、目を細めて ゆっくりと笑う 笑うところじゃないやろ
Fw,
You,
You,
彼女は接客業をしている 何をきいても上手いようにかわされるから なにかは知らないが
Fw,
Fw,
You,
You,
そういうと思った 等とぼやきながら 目を閉じて パチ とピアスを外した
Fw,
You,
You,
Fw,
You,
Fw,
Fw,
Fw,
You,
見透かしたような黒の瞳で 見つめられ ふわっと包まれたような 気分になる
Fw,
You,
くるっと踵を翻し 俺に背を向けて 軽い足取りで歩いていく
You,
Fw,
You,
You,
ぁ と小さな声がもれる さっきまで あんなに嫌そうだったのに そんな気なんて 無さそうだったのに 彼女が背中で括った 両の手は 痕が残るほど 強く握られていて 俺では勝てない彼女が 必死で対抗していて そんな姿にも 惚れ惚れしてしまうような自分は 本当に 彼女という 底なし沼に はまってしまったんだと 思う