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大陽
大陽
男
男
男
男
大陽
男は手を差し出した。
僕も手を差し出し、男と握手を交わした。
男の手は驚くほど骨ばっていて、冷たかった。
大陽
大陽
燐
燐
大陽
燐
燐
大陽
燐
燐
燐
大陽
大陽
なんの違和感も持たなかった。
男の目には、納得させるような力と説得力が篭っていたように見えた。
もう、この時から全ては始まっていたように思う。
隆
隆
あの男、工藤が現れてからずっと大陽に気をかけていた。
大陽に近づくはずだ。きっと。
そう思うと、怖かった。
大陽
隆
隆
隆
大陽
大陽
隆
隆
大陽
大陽
大陽
大陽
隆
大陽
隆
彼の後ろ姿を見つめた。
あぁ、こうやって
こうやって、俺の手から離れていくんだな。
無意識にそんなことを思った。
胸には微熱が残っている。
ふと、彼の首筋に目が留まった。
そこには、痣のような1つの丸い痕があった。
隆
隆
大陽
彼の肩を叩き、彼がふわりと振り向く。
その瞬間、嗅いだことの無い香りがしたのは気のせいだったのか。
しかし、そうだとしてもあの時の俺は、彼を信じることが出来なかったと思う。
隆
隆
大陽
信じることができなくなった人間は、果たして何ができると言うのか。
メトロノームは、ずっと鳴らしていると錘が下がり、テンポが少しずつ上がってしまうことがある。
2つ並んだメトロノームの内、1つが少しずつずれていくようだった。
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
あれは、まだ中学生の頃の話。
中学生の頃は、家計が苦しかった。
ある時、母と一緒に近所のスーパーに来ていた。
その時、すっと魔が差した。
そして、目の前の商品をリュックに忍ばせた。
その時だ、がばっ、と肩を掴まれた。
燐
隆
隆
万次郎
声をかけられた男の隣には、小柄な男がいた。
これが、全ての始まりだ。
燐
隆
隆
燐
燐
万次郎
万次郎
店員
燐
燐
隆
隆
隆
彼はすぐに俺を捕らえた。
店員
店員
隆
燐
店員
燐
燐
燐
店員
燐
燐
隆
万次郎
結局、店員が警察を呼んだ。
案の定、万引きはばれた。
母も駆けつけ、一緒に頭を下げた。
しかし、一件はそれだけでは治まらなかった。
万引きの常習犯だということが、警察にばれたのだ。
店員は度々、客から万引きを見たという話を聞くそうだった。
怪しんだ警察が防犯カメラを確認し、ばれたのだ。
それが、自分一人の行為だったらもっと丸く治まっていたかもしれない。
しかし、防犯カメラに映っていたのは母と俺だった。
数えられる限りでも、5回。
生活が苦しいことも考慮されたが、罰金が課せられた。
その額はなんと20万。
家計が苦しい家に、そんな金があるはずもなかった。
悪夢はそこからだった。
その日から、家族が崩れ始めた。
食事が取れない日もあり、父は母を責めた。
給料が入っても罰金の返済に当てられた。
父のそれは、次第に暴力に変わっていった。
前は、貧しいながらも家族仲のいい幸せな生活を送っていた。
しかしそんな面影すらなくなくった。
そんなある日だった。
燐の母
燐の父
燐の父
燐の母
燐
燐
燐
燐
燐の父
燐の父
燐の父
燐の母
燐
燐の父
燐の母
燐
燐
燐の父
燐の父
燐の父
燐の父
燐
燐
燐の父
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐の父
母が死んだ。
死因は、過度の脳内出血。
直接的な死因ではないが、その他にも肋骨骨折や栄養失調など、もあった。
父は逮捕され、俺は施設に送られた。
DVをしていたとはいえ、たった1人の父親であり肉親。
肉親を失うにはまだ幼すぎた。
俺はただひたすらに、あの日の男、三ツ谷隆を恨んだ。