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深海のように美しい彼は蝶さえも惑わせる。

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深海のように美しい彼は蝶さえも惑わせる。

1 - 深海のように美しい彼は蝶さえも惑わせる。

♥

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2019年10月04日

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ジリジリと時計の音が鳴る。

em

…んー……んん

眠気に惑わされながらも私は背伸びをして起き上がる。

em

…さて、今日も一日頑張りましょう。

カップに珈琲を入れ、椅子に座る。

em

…ふぅ

今日は何の本を読もうか、なんてぼんやりと考えている。

そうしたら書類が終わったのか、サボりなのか、彼がやって来る。

ut

…やっほぉ、えみさん

来ちゃった、なんて言わんばかりにコソコソと部屋に入ってくる。

最近、私の音読を聞くのが日課になってきたらしい大先生。

ut

今日は何を読んでくれるん?

そう目を輝かせる相手にとあるアリスの本を手にとってやる。

ut

その本何なん?

em

ふ、美しくて暗いアリスの本ですよ。

ut

エミさんにしては珍しいんとちゃう?

em

最近入ったばかりですよ、大先生が喜ぶかな、と…

ut

ほーん…

興味ありげにする彼に本を置いて紅茶を入れてあげる。

ut

今日は紅茶ちゃうねんなエミさん

em

寝たくないのでカフェイン入れとこうかな、と…

そんな話とは裏腹に、本を手に取る彼はぱらぱらとどんな内容か見ていた。

ut

鏡のとか、定番の不思議とちゃうねんな。

em

シリアスダークでいいと思いません?

ut

変わってんなぁ…

紅茶を飲む彼を眺める。

やはり美しい、その美しさはアリスの様。

私はこの感情を胸に閉まった。

ut

な、エミさん。何時もの。

へらりと笑う彼。

そんな仕草にどくりと心臓が跳ねる。

em

…我儘ですねぇ、その本渡して下さいよ。

ut

ん、

ゆっくり、はじめから、本を開いて

em

じゃぁ、読みますね…?

私と彼だけの楽しい時間。

この時は邪魔されたくない。

_______。

_______。

気付けばもう昼。

em

…一日立つと思っとった。

ut

面白かったわぁ。

満腹、と大袈裟に彼は言う。

em

てか、大丈夫ですか?こんな時間まで。

ut

大丈夫やでぇ

ut

今日の為に書類終わらして今日は休みやよ。

em

…そうですか。

さらりとした彼の髪に指を通す。

人形の様に美しい。

彼は人を魅せる。

em

大先生。

ut

…エミさん?

ゆっくりと距離を詰めて近くのベットに下ろしてやる。

ut

…なに

em

やってみたかっただけですよ。

優しく笑ってみせる。

髪の毛に顔を近付けて匂いを嗅ぐ。

…綺麗なだけでなくいい匂いをしている。

また見下ろすような形に戻せば

ut

…スキンシップにも程があるんとちゃいます?

em

そう…ですかね…?

何時もならそれは失礼、なんて言うが、お構い無しに彼の白い首筋に噛み付く。

ut

ぃいっ…たぃ…ッ

痛い声のように思えるが、喘ぎ声の様に聞こえるその声。

口を離す。

em

…すみません

ut

痛かった…

他にも言う事があるだろ、なんて言いたくなるほど帰ってきた返事は小学生レベルの返答で。

em

跡付けちゃいました、もう遊べませんね。

ut

くっろ…下手くそかよ

何時の間にか口を緩めていて、ニヤける口を抑える。

em

大先生って昼ってまだでしたよね?

ut

ったり前やろ?

昼食べにいきましょ、なんて彼を誘う。

ut

跡どうすんの…?

em

これで隠しましょっか。

チークを出して噛んだ後に優しく付ける。

ut

ええな、これ。

そうでしょう?と返し、部屋から出る。

その後は一緒に昼を過ごして

大先生はその後ロボロさんに持ってかれました。

em

明日は何を読みましょうか。
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