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あの頃に戻れたなら。

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あの頃に戻れたなら。

7 - 第7話 辛い過去

♥

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2025年01月04日

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ゆあんくん

…俺がそうだったからって、どういうことだよ

うり

俺の過去がそうだったって話

ゆあんくん

…話、聞いても良い?

うり

いいよ、ゆあんなら

うり

まだじゃぱさんしか言ってないけどな

ゆあんくん

それ聞いてもいいん?

うり

ゆあんだからいいって言ったろ

うり

俺は小さい頃…

俺の両親は、ピアニストと、プロの画家だったんだ。

そんな両親の趣味も俺に遺伝したのか、俺もピアノも絵も好きだった。

両親はすぐになんでもできるようになるようなすごい人だったから、 俺もいずれそうなるんだろうと思っていた。

母親

うりは何になるのかしらね〜ニコッ

うり

俺もピアノする!

父親

そうか!良い夢だな!

そうやって幼い頃は楽しく過ごしていた。

でも、小学校の中学年になると、

先生

〇〇番。うりくん

うり

はい

先生

おめでとう!

うり

(98点か…)

周りからは、『すげーじゃん!』『頑張ったな!』と、 称賛の声ばっかりだったが、 クラスには、俺を悪く言うやつも少なくなかった。

『親は完璧なのに、子供のこいつは完璧じゃない』って。

それからだ。 俺が周りの目を気にするようになったのは。

完璧じゃないといけない。 親と同じにならなくちゃいけないんだ、とずっと思い詰めてしまった。 『同じくらいに』じゃない。 『同じ』にならないと駄目なんだ。

それから、俺はギターやピアノ、絵のコンクール、塾なども転々とし、 何個もの賞をもらった。 3位か2位が限界だったけど。

母親

すごいじゃない!うり!ニコッ

父親

父さんもうりくらいの頃じゃ、そんな順位取れなかったぞ?ニコッ

うり

ありがとう!ニコッ

本当は笑いたくないのに、つい作り笑いをしてしまうようになった。

2位じゃ駄目だ。 悔しかった。

俺より完璧なやつがいるんだから。 あと一歩なのに、少しの差で負けたんだと。

中学に進学したある日。 いじめは急に始まった。 …なんの前触れもなく。

うり

おはようございまーす

バッシャーーン

うり

ポタポタ

うり

え…

モブ

www

モブ

ねぇ、早く片付けてくんない?邪魔

うり

え、俺が?

モブ

お前がこぼしたんでしょ?

うり

誰かが設置したんだろッ!

モブ

あーうるさい。

モブ

放課後来いよな

うり

行くわけないだろ!

モブ

はあ?

モブ

じゃあ、いいよw

モブ

もっと面白いことするから

それから俺の悪口は校内に広まっていき、 ありもしないことばかり広められた。

親には、言わなかった。 俺が駄目なやつだと思われたくないから。 逃げて逃げて、隠れ続けた。

ずっと苦しんでいた時に、じゃぱさんに出会った。

じゃぱぱ

君、大丈夫?

うり

ビクッ

うり

俺はッ大丈夫っす

じゃぱぱ

泣いてるじゃん、何かあった?

うり

関係ないじゃないっすか

じゃぱぱ

俺ってさ〜、すぐ同情しちゃうタイプだからさ(笑)

じゃぱぱ

ほら、相談してごらん?

じゃぱぱ

何でも聞くから。ね?

うり

さ、最近…急にッ…いじめが始まって…

自分でもなんで話したのかわからない。

けど、じゃぱさんがすごく暖かかった。 安心できたのかもな。ものすごく。

初めてであった人に話すなんて、今じゃ危ないことだけど、 話してよかったと思う。 話さなかったら、多分俺、今ここにいないから。

それから仲良くなって、シェアハウスに入れてもらったんだ。

ゆあんくん

だから途中で入ってきたのか

ゆあんくん

シェアハウスに急に居たからびっくりしたの覚えてるわw

うり

あぁ、不審者に間違われて通報されかけたあん時なw

ゆあんくん

…まぁでも、そんなつらい過去があったんだな

ゆあんくん

きつく言ってごめんな

うり

俺の方こそ。ごめん

ゆあんくん

じゃ、そろそろ上がるか
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コメント

5

ユーザー

うりの過去結構辛いんだな。 親が完璧だから周りから完璧になれって言われていじめられてでも、じゃぱぱとかと出会えてよかったよ。

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