『ルール』なんて知りません！

翌日

今日は学校の登校日で

午前中だけ登校することになっている

サボりの人も多いみたいだけど...

そんな中

私は 体調が悪そうに見えるのか

朝から心配の声が止まない

昨日の事があって

なかなか寝付けなかったのだ

もちろんヒロくんのことは好きだ

ただ、それは友情での好きであって

ヒロくんとの好きとは形が違う

反射的に断ってしまったけれど

言葉を選べばよかったかな...

そうやって悩んでいると

教室の入口辺りが騒がしくなった

...多分ゆあんくんだろう

長期休み中の動画の再生数は

普段と比べると倍近く伸びる

だから毎日投稿をしていた

もちろん、疲れやすいというデメリットもあるが

なかなか楽しい

まぁ、唯一顔出しをしているゆあんくんにとっては

彼なりのメリットもあると思う

なぜなら

話題がたくさんあるため

話しかけようとする女子が増える

イコール

女子がたくさん集まる

友達が話しかけにいって しばらくした時

ゆあんくんに向けた歓声とは違う

落ち着いた歓声が聞こえた

これは...

...気まずい

というか

普通に体調悪いかも

なんか頭痛い...

すると

ヒロくんの手がおでこに添えられた

なんか雰囲気が違う

前までフワフワした羊みたいな感じだったのに

今は羊じゃなくて

狼みたいな

怖い感じ

あれ

なんか 倒れそう

...倒れてない

倒れかけた私を受け止めたのは

ヒロくんではなかった

どうやら気絶したみたいで

そこから先の記憶はない

気づいたら 保健室のベットの上で寝ていた

しばらく寝ていたみたいで

11時を過ぎている

簡潔にゆあんくんに状況を教えてもらった

しばらく沈黙が続く

続きを聞こうとしたけれど

どうやら体が限界だったみたいで

そのまま倒れてしまった

数時間前

倒れたえとさんを 保健室まで運んできた

まさか倒れるなんて思ってもいなかったけど

思わず体が動いてしまった

...ヒロくん嫉妬したんだろうな

この前のうりみたいに

えとさんの事は、体を横にして運んできた

いわゆるお姫様抱っこだ

運んでる間、周りの視線が痛かった

教室帰ったら 女子たちに質問攻めされるんだろうな

ふと

無意識に手が伸びる

そうやって

触るうちに

唇に触りかける

きっと今の俺は嫌われてる

こんなことしたら逆効果だろう

でも...

顔を近づける

そして＿＿＿