天国からの贈り物

今、目の前で彼女が車に轢かれた

ボールを追って車道に飛び出した男の子を庇って車に轢かれた

突然の事過ぎて頭が追いつかない

周りも騒然としている

そんなに謝られてもな…

現に彼女は返事をしない

もう、返事をしてくれないんだよｯ…！

どんどん冷たくなっていく…

なんで

なんでりうらは、こんな見ず知らずの子を助けたんだよ…

優しすぎるだろ…

なんでそんなに優しいんだよ…

それから、救急車が来て死亡が確認された

そんな訳無い

そんな訳が無いと思いたいｯ

…でも、体がどんどん冷たくなっていくのは分かる…

分かってしまっている

こんな現実、受け入れたくない

謝罪したってもう戻っては来ないんだよｯ！

お前のせいでｯ！

どうして、俺は何も出来なかった…？

俺はなぜあそこに突っ立っていた…？

どうして、どうしてｯ！

俺は何も行動を起こさなかったんだよｯ！

なんでだよｯ…

あれからしばらく経ったな

お葬式も終わった

最近ようやく実感が湧いてきた気がする

あの時の事を振り返ると後悔の気持ちしか湧いてこない

ただ突っ立って心の中であのお母さんの事をずっと責めていた

正直もう思い出したくない…

でもそんな事言ったらりうらに失礼か…

子供を助けたんだもんな

それなのに俺は…

…ダメだなぁ〜

ここ、りうらと良く来てたなぁ〜

またここ来て話そうねって元気に言ってたな

…また、話たいよ…

また、会いたいよ…

ポツ、ポツ

ザー

ザー

ポツ、ポツ…

あの虹、赤とピンクの割合多いな…w