同性愛者はダメ？

何かがかすかに聞こえた。

兄ちゃんの声

俺は兄ちゃんの声が大好きだ

甘い声で犬みたいな時の兄ちゃん。時々クールになる猫みたいな兄ちゃん。 切なそうな兄ちゃん。さっきみたいな優しい優しい兄ちゃん。怖い兄ちゃん。

兄ちゃんはよく声が変わる

そのちょっとずつ変わる兄ちゃんの変化を見るのが楽しかった

兄ちゃんの声はすっごく落ち着いて俺を兄ちゃんの沼へと引きずり込む

昔から1番近いようで1番遠いような兄ちゃん。

どこにもいそうでこの世にたった一人しかいない俺だけの兄ちゃん

『好き。』この2文字が届けばいいなって何回考えたかな

同じ気持ちだったらって何回想像したかな

でも、その度に無理だって、できっこないって

悪口言われたことを思い出して、

泣いて。迷惑かけて。嫌われて。

だから。だから、

大好きだよ

ほんの少しだけ聞こえた兄ちゃんの本音が嬉しくて。

嬉しくて。

こう思ってしまうのは兄ちゃんが好きだから。

三途の事なんかどうでも良くなってしまうくらい好きだから。

伝えなきゃってまだぐっすり眠れてもないのに起きた