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ci
食堂の前に貼りだされた先月のテストの上位者50人の名前が書かれている紙を見て
もう今日何度目か分からないため息をつく。
自分の名前がないなんて、分かりきってるのに見に来てしまう。
この軍のテストは歴や年関係なしに 一般兵としてやるから まだ一年目の僕が上位に入れないのはしょうがない。
そう思いたかった。
1番上の名前は「ショッピ」こいつはここに来て1年目。
つまり僕と同い年で先輩たちに勝っているというわけだ。
しかも、テストは8回やったうち1回も1位以外をとったことがない。
ci
きっと沢山努力してるんだろうけど、
それは分かってるんだけど、
これが、持って生まれたもんの差だとしか思えない。
悔しくてたまらない。
ci
ふと時計を確認すると、午後練の時間が迫っていたのに気がついて慌てて 訓練室にむかった。
訓練室には以外にもあまり人は居らず数人が自主練している。
その中でも一際目立つのが1位のやつ
優雅な攻撃のかわし方。
ほんの1mmのズレもなく急所を狙いに行ける技術力に誰しもが圧倒されるだろう。
そんな姿を見ながら今月のテストのことを考える。
今月のテストは僕のいちばん苦手な近距離戦。
きっといつも以上に低い順位を とるだろう。
ci
そんなことを考えるだけでため息が出る。
ci
そんなこと思ったらもうなんでも良くなってきてしまった。
もう最下位でもいいかなと思ってしまった。
そんなことを考えているうちにもう訓練が始まっていて、僕の番が迫っていた。
あんなことを思ってしまったあとだからいつも以上にやる気がない。
早くおわせたいから負けよう。
そう思っていたのだが、相手が特攻してきて、
あ、これ、当たったら痛いな。
そう直感的に感じて反射的に避けた。
避けられると思っていなくて自分でもびっくりしたとき、
sho
少し遠くから声が聞こえてきた。
何回か聞いたことある声。 見なくてもわかる。1位だ。
上から目線に少しイラッとしたものの まあ1位だし、しょうがないかと気持ちを落ち着けた。
そのあとすぐに負けたが、 やる気なかったはずなのに、何故か本気になってしまった。
予想以上に疲れて壁にもたれ掛かる。
ぼーっとタイマンを見ていると、
sho
不意に話しかけられた。
声で大体誰かは分かったが、声のする方に顔を向けるとやっぱりそこには さっき僕を褒めてきた、1位、 ショッピが居た。
ショッピが僕に話しかけてくるのは今回が初めてじゃなくて、前にも何回か話しかけられた。
ci
こいつは1位。そのことを思う度にどう話せばいいか分からなくなる。
sho
sho
また上から目線。
なんで僕のこと褒めるんだろう。
なんでこんなに話しかけてくるのだろう。
こいつになら勝てると思っているのだろうか。
ああ、もしそうならうざいな。
ci
嫌味っぽく言ってやった。
だって本当は凄いなんて、上手なんて思っていないのだろう。
だって、自分が1番強い、1位だから。
sho
また褒められた。ここまで来るともううざったい。
sho
その言葉を聞いた瞬間、何かが崩れ落ちた気がした。
ああ、僕のことバカにしてるんだ。
こいつに俺はこせないって思ってるんだ。
そう思った瞬間、心の奥底が燃えるように熱くなった。
sho
そう言って、僕の隣に落ちていた、 オレンジ色のラインの入った僕の ナイフを拾って渡そうとしてくる。
こいつ、僕のこと馬鹿にしてやがる。
絶対に勝ちたい。
こいつなんかに負けたくない。
まだ僕はこいつに勝てないけど、
対等に戦えるくらいにはなりたい。
そのために頑張ろう。
2位をとれるように。
そして、いつか絶対に1位を とるんだ。
ci
僕に負けた君の顔が、
ci
君の反応が見たい。
ああ、絶対悔しがるんだろうな。
ありえないって言うんだろうな。
バカにしたことを後悔するんだろうな
次こそはって思うんだろうな。
もう一生1位をとれないようにしてやろう。
だって、僕が1位をとるんだから。
お前は2位だ。
僕の下だ。
僕の方が上になるんだ。
お前は泣いて悔しがればいい。
そう思いながら、ナイフを受け取った
ci
僕を本気にさせたんだから、
僕に負けたら、本気で悔しがれよな。
短集編といいながらもこんな長くて すいません。
次は多分短いの出すんで、
短集編という名に相応しいの書くんで許してください(多分ね)