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LINE1426

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LINE1426

1 - あ

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20

2023年12月19日

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サナミ

アミさん

サナミ

昨日、いったい何時に帰ってきたの?

アミ

えっと、昨日は、深夜2時ぐらいだったのと思います

サナミ

あのね、深夜2時って、

サナミ

もういい感じに眠くなってるときなんだけど?

サナミ

なんで、そんな時に音たてられて起こされる羽目になるわけ?

アミ

すみません...

アミ

起こしてしまったなんて、気づかなかったです

サナミ

は?気づかなかった?

サナミ

あなたね、自分が何言ってんのか、分かってんの?

サナミ

バカなんじゃないの?

サナミ

私ね、あなたが引っ越してきてから、ずっと音については注意してるわよね?

アミ

えっ...でも、

アミ

前言われたシャワーは、もう朝にやるようにしましたよ?

アミ

夜にお風呂入られると、水の音で起きちゃうからやめてくれ、って...

サナミ

最近、深夜から何料理してるでしょ?

アミ

料理、って言っても...

アミ

そんな、たいそうなものじゃないですよ?

サナミ

あのね、深夜から音を立てるのをやめて、って言ってるの!

アミ

えっ...

アミ

でも、音を立てる、って言ったって、

アミ

電子レンジを使う簡単なものでしか、料理してないですよ

アミ

それも、ダメなんですか?

サナミ

だめよ

サナミ

私ね、小さな音でも、気になったら寝れなくなるの

サナミ

それ、前にも話さなかった?

アミ

話したと、思いますけど...

アミ

でも、さすがに疲れてきてお腹も空いているので、

アミ

何かお腹には入れたいというか...

サナミ

別に、電子レンジを使わなくても食べれるものはあるでしょ?

サナミ

とにかく、大きな音が鳴るものは深夜に使わないでよ

アミ

あの、仕事でへとへとなんですよ?

アミ

なんでそんなに、厳しく言われないといけないんですか?

サナミ

へとへと、って言うけど...

サナミ

どうせ職場で迷惑しかかけてないんでしょ?

サナミ

上司に起こられてる様子が、目に浮かぶわよ

アミ

まったく迷惑かけないわけじゃないですけど...

アミ

でも、やることはしっかりやっていますし、

アミ

ちゃんと仕事してますよ

サナミ

信じられないわね~

サナミ

研修中の看護師なんて、使えないんでしょ

サナミ

ドラマとか見てると、先輩も結構苦労するみたいだしね

アミ

ドラマって...

アミ

そんな、テレビは全く関係ないですよね?

アミ

現実の、ドラマの中のことを一緒にしないでくださいよ

サナミ

でも、ほぼ変わらないでしょ?

サナミ

医療の現場って行動が遅い人は、どんどん使い物にならない、

サナミ

って言われて避けられるんでしょ、どうせ

アミ

そういうことは、医療の現場で働く経験を持ってから言ってください

サナミ

いやよ~

サナミ

だって、あなたみたいなどんくさい後輩を持つと、

サナミ

こっちはストレスしか溜まっていかないじゃない

サナミ

そんな生活、ごめんよ

アミ

なんで、私が迷惑をかける前提なんですか?

アミ

言っときますけど、私研修医の中では一番優秀ですから

サナミ

は?嘘言わないでよ

サナミ

仕事できる人は、何においても完璧なはずよ

サナミ

ご近所への配慮も、しっかりできるはずなんだから

サナミ

ま、音にはこれからも、気をつけてね

~その週の日曜日~

サナミ

ねえ、あみさん

サナミ

昨日の夜、誰か家に来てたの?

アミ

あ~はい

アミ

彼が毎週、家に遊びに来てくれるんです

アミ

大学1年生の時からずっと付き合っていて、

アミ

私が仕事で離れることになって、ここにきたので、

アミ

今は遠距離恋愛中なんです

サナミ

ふーん...

サナミ

その彼も、大変ね

アミ

え?何がですか?

サナミ

毎週、何時間もかけて遠いところに会いに来させられるなんて

アミ

いや...私が頼んだわけじゃないです

アミ

彼が来たくて、それで毎週来てくれるようになったんです

アミ

毎週、新幹線で往復1万円かけてきてくれるんですよ

サナミ

往復で1万円!?

サナミ

そんなに大金、その彼も毎週大きな出費ね

サナミ

あなた1人のために、色々なもの犠牲にしないといけないなんて

サナミ

可哀そう

アミ

彼も、納得した上でのことです

アミ

っていうか、サナミさんが何でそんなこと気にするんですか?

サナミ

イヤ...だって、チラッと彼のこと外で見かけたけど、

サナミ

結構かっこよかったし、

サナミ

あなたとは合いそうにないな~って思っただけよ

アミ

え?彼に会ったんですか?

サナミ

ええ

サナミ

隣に住んでるものです、って挨拶したら、

サナミ

すごい紳士的で、挨拶してくれたわ~

サナミ

彼はあんなに素敵なのに、彼女のあなたはどうして隣人に迷惑をかけるような、

サナミ

非常識な人になったのかしたね

サナミ

不思議でたまらないわ

アミ

いや、私言われたことは素直に聞き入れてますよね?

アミ

だいたい、サナミさんだって昼間、うるさい時ありますよ?

サナミ

例えば?どんなときよ?

アミ

昨日、ご近所さんと話してる時の話し声、

アミ

3階に住んでいる私でも、良く聞こえてきました

サナミ

あら?そうだったの?

サナミ

全然気づかなかったわ~

サナミ

ごめんなさいね

アミ

っていうか、わざとでしたよね?

アミ

他の方は全然普通の声のトーンで話してたと思います

アミ

なんで、あんなにサナミさんの声だけ、聞こえてくるんですか?

サナミ

私、そういう体質なのよね

サナミ

声が良く通って、聞き取りやすい、って言われるのよ

アミ

いや...

アミ

それにしても、声が大きすぎたと思うんですけど

サナミ

っていうか、聞こえてたなら...内容も聞こえちゃってた?

アミ

まあ、聞こえてましたよ

アミ

わざわざ、それ聞くんですね

サナミ

まあ、一応ね?

サナミ

何話してたか、覚えてるの?

アミ

私が夜中でも平気で音をたてる非常識だから、

アミ

しっかりしてそうに見えて、実は問題を起こす人、って言いふらしてたんですよね?

サナミ

あら、内容まで良く覚えてるわね

サナミ

さすがね~

アミ

あんな大きな声で話されたら、耳に入れたくないことでも聞こえてきます

アミ

っていうか、私には非常識、って言うくせに、

アミ

私には配慮してくれないですよね

サナミ

何を配慮しろ、って言うの?

アミ

私が夜勤で帰ってきたことに気づいたなら、

アミ

昼間は寝ているはず、って知っているはずですよね?

アミ

それなのに、わざわざ音を立てるなんて...

アミ

嫌がらせのようにしか思えないですし、

アミ

そっちの方が、配慮がないと思います

サナミ

私は声が大きいのは体質なんだから、しょうがないでしょ

サナミ

変えられないの

アミ

そんなこと...

サナミ

まあ、そういうことだから

サナミ

よろしくね

~4日後~

リコ

サナミさん、こんにちは

サナミ

リコさん

サナミ

久しぶりですね

サナミ

どうですか?体調の方は

リコ

ええ、ケガした脚もすっかり良くなって、

リコ

今朝退院したのよ

サナミ

そうだったんですね

サナミ

退院、おめでとうございます

リコ

ありがとう

リコ

病院生活、本当に狭苦しくてしんどかったわ

リコ

でも、担当してくれた看護師さんのおかげで、

リコ

すごく楽しく過ごせたわ

サナミ

良かったですね

サナミ

良い看護師さんだったんですね

リコ

ええ、それはもう

リコ

その方、研修医さんと一緒に担当してくれたの

リコ

看護師さんは毎日、私の様子見に来てくれたし、話も弾んでね

リコ

なんだか、その人と話してる時は家にいる気分だったわ

サナミ

優秀な看護師さんでよかったですね

リコ

ほんとね

リコ

あっ!それで付いていた研修医さんが、あなたの隣の家に住んでる子だったのよ

サナミ

えっ!?そうなんですか?

リコ

そうなのよ~ビックリしちゃった

サナミ

どうでしたか?あの子の仕事ぶり

リコ

う~ん...看護師さんに迷惑かけてる場面を見ることの方が、多かったかしらね

リコ

叱られてる場面も多くて...

サナミ

やっぱり、そうだったんですね!

サナミ

あの子、自分では仕事できる、って言い張ってたんですけど、

サナミ

やっぱりそんなことだろうと思いましたよ~

リコ

なんて...私が言うとでも思った?

サナミ

え?

サナミ

えっと...どういうことですか?

リコ

あなたの隣に住むアミさん、全然叱られてなんてなかったわ

リコ

すごく、一生懸命に仕事していて、私が見習いたいくらいだったわよ

サナミ

あ...そうなんですね

リコ

でも、サナミさん

リコ

あなた、アミさんのこと、仕事できない奴だ、

リコ

って罵倒してたらしいわね

サナミ

えっ?

サナミ

いや...そんなわけないじゃないですか!

リコ

そんなウソついたって無駄よ

リコ

私ね、聞いちゃったのよね

リコ

アミさんが先輩の看護師さんに、相談しているところ

サナミ

相談、っていうのは...

サナミ

何ですか?

リコ

ぜーんぶ、話してたわよ

リコ

隣人のあなたから受けている嫌がらせのこと

サナミ

えっ!?

リコ

まさか、私が同じマンションに住んでいるなんて思ってなかったのかしらね

リコ

私の側で、2人で話してる時に聞こえてきちゃったの

リコ

まあ、聞いてる限り...

リコ

あなた、かなり失礼なことしてきたそうじゃない

サナミ

聞いていたなら...知っているとは思うんですけど、

サナミ

私が夜に生活音を出すのは止めてくれ、っていうのは、

サナミ

アミさんがあまりにも配慮がないためです

サナミ

私も、寝不足になりかけてるんですよ

リコ

私、アミさんの部屋の近くに住む人から、そんな苦情は聞いたことないわ

リコ

むしろ、一貫して聞くことが多いのは、

リコ

サナミさん、あなたのことよ

サナミ

えっ?私ですか?

リコ

自分が気に入らないことには、大声で罵倒して相手を黙らせる

リコ

こんな手法使うなんて、あなたも性格悪いのね

リコ

それに、今日会った町内掃除、

リコ

サボったそうじゃない

サナミ

あっ...

サナミ

そういえば、今日だったんですね~

サナミ

すっかり忘れていました...

リコ

忘れてた?

リコ

私は、みんなが掃除している中、

リコ

近所のカフェにモーニングしに行ってくるから掃除はよろしくね、

リコ

って言っていた、という相談を受けているんだけど

リコ

それは、事実なのかしら?

サナミ

あっ...えっと...

リコ

本当のことを聞かせてちょうだい

サナミ

本当、です...

リコ

ほんと、最低な人ね

リコ

マンションに住む人は、全体行動ができないといけないの

リコ

それができないなら、あなたがこのマンションに住む資格はないわよ

リコ

それ、分かっているのよね?

サナミ

はい、もちろん、十分わかっています

リコ

そしたら、アミさんへの嫌がらせもやめる、ってここで誓ってくれる?

サナミ

はい、もちろんです

サナミ

もう、絶対に理不尽なことは言わないです

リコ

そう、分かったならいいわ

リコ

じゃあ、本当にその気持ちを行動に表すために、

リコ

マンションの駐車場の溝の掃除、やってくれる?

サナミ

えっ!?

サナミ

全部、1人でですか?

リコ

当たり前でしょ~?

リコ

今朝やって置けば、1人でやらなくて済んだのにね

リコ

そこでサボって、辛い仕事をやらなきゃいけなくなったのは、自分のせいでしょ

リコ

自業自得ね

サナミ

そんな...1人でやっていたら、これ日が暮れちゃいます

リコ

日が暮れたら、何にも見えないしその方が大変よ

リコ

口動かして文句言うよりも、早く動いた方がいいんじゃないかしら?

サナミ

そんな、めちゃくちゃな...

リコ

町内会長の、私からの指示を聞けないなら、マンションから出て行く?

サナミ

いや!それは...

サナミ

分かりました!今からスタートします!

リコ

そう?よろしくね

~後日談~

アミ

その後、サナミさんは何とか溝掃除を終わらせたようです

アミ

しかし、その後腰を痛めたらしく3日ぐらいは家から出てこれなかったみたいです

アミ

また、私への嫌がらせはすっかりなくなり、私は今すごく、

アミ

ストレスが減って仕事に集中できています

アミ

本当に、町内会長のリコさんには感謝しています

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