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君の呪い - まじない -

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君の呪い - まじない -

5 - Chapter 4 : 視え隠れ

♥

103

2025年11月22日

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# 類 .

ねえ、キミは…
何に絶望してるの?

類の放った言葉が、 耳にこびり付いて離れ無い。

# 司 .

オレが何に絶望しているか?
そんなの、自分自身に
決まっているじゃないか

司は思い出す。 全てを失った、 そう遠くない日の事を。 そして思いっ切り嘲る様に笑う。

# 司 .

オレは、お前が…類が
思う程綺麗な人間じゃない

丁度、1年程前の話だった。

# 咲 .

お兄ちゃん、いこう!

司には、目に入れても 痛くないほどに 溺愛している妹がいる。 病弱で普段はベッドから 出てくるのも難しい妹が ここ数週間は すこぶる体調が良いというのだ。 幼馴染も交えた誕生日パーティに 市場へのお出かけ。 ずっと叶えてあげられて いなかったそれに 大喜びする妹は可愛かった。

# 司 .

よがっだな…!!

# 咲 .

あはは、お兄ちゃんったら、
泣きすぎだよ~!

しかも、つい昨日は 水晶の森まで たどり着けたというのだ。 普通のこどもが歩いていくには 片道20分ほどのそこだったが 30分と少しをかけてなんとか 森までたどり着いたようだ。 妹の小さな歩調に合わせて 仲良くしてくれている 幼馴染に司はそれはそれは 感謝したものだ。 感謝が過ぎたのか、 一人にうざがられ、 もう二人には呆れられたが。

# 司 .

雫も今日は来れるんだったか?

# 咲 .

うん!
今日は巫女さんのお仕事
おやすみなんだって!

そんな訳で、今より幼いオレ達は 幼馴染と待ち合わせをして 水晶の森へと向かっていた。 水晶の森は奥まった所へ行くと 水晶の煌めき溢れる 神秘的な場所だが 入口付近は普通の森と大差なく、 水晶の力で凶暴な獣も 住み着かないので 子供の遊び場に最適だ。 しかし、今日は 可愛い可愛い咲希の願いを 叶えるべく、奥の水晶のある所迄 行く約束をしていた。

# 咲 .

わあ、綺麗…!!

咲希が楽しそうな声を上げる。

# 咲 .

お兄ちゃんお兄ちゃん!
アタシあれやりたい!
言い伝えの奴!!

力のある子供は水晶に惹かれ、 触れれば光が放たれ、 天啓を授けられるだろう。 司の住んでいた村には そんな言い伝えが残っていた。 軽い気持ちで各々の惹かれる 水晶玉に軽く触れる。 あたりを強い光が包みこんだ。 ば、とモニターのような ものが出てくる。 それが、6人分。 驚きを孕んだ声が 大きく響き渡った。

# 司 .

な、何ー?!

# 咲 .

コレってコレって~、
もしかしなくても
言い伝えの奴だよね?!

# 雫 .

ええ、きっとそうよ…!
まさか全員に現れるなんて…!

# 一 .

あ、説明文があるみたいだね

# 志 .

うん、さっさと読んじゃおう

# 穂 .

そうだね。
まさかこんな事があるなんて、
吃驚したよ

能力名:虚像の演者【アクター】  能力の内容:司が意図的に 特定の感情 (特に恐怖、悲しみ、殺意など)を 他者から完全に遮断し 虚偽の感情 (笑顔、無邪気さ、明るさ)を 増幅させて認識させる。  代償/制約:能力による虚像を 多くの人に見せ過ぎると 自分を見失ってしまう。

能力名:運命の調律者【マエストロ】  能力の内容:司がごく短時間、 自分や他者に降りかかる 差し迫った不幸 (死や怪我など)の規模や順序を 捻じ曲げる事ができる。  代償/制約:捻じ曲げた 不幸分の苦しみが 体調不良となって現れる。

自分以外の皆の能力は見ることが 出来なかったが、 皆、希望に満ちた顔をしていた。

# 咲 .

この力、誰かの為に使いたいな

# 志 .

うん、間違っても、
人を傷つける事がないように

# 穂 .

皆がどうかはわからないけど…
この力には、少なからず
代償があるみたいだから、
わたしたちは
支えられる事になるよね

# 一 .

うん。
支えてもらった恩を
還元して行けるようにしよう

# 雫 .

みんないい子ねえ…♪

そんな話をしていると、 いつの間にか街の広場へと 帰って来ていた。 雫は神殿で 祈りの時間になるから、と 街の入口で名残惜しくも別れた。 刹那、何故か片腕が飛んでくる。

# 咲 .

ぇ、…?

顔から血の気が引く。 その手首には、今朝、 咲希が母に送った 腕輪が着いていたから。 咲希も状況を理解してしまったのか 引き攣った声をあげ、 数歩後ろへ後退った。

# 司 .

オレが先に様子を見てくる。
一歌たちは、咲希に
寄り添ってやってくれないか

幼馴染たちは力強く頷いてくれた。 感謝し軽く頭を撫ぜると、 オレは家の方角へ走り出す。 走って、なんとか たどり着いた家の扉を 叩くように開くと、 そこには吐きそうな 光景が広がっていた。

血で赤く染まった室内に 倒れ込んでいる両親。

# 現 .

つ、かさ…?

片腕を失った母が 血を吐きながら問うた。 これは現実か? 脳が理解を拒む。

# 司 .

かあ、さん、どうして、
なにが、なにがあったんだ…

# 現 .

ころ、して…?

うわ言のように母は言う。 父もそれに頷いた。 出血多量で二人が 助からないことを 子供ながらに理解してしまった。 死ぬまでのこの苦しい瞬間を 終わらせたいのだと、 解ってしまった。 震える手でナイフを手に取る。

# 司 .

っ…

いやだ、いやだ。 怖い。 こんな事したくない。 どうしてこうなってしまったんだ。 父と母をこうした奴が憎い。

# 司 .

っ、…

司は力無くナイフを落とす。

# 司 .

こんな事、っ…出来ない…

頬を涙で濡らしている内に 両親は冷たくなってしまっていた。 両親を嬲り殺したのは、 間違いなくオレだった。

# 司 .

咲希だけ、は、
必ず守らなければ

そう決意を固めた矢先、 4人の悲鳴が聞こえる。

# 司 .

咲希!!

両親を抱きしめたが故に 血に濡れた手を洗う事も しないまま、司は駆けだした。

四人のいるはずの広場へと駆け戻る。 そこにいたのは、愛しい妹と その幼馴染ではなかった。 檻を粗雑に台車に 括り付けたようなものに とらわれる妹たちを 連れ去っていく男たちの姿。 追いかけども、追いかけども、 男たちの背中は 遠ざかっていくばかりだった。

# 司 .

なん、で…

どうしてオレたちが、 オレだけがこんな目に 遭わなくてはならない。 唯、オレは。

# 司 .

幸せになりたかった、
だけなのに…

深くて重い絶望が 小さな体を支配する。 噴水の水面に映る俺は 酷い顔をしていた。

# 司 .

…こんな顔、ダメだな

司は自分を嘲る様に 思いっ切り笑う。

# 司 .

『虚像の演者【アクター】』

深い絶望を覆い隠して笑う。 誰にも弱みを見せないように、 つけいられないように。

雨は降り止む気配はない。 鬱陶しいほどの土の匂いと、 ジメッとした空気が肌に張り付く。

# 司 .

オレは哀れな迄に、
愚鈍を演じなくてはならない

それが彼__類への救済であり、 自身への呪いだ。

# 司 .

オレなんかが心のままに
生きる権利なんてものは、
捨ててしまったからな

# 司 .

…はは、どうして
こうなったんだったか

オレは何処で間違えたのだろうか。 水晶の森に行かなければ、 咲希を置き去りにせず 惨劇を共に目にしていれば、 それとも両親を殺めず 誰かに助けを求めていれば? たらればばかりが浮かぶ。

# 司 .

いっそ、殺してくれたらな

贅沢を1つ口にした。

# 謎 .

更新遅くなって
申し訳ございません!!!!!

# 謎 .

また、ゆるーっと
更新していこうと思います

# 謎 .

閲覧ありがとうございました!

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この作品はいかがでしたか?

103

コメント

6

ユーザー

設定から良すぎて1話目から一気見しました…!! 主様語彙力爆発しすぎててすごく良かったです😭😭 このお話めちゃくちゃ好きです… 続きすっっっごく楽しみにしているので連載頑張ってください!💗

ユーザー

わぁぁ✨ 更新ありがたいです😊 司くんも可哀想ですね😭 続き楽しみにしてます😊

ユーザー

続き楽しみです!!

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