桃
お前毎日ここいるの?
屋上に来るといつも先に桃くんがいた
青
うん、落ち着くから
桃
ふ~ん…
桃
変なやつ
桃くんは相変わらず塩対応だったけど
何故か「帰れ」とは言わなかった
青
桃くんは?なんでここに?
桃
……別に
そっけない返事。
でもなんとなく放っておいてほしい雰囲気だった。
僕は余命1年の難病を持っている
僕は黙って隣に座る
心臓の痛みが少しだけ楽になる気がした
桃
…なぁ
青
ん?
桃
お前、体調悪くね
一瞬僕の呼吸が止まった気がした
青
え、なんで?笑
桃
さっきから顔色悪いし息も浅い。風邪?
桃くんは無表情のまま僕の顔をじっと見つめる
バレるわけにはいかない。
青
いや、寝不足なだけ、笑
桃
……そ
桃くんはそれ以上何も聞かずまた空を見上げた
僕はそっと拳を握りしめる
そこまで深くもないこの関係が崩れるのが少しだけ怖かった
青
ねぇ桃くんってさ
青
彼女とかいないの?
僕は軽い調子で尋ねると桃くんはじとっとした目で睨んできた
桃
は?
青
いや、モテそうだなって思って
桃
……興味ねぇ
そっけない返事。
でも嫌そうな顔はしていなかった
青
ふ~ん、意外
桃
何がだよ、
青
だって冷たいけど優しいじゃん
桃くんは一瞬眉をひそめた
桃
どこが
青
だって僕のこといつも気にしてくれてるじゃん
桃くんは呆れたように息を吐くと僕から視線を逸らした
桃
お前が勝手に喋るから聞いてるだけ
青
それ優しいってことでしょ、笑
桃
、うざ
そう言いながらも桃くんは僕のことを追い払おうとはしなかった
むしろ少しずつ距離が近くなっている気がした
このままずっとこうしていられたらいいのにな
僕は心臓の痛みを感じながら静かにそう願う。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡100