ぷぅぴす
ぷぅぴす
ぷぅぴす
ぷぅぴす
ぷぅぴす
ぷぅぴす
ぷぅぴす
ズキズキと痛む腹を抱えながら数十分ほど院内を散歩すると意外な人物に出くわした。
太宰
F・ドフトエフスキー
F・ドフトエフスキー
太宰
何時ものように澄んだ顔で嫌味を云う、ドフトエフスキー。こういう処は一周回って中也のほうがまし。
心の中で小さく溜息を付き、何のようだと聞くと「貴方こそ何のつもりですか?」っと聞き返された。
F・ドフトエフスキー
F・ドフトエフスキー
F・ドフトエフスキー
F・ドフトエフスキー
太宰
F・ドフトエフスキー
この世界の中也は死んだ。恐らく蘇るというのは別の世界の中也が此方で生きるということ。
中也だけど中也じゃない。
少しだけ違うかもしれないがテセウスの船。同じ見た目だけど其れは中也と呼べるのか、中也であって、中也じゃない。
だけど…
太宰
F・ドフトエフスキー
F・ドフトエフスキー
太宰
F・ドフトエフスキー
F・ドフトエフスキー
ドフトエフスキーはくるりと周り、静かに帰っていった。
彼奴と話すと妙に疲れる。
私は大人しく病室に戻ることにした。
運良く一人部屋だった為私は部屋に戻っても中也のことはばかり考えた。
「テセウスの船」 テセウスの船が老朽化したので少しずつ新しい部品に変えることになった。暫くするとテセウスの船は新しい部品で、テセウスの船になった。
形も設定も同じ船。其れは元の船と同じと云えるのか、又違うと云えるのか、
解体した古いテセウスの船の部品で又同じ形の船を組み立てた。 何方の船も同じテセウスの船で、何方もテセウスの船ではない。
身近な例えなら全焼した歴史的建造物を残った資料で瓜二つに建て替えた。其れは同じと云えるのか、云えないのか。
若し、死んだ中也が生き返るなら話は別だが…
パラレルから中也が連れてこられるなら其れは問題。
中也だけど私の知っている中也ではない。
太宰
そんな思考がぐるぐると。気付いたときには手の甲に私の泪がぽろぽろと落ちていた。
太宰
無意識に云っていた。
疾く会いたい。私の躰に穴が開こうが、皮膚が切り裂かれようが彼に会いたい。
まだ昼過ぎだが、私は布団を被って眠に就いた。
白装束
目を開くとにこやかに笑って手をふる白装束。
否、顔は見えないな。手をふる白装束の男。
白装束
白装束
白装束
はて。何故私にサボり癖があると知っている。薄々思っていたがこの男どこかで…
白装束
太宰
白装束
白装束
前回は時間と銃。今回は…
太宰
白装束
男は顎に手を当てて暫く黙り込んた。
白装束
白装束
白装束
太宰
男は自殺だし、武器は要らないね。どうせ会話しか出来ないし。っと云い何も云わず指を鳴らした。
浮遊感に包まれ酔わないよう瞑った目を開くとそこは中也の部屋。
何時もなら荒れて居るはずの部屋が綺麗に片付けられて居た。
窓の外を見ると土砂降りの雨。
時計の針は夜の8時半を指していた。
太宰
太宰
そう思って私は中也がよく行くデパートに向かった。
太宰
上の階から降りながら虱潰しに探したがその姿は見当たらない。
残りは3階。ここに居なければ中也は間違いなく何処かのビルの屋上。
私はこのデパート内に居ますようにと祈りながら移動した。
4階から下に降りるためにエスカレーターに乗っていると、一階の花屋で趣味の悪い帽子がちらついた。
太宰
私は駆け下りて彼の元へ向う。
彼は夾竹桃と桃の花を買っていた。何故花屋にあるかは置いておいて、私が好きな花だ。
だから私は「ねぇ中也!」っと声をかけた。
然し彼は聞こえないかのように会計を済まして、どこかに向かった。
仕方が無いので私は中也についてる行く。
向かった先は墓地だった。
中也が立ち止まった墓には太宰治と。
彼は夾竹桃と桃の花を供え、墓に向かって「手前に最後の嫌がらせをしてやる」そう云った。
太宰
中也の肩に手を伸ばすとすかっと透けて、触ることは出来ない。
思い出した。白装束の男が会話しか出来ないと…
私は中也と会話しか出来ない。飛び降り、入水、焼身、服毒、自殺を無理矢理止めることは出来ない。
つまり…会話だけで彼に生きる気力を与えなければ…行けない…
太宰
太宰
私は取り敢えず
ちびと、ちびっ子マフィアを連呼した。
すると、中也は泪を流して振り返った。否もしかしたら雨かもしれない
中也
だけど彼は驚いた顔も、怖気付いた顔もしなかった。とても嬉しそうな顔をしていた。
コメント
6件
待ってください、好きです、 え?中也が太宰さんタヒんで悲しんでる?え?やっぱり結婚してたの?
続き気になります!!