kr
家を出て数時間後。
俺は何も無い路地裏に座り込んでいた。
心臓がうるさく鼓動する。荒い息使いに、とある衝動に飢え激しく疼く身体。
俺は必死に身体を抑え込んで耐える。
目の前にある水たまりには、いつもと違って真っ赤に光る眼をギラつかせる自分が映っている。
kr
何も言わずに出ていって、悪いことをしたと思っている。
でも、彼を守るにはこれしか無かったのだから。
kr
ガリッ、という音と共に、突然口の中に鉄の味が広がる。
びっくりして吐き出すと、それはやはり自分の血だった。
きっと下唇を強く噛みすぎたからだろう。そう考えた途端唇がジンジン痛み出す。
kr
痛みで正気に戻ったのか、さっきよりかは衝動も落ち着いてくる。
……あれ、俺何してたっけ……
あぁ、そうだ、今の俺は危ないから。
trから、離れないと。
kr
俺はぽつりと呟いて街を後にした。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!