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ゆあん

部活は?

シオン

私はやってないよ…?
ゆあん君は?

たわいの無い会話。

それだけでも俺はめちゃくちゃ嬉しかった。

彼女の顔を見れない。

俺の顔も、今どんな顔してるかな。

シオン

ねぇ、ゆあん君。
一緒に帰ろ?

驚いてパッと顔を上げた。

目が合った彼女はふんわりと笑って見せた。

シオン

久しぶりにお話したいの…
嫌なら無理強いは──

ゆあん

行く!

噛み付くように反応した。

ゆあん

い、一緒に…帰ろ…?

シオン

…うん♪

2人はほんの少しだけ昔の2人に戻った気がした。

シオン

部活に入ろうって思わなかったの?

隣に並んで、顔を合わせることなく歩く。

でも、話せるだけでも嬉しかった。

ゆあん

一応考えはしたけど、あんまり運動出来なくてさ。

ゆあん

足も早い方じゃないし、文化部もやらないかなって思って辞めた。

ゆあん

シオンちゃんは?

名前を呼ぶ。

その懐かしい響きだけで、心臓がはねた。

シオン

私も同じ理由。
あとね、

シオン

……一人ぼっちだったからさ…

彼女は前を向きながら悲しそうに苦笑した。

シオン

こうやって、お話するのもなかなかないんだ…
私、今嬉しい…♪

次は楽しそうに笑う。

でも、やっぱりどこか悲しげに笑うのが本当に懐かしい。

ゆあん

…俺も嬉しいよ。
俺だって話せる人そんなに居ないし

シオン

え、ちょっと意外…

シオン

私のことあんなに呼んで、一緒に遊ぼうって言ってくれてたから、きっと友達沢山できてるんだろうなって思ってた…

覚えててくれてるむず痒しさ。

本当は、シオンちゃんが気になって仕方なかったなんて言えるはずもなくて。

ゆあん

俺だって無理なものは無理だよ。

シオン

…そっか。

切れてしまった会話。

なかなか昔のように話すことは出来なかった。

案外早くついてしまった私の住むマンション。

久しぶりに会えたのにそんなに話せないまま、時間は過ぎてしまっていた。

シオン

もう着いちゃったね。

久しぶりに会えた唯一の友達。

彼の顔は、ちゃんと見れていない。

ゆあん

うん。あとは俺一人で帰れるから大丈夫。

シオン

気をつけてね。

それだけの会話のつもりだった。

また会いたいなんて思ってしまえば、会えない日々が苦しくなるから。

たまにお話する程度でいいから、見つけるだけでもいいから。

彼は軽く手を振ったあと、直ぐに背を向けて歩き初めた。

見えなくなるまで見つめていた。

ゆあん

…ねぇ

シオン

なぁにー?

声と同時に振り向いた彼。

自分で出せる精一杯の声で答えると

ゆあん

……また!一緒に帰れる?!

彼もまた大きい声で返してくれた。

さっきよりも冷えた風が彼の声と同時に流れてくる。

嬉しかった。

嬉しさでいっぱいだった。

そして私はもう一度叫んだ。

シオン

…わ、私も!一緒に帰りたい!

はい、どうもこんにちは。
2人とも大きな声出したね?

シオン

喉壊れる

水飲んできな。

ゆあん

あんな大きい声出るんだね。

私も思った。

ただの近所迷惑にならないといいけど。

皆様、毎度♡とコメントありがとうございます

これからも、自分のペースでがんばります!

それではまたどこかで

ゆあん

おつぴちー

夢にまで見たお互いの気持ち

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