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《Part0》乱れ月の夜

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《Part0》乱れ月の夜

17 - 第16話《正義》

♥

110

2023年12月16日

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ハール

《あの人の元へは行かせない…》

擾乱

無理やりにでも突破してやるぜ!

ハール

《できるものならやってみろ!!!》ブゥンッ

オネガ

またパネルが!!!

擾乱

はっ、お前のパネルは叩き割ればどうってことないぜ!

擾乱

challenger of change!!!!!!

擾乱

無駄ァ!!!

パキィンッ!!!!

ハール

《……ちゃんと書かれている文字を見てから割ることだな》

ブワッ!!!!!!

擾乱

何ッ!?

擾乱

割ったはずのパネルが、散らばって向かってきやがった!!?!?

星屑

ジョジョ!!!あぶねぇ!!!!

星屑

Crazy tracker!!!!

星屑

ドラァ!!!!!

擾乱

た、助かったぜ星屑……

星屑

さっきと違って、割っても危険とか……どんだけ奥の手があるんだよ

ハール

《考え無しに突っ込んでくるからだろうが愚図》

星屑

っなら、文字を打ち込む前にてめぇを殴り抜けるだけだぜ!!!!

星屑

ドラァ!!!

ハール

《…ふん、脳筋めが》

擾乱

っ!?

擾乱

待て星屑!足元になにか……!!

バキッ

星屑

なっ!?

星屑

こ、これは……!?

ハール

《そのパネルは事前に設置したものだ。文字は……言わなくとも見えるだろう?》

星屑

ば、爆発……!!!

擾乱

くそっ!

擾乱

challenger of change!!!!!!

ヴゥンッ

星屑

ぉわっ!?

オネガ

じょ、ジョジョと星屑の位置が入れ替わったァー!!!!

ボンッ

擾乱

ぐぅっ!!

数斗

立条くん!!!!

星屑

お前、俺を庇って……!!!

擾乱

っててて……ばーか、庇うとかじゃあねぇよ!

擾乱

これが一番の最善策だったからだ。

星屑

最善策って……なにかその傷を治す方法でもあるのか?

擾乱

challenger of changeは、ものの状態も交換できるんだ。つまり……

ポウッ

数斗

なっ!傷が……

オネガ

ジョジョが瓦礫に触れた瞬間、ジョジョの傷が治って、逆に瓦礫に爆破後のようなあとができたぞ!?

星屑

"石の状態"と"自分の状態"を入れ替えたってことか!!!

擾乱

そういうことだ!

ハール

《ふん、小癪な……》

ハール

《そんなの、回復など追いつかないくらいに痛めつけてやれば意味は無い》

ズォッ!!!

オネガ

うわぁ!パネルがいっぱい飛んできたァ!!

擾乱

無鉄砲に打ったところでだ!無駄ァ!!!(パリィン!!

星屑

焦ってきてんじゃあねぇのか?ドララァ!!
(パリンッ!!

オネガ

すごい!圧倒的にこっちが有利だ!!!

数斗

(……なにか変だな…)

数斗

(あまりにも攻撃が単調すぎる……さっき罠すら張ってきた敵なのに?)

数斗

(……むしろ、ほかの攻撃に意識を向けているから、見せかけの攻撃を仕掛けているのか?)

数斗

(だとしたら狙いはなんだ……!?今この状況で1番狙いやすくて、あちら側が有利になるであろう狙いは……)

数斗

っは!

数斗

オネガくん!!!避けて!!!

オネガ

へ?

ゴオッ!!!

数斗

ぐっ!

擾乱

数斗!?

フッ

擾乱

なっ……!?

星屑

か、数斗が……

オネガ

き、消えちゃったァーーー!?!!?!?

ハール

《ふん、面倒な……あいつに当てる気ではなかったのに……》

星屑

てめぇ!!数斗をどこにやりやがった!!!!

ハール

《言う意味があるのか?バカ正直に話したところでだ。お前らにあいつを助けることは出来ない》

擾乱

クソ……こいつを相手にしながら探すのは困難……どうすれば!!

ハール

《まぁいい、どうせ戦力は減ったんだ。じわじわ追い詰めてやる》

ビュオッ!!!

擾乱

うぉ!?

オネガ

さ、さっきより動きが速く!!!

星屑

こんなんじゃもっと探しに行けねぇじゃねぇか!!!

ハール

《自分たちのことだけで周りが見えてないな……なんでそこの無能を連れてきたんだカスが。》

ゴォッ!!

オネガ

こっ、こっちに!!!

擾乱

オネガ!!!

ハール

《弱点をむき出しにしていることが悪かったな。》

ハール

《お前はもうあの方には要らないよ》

ハール

《終わりだ》

オネガ

もう…ダメだ!!!

「…jack knife!!!!!!!!!」

スパンッッッ!!!

オネガ

んな……

星屑

ぱ、パネルが切れた……鋭利なものででスパッと

ハール

《ま、まさか……どこから!?》

擾乱

っ数斗!!!

数斗

[正解!]

ハール

《ばかな……お前は密室に閉じ込められているうえに、身動きが取れないようになっているはずだぞ!?》

数斗

うんうん、君の言う通り、僕は何故か腕と足が埋まった状態で密室にいるから動けはしてないね。

擾乱

[じゃあどうやって話せてるんだ?]

数斗

忘れたかい?僕のスタンドは、空間を切断するんだ

数斗

ワープゲートにも使えるし、こうやって繋げることだけもできるんだ!!

星屑

[な、なるほど!!!]

数斗

ついでに言うと、僕の射程距離はだいぶ長いよ!!!

数斗

それこそ、君がこの建物から出ない限りね!

ハール

《ふん……やはりそこのガキを飛ばしておくべきだった》

数斗

[どんなことがあろうとも、大人が子供に怪我なんかさせちゃいけないよ。それこそ、心強い仲間なら尚更ね!]

オネガ

数斗……

ハール

《…他にも手はある。全員まとめて叩き潰すのみだ!》

グォッ!!!

オネガ

ジョジョ!そのパネルは叩き割った方がいい!

擾乱

無駄ァ!!!

パリンッ!

星屑

文字を判断さえすりゃ、そんなパネルなんぞ怖くねぇぜ!

星屑

それに、本体ががら空きだぜ!!

星屑

ドララララァ!!

ハール

《……浅はかだな》

ハール

《自分だけが狙われる対象とでも思っているのかマヌケが》

星屑

んなっ!?

星屑

俺とは違う方向へパネルが飛んで行った……!?

擾乱

この方向は……数斗のワープゲート!!!

オネガ

あいつ、罠のパネルを張らなくなったせいか、パネルを飛ばすスピードが上がってる!!!

ハール

《貴様らにいいことを教えてやろう》

ハール

《元々この廃墟は残虐な王の住む城だったそうでな》

ハール

《所々の部屋には残虐かつ非道な仕掛けがある》

ハール

《……この世で最も苦しい死因は溺死だそうだぞ》

パリンッッッ

数斗

な、なんだと……!?

数斗

あいつ、僕のワープゲートをも利用して、この部屋にパネルを投げ入れた!!!

ドパァッ

数斗

これは……水だ!水が四方の壁の隙間から流れ出てきている!!

擾乱

[こいつ!俺たちをこの廃墟にある部屋で一人一人確実に殺すつもりか!!!]

星屑

[くそっ!させるかよ!!ドララァァ!!]

擾乱

[数斗を助けに行こうとも、オネガを1人にもできない……それに、あのワープゲートに向かえば攻撃の的になることは不可避!]

擾乱

[数斗も脱出は困難な状況……どうする……!!]

星屑

[オネガあぶねぇ!!!]

オネガ

[うわぁっ!!!]

数斗

くそっ、もうひとつワープゲートを開けたが、これ以上の数は維持できない…やはりこんな少数じゃあ水で埋まる方が早い……!!

バシャァッ

数斗

ゲホッ……!?頭の上から流すなんて、一体どこの邪智暴虐な王様が建てたんだこの城は……

数斗

ケホッケホ……やだ、なぁ……僕、水は苦手なのに……はは…

良刻数斗はイタリア人の母と日本人の父との間で生まれた

しかし、その父の浮気により2人は離婚

数斗とその妹ジェニファーは母親の元に残ることとなった

だが、母親は苦悩していた

元夫の容姿を綺麗に受け継いでいた数斗が憎く思えて仕方なかったのだ

当時数斗は少年らしく、兄らしく、元気に過ごしていた

たまに母から垣間見える自分への僅かな嫌悪と苦悩の表情を察して、自分の意見を抑えることも多くなった

それでも心優しく勇敢な少年となっていた

妹のジェニファーにもとてもしたわれるいい兄であった

ジェニファー

ねぇお兄ちゃん!海って綺麗だね!

数斗

うん、とっても大きくて、キラキラしていて綺麗…!

ジェニファー

お兄ちゃんの目も海みたいで綺麗!

ジェニファー

私、お兄ちゃんの目好きだなぁ……!

数斗

数斗

えへへ…ジェニファーの目の色はあのお空みたいに透き通っていて綺麗だよ

数斗

僕、ジェニファーの目の色大好き!

ジェニファー

わーい!

ジェニファー

じゃああのお空とこの海みたいに、ずっと仲良しでいられるかな!

数斗

きっとできるよ!

そう誓い合った

子供の可愛らいし会話でも、数斗にとっては妹との大切な約束だった

可愛らしくて優しい妹をそばで守り続けようと、未来の自分に思いを馳せていた

そうなるはずだった

母親

……数斗、少し出かけるわよ

数斗

わかった

数斗

……あれ、ジェニファーは?ジェニファーは連れていかないの?

母親

ジェニファーは先に行っているわ。あなたを驚かせたいんでしょう。あの子はそういう子だもの。

数斗

ふーん…

数斗

(ジェニファーは寂しがり屋だし、一人で行くかなぁ…?)

数斗

(でもイタズラは好きだもんなぁ)

この時は予想なんてしていなかった

ジェニファーが居ないわけを

母がどんな思いで僕を連れ出したかも

母親

…ここよ

数斗

崖…?本当にここにジェニファーいるの…?

母親

…もしかしたら、足を滑らせて落ちかけているのかもね

数斗

えっ……!?

数斗

助けなきゃ!ジェニファー!!

数斗は母の言うことを疑わず、必死に崖へと身を寄せて妹を探す

そんな数斗の後ろにそっと立ち、母親は言った

母親

……ごめんなさい

トンッ

数斗

……え

数斗がその声を認識した時、体は宙へと放り出されていた

突き落とされたのだ

肉親である母から、今まで葛藤夜ありながら愛してくれていたと思っていた母から

最後に見たのはら少し涙を流しながら虚ろげな表情をした母が口を動かしているところだった

母親

…どうしても、愛せなかった。

母親

あの憎い男の見た目をしたあなたを

母親

ジェニファーは私によく似た。だからまだ大丈夫だった

母親

……これで私はやっと幸せになれる

母親

ごめんなさい

体が落ち続ける中で数斗はその言葉を最後に意識を失った

目覚めた時に見えたのは、心配そうな顔をする老夫婦の顔だった

あらま、起きた?

数斗

……ここ、は……?

大丈夫かい?

流されてきたみたいに浜辺に行倒れてたみたいだから保護したんだよ

おや、起きたのかい

今お医者さん呼んでくるよ

数斗

……

優しい老夫婦の言葉は彼の耳には入らなかった

愛せなかった

その言葉だけが彼の脳裏に渦巻いていた

それでもなお現在の数斗が女性を軽蔑せずに尊敬して声をかけるのは、母親、女性からの心からの愛を求めるからである

本人にも自覚は無いが、恋という一時的で保証の少ない感情ではなく、共に幸せな気持ちになれる大切な感情を欲していた

無論老夫婦は親代わりとして存分に愛を注いでくれていた

それでも、母親の言葉は彼に残り続けた

数斗

(ある意味がむしゃらにやってた時期だった……)

数斗

(そんな時に、立条くんが来たんだっけ)

数斗

(愛したいと思った相手が答えてくれたなら、とことん愛す……それが相手への礼儀、だっけ)

数斗

(愛を知りたいがあまりに誰も彼もとさまよい続けたあのころの僕を叱ってくれたのは彼らだけだった)

愛は奪ったところで貰えない

かと言って勝手になんてやってこない

数斗

(ただ、大切なことは学べた)

数斗

(お婆さんやお爺さんから貰った愛ももちろん、出会えた彼らが僕に何も変わらず接していてくれたこと)

数斗

(それが何よりも僕の心を埋めてくれた)

数斗

(心から恩返しがしたい)

数斗

……もうこの状況から助かるだなんて思っていない

なら、やれることはひとつ

数斗

ゲホッ…jack、knife!!!!!!!!

全身全霊を持って 彼らが生き残る可能性を 上げるのみだ!!!!!!!!

ズバァッ

ハール

《なっ……!?あの赤髪、どれだけしつこいんだ……!!》

オネガ

か、数斗のjack knifeが…!あんな絶望的状況なのにも関わらず、僕たちの援護を優先している!!

擾乱

数斗……!!

数斗

[僕のことは気にしないで!]

数斗

[こんなもの、へっちゃらさ!]

星屑

へ、今回のMVPのそのイケメン面、帰ったらもっかい拝んでやるからよォ!

星屑

死ぬんじゃあねぇぞ!数斗!

数斗

[…あぁ、もちろんさ]

ハール

《どんなに足掻いたところであの男は溺れ死ぬ》

ハール

《貴様らに希望などないのだ》

オネガ

何か、何か決定的になる攻撃手段は無いのかよ〜!!

星屑

ジョジョ!!

星屑

俺は戦闘しながら細々しいことを考えすぎるのはさすがに無理だ!!

星屑

だから、攻撃はすべて俺が捌く!!何か案を頼むぞ!!

擾乱

擾乱

わかった!悪いが少しは時間がかかる!

擾乱

わかった!悪いが少しは時間がかかる!何とか持ちこたえてくれ!!

星屑

数斗でさえ頑張ってくれてるんだ、俺だっていいとこ見せてやらァ!

星屑

ドララァッッ

ハール

《脳筋めが…早く音をあげる方が身のためだぞ?》

星屑

っは、残念だったな

星屑

俺は割と諦めがわりーんだよクソガキ!!!

オネガ

す、すごい…!

オネガ

星屑があいつと拮抗している!!

オネガ

でも、数斗からの援護も長く続くのは厳しいし、星屑も全力は続かない!

オネガ

このままだと確実に負ける……!

擾乱

(どうする……!考えろ、考えろ……!)

擾乱

(腐っても探偵だろう俺!!!アイツらが頑張っている今、俺に託された仕事を全うしろ!!!!!!!!)

擾乱

(何か…敵を見てなにかわかることは無いか……!)

擾乱

(相手を欺けるような何かは……!)

擾乱

(…まてよ、あいつはパネルで話している…話せないということ……)

擾乱

(いや、違う!ただ話せないんじゃあない!!)

擾乱

(耳が聞こえないから必然的に会話が難しいだけなんだ!!)

擾乱

(だとすれば、今までの会話の把握方法は読唇術!)

擾乱

(あいつが一定の距離を保とうとしているのは俺たちの口の動きを見えやすくするため!)

擾乱

(数斗が話した内容の把握はおそらく、俺たちの反応を見て推測している!)

擾乱

(恐ろしい観察力と推察力だぜ……!!)

擾乱

(となれば対処は簡単…!)

擾乱

星屑(バッ

ハール

星屑

あ!?なんだ!?

星屑

あ!?なんだ!?って、本当に何しているんだ……!??

オネガ

な、なんで急に口塞いで喋っているのさジョジョ!

擾乱

いいからお前らも早く口元を隠せ!口さえ隠せれればいいんだ!

星屑

なにか案が浮かんだのかよ!(バッ

オネガ

これだと片手が塞がるし、近接戦だと不利なんじゃあないの……?(サッ

擾乱

いいか、相手はパネルでずっと話しているが、ただ口が機能していないんじゃあなくて聞こえないから言葉の発音が難しいだけだと推測した!

擾乱

これを補う高い読唇術と観察力、推察力を相手は兼ね揃えている!

擾乱

この状況でさえ相手は何に勘づいているかはわからない!

擾乱

だが、相手に自分の行動や作戦を容易に知らせるよりよっぽどいいと考えた!!

星屑

な、なるほど……!だから数斗への返答は心做しか少なかったし、離れていたのも俺たちの口の動きを見るためか!

オネガ

でも、ここからどうするの……?

オネガ

戦闘状況は一向に変わらないままだよ……!

擾乱

……ひとつだけ、作戦はある

星屑

マジか…!

擾乱

あぁ、ーーーー……(ボソボソ

星屑

っ、それは……お前は、本当に大丈夫なのか……?

擾乱

あぁ、もうこれしかない

ハール

《悪いけど、悠長に話してる暇は与えれないよ》

ブォンッッ

オネガ

うわぁ!!!

パリ-ンッ

星屑

数斗が上手く援護してくれた…!

星屑

よし、今のうちに俺の役目を果たしてくるぜ!

擾乱

頼んだ!!俺もこっちでそうそうに準備する!

ハール

(話せないのではなく聞こえないというのがバレたか……)

ハール

(まぁ問題は無い。観察すれば分かる。今までだってそうだった)

ハール

(彩月様だって僕の観察力をほめてくださった)

ハール

(読み合い戦での土俵では俺の方が上だ!!)

星屑

お前こそ考えてる暇あんのかよ!crazy tracker!!!!!!!!(ブォンッ

ハール

("スケッチブック"を取り出した……?スタンド能力はあれを駆使して能力を発揮するのか)

星屑

全部交わして見やがれクソ野郎!!!!!!!!(ブンッッッ

ハール

(石に小枝……随分細々しいものを投げてくるな……)

ハール

(さてはあの立条擾乱の能力を駆使しようとしているのか)

ハール

(小物を投げてからの位置交換、それで僕の背後を取ろうとしているのだろう。なんと浅はかな)

ハール

《大は小を兼ねる、小さい的だろうがなんだろうが相殺すれば意味は無い》

ブォンッ

オネガ

投げた物が次々に壊されていっている……!

オネガ

これじゃあキリがないよ!!

オネガ

そうだ、ジョジョは何をしているの……!?

オネガ

そんなに時間がかかるような準備なの……?

擾乱

少し、な……また考え事をするのと、少し心の準備がいる

擾乱

長くはかからねぇ、安心しろ

オネガ

うー……なら、僕も少しでもサポートする!!

オネガ

数斗だって死にかけてまで頑張ってるんだ!!

星屑

数の暴力じゃあ五分五分ってとこか…

星屑

罠の分を総裁に向けてるせいで数でも対抗されちまう……!

ハール

《貴様、まさか本当に今力が拮抗しあっていると思っているのか?》

ハール

《読唇術がバレた今、貴様に近づかない理由は無い》

ハール

《もしあの立条擾乱が貴様と入れ替わろうが僕は対処できる。飛んだ無駄足だな》

バッ

星屑

星屑

くそ、躊躇無く近づいてきやがる!!!(バッ

ドンッ

星屑

な、何ィ……!?

星屑

いつの間にか壁際に追い詰められている!!

星屑

打ち合いの時、相殺による範囲がこっちに近づいていたせいで無意識に後ろに下がりすぎていた!

ハール

《どうやら後方確認が必要だったのは貴様のようだな?》

星屑

うぉぉぉ!!(グッ

ハール

《今更ガードをとろうが無駄だ。》

ハール

《悪いが僕の武器はスタンドだけじゃあない》

ハール

《身体能力を見限られては困るな》

ガッ

星屑

ガハッ!!!!!!!

オネガ

ほ、星屑ーー!!!

オネガ

恐らくパネルでの攻撃を予測していた星屑は顔近くをガードしていたけど、相手は蹴りを腹に入れたせいでもろに攻撃を受けてしまった!!!

星屑

ぐっ……ゲボっ、見た目にあった力量じゃあねぇぞ……!!

ハール

《あいにく普通の体じゃあないんだ》

ハール

《相手の力を見誤った貴様の落ち度だ》

ハール

《それと…これはもう使えなくさせてやろう》

ザンッッ

星屑

す、スケッチブックが……!!

ハール

《ようやくスタンド能力を発揮できたところだったのになぁ、これでもう使えまい》

ズォッッ

ハール

《忌々しいナイフ攻撃ももう読んだ》(ガキンッッ

ハール

《次は貴様を弾け飛ばしてやろう》

オネガ

あ、あれは……!爆発するパネルだ!!

オネガ

あれじゃあ星屑は木っ端微塵になってしまう!!

ハール

《さらばだ愚か者》

星屑

……はは、そんなに俺に熱烈な視線送っていていいのか?

ハール

《何?》(ピタッ

星屑

俺が何も考えずに小物ぶん投げてたと思うのかよ、えぇ?

星屑

……ジョジョは、ほんの一欠片でも交換できるんだぜ(ニヤッ

ハール

《何……っ!?》(バッ

ハール

ハール

(い、居ない……!何もいない……!)

星屑

…ばっかじゃねぇの、ジョジョは俺が投げた小物にゃ触れてねぇんだぜ

星屑

飛んでこれるわけねぇっての……まぁ今はこっち見てねぇんだし聞こえてねぇと思うがな

ハール

《謀ったな貴様ァ!!》(バッ

ハール

……!

ハール

《なっ……何故、貴様がその位置に……!》

擾乱

……よぉ(ニッ

擾乱

challenger of change!!!!!!!!

擾乱

無駄無駄無駄ァァ!!

ハール

ッッッ!!!(グッッ

オネガ

くそう!!!あいつ、ジョジョのスタンドの攻撃をギリギリのところでパネルでガードしやがった!!!!!!!!

星屑

いや、ジョジョはもう決定打を入れたぜ

オネガ

え……?どういうこと……?

擾乱

……あいつは星屑の言葉多く語らなかったらしいな

擾乱

俺の事大好きかよあいつ(笑)

ハール

《戯言をその口で語るな汚らわしい……!》(ピキピキ

擾乱

知ってるか?あいつはこれに描いて戦闘なんざしねぇよ

ハール

《……は…それは、さっき破ったスケッチブック……》

擾乱

さっきまではスタンドでの近接戦が多かったから気づかなかったとは思うが…あいつは宙に描く

擾乱

あいつにとっちゃこれには意味なんざねぇよ(ヒラヒラ

ハール

《じゃあなぜ……!》

擾乱

…わざわざ横に真っ二つにしてくれてありがとな

擾乱

おかげでお前を倒せる……!

ハール

《っは、夢物語も大概にしろ。スタンドで俺に触れられもしなかったのにどうやって?》

擾乱

お前はさっきパネルでラッシュをガードしきれたと思っているな

擾乱

だが防げたのはスタンドの拳のみ

擾乱

…満身創痍じゃあ俺がてめぇにそっと触れていたことさえわかんなかっただろうな

ハール

《き、貴様ァァァァ!!!》

擾乱

さっきも見たとは思うが……俺は居場所の交換はもちろん、状態の交換もできる

擾乱

お前とこのスケッチブック……ここまでの意味がわかるか?

ハール

(まさか、あのスケッチブックは…!単なる囮だけではなかった!!!)

ハール

(確実に!僕を倒すために!!!)

数斗

[jack knife!!!!!!!!]

ハール

《なっ、右足が……!!!》

ハール

《くそ、赤髪ィィィィ!!!》

数斗

[ダメ押し、ってやつさ]

擾乱

challenger of change!!!!!!!!!!!!!!!!

ヴゥンッッッ

ハール

ヴッ、グァ……!!!

星屑

(強者相手を完全に再起不能にするには、それ相応の外傷を与える必要があった)

星屑

(だからこそあいつにわざと囮を分断させ、その状態をジョジョのスタンド能力によって相手に移す作戦!)

星屑

(……ジョジョの性格上、この作戦を実行するのは覚悟がいることだった…)

ハール

ゲホッ……ゴホッ……!

ハール

(血が、血が止まらない……!腹からも口からも……!!このままでは死んでしまう……!!!)

擾乱

彩月の居場所を吐け。お前が知らないわけが無い

ハール

……っ

擾乱

今話せば殺さない。

擾乱

反抗すればそれ相応の対応をしなければならない

ハール

《甘ちゃんが……僕があの方のことを喋るわけがない!!!》

ハール

(あの人だけが……僕の神様だったんだ……)

あれは今から2年前

僕はとある研究で生まれたキメラだった

そこの研究所の奴らはつまらないことで犯罪に僕を利用するために作った

その時はまだ僕の実験期間だった

傍から見れば"悪"の集団であった

研究員A

さっさと歩け愚図

ハール

……

研究員B

次は電撃実験だ

ハール

(もういやだ)

ハール

(何もしていないのに、こんなことされるために生まれたくなかった)

ハール

(……だれか、助けて…)

そんな時に現れてくれたんだ

僕の神様が

ド-ンッッッ

ハール

!?

研究員B

な、なんだ!?!?

研究員A

侵入者か!?

研究員C

うわぁぁぁ!!!

研究員A

どうした!!大丈夫か!?

ハール

……!

彩月

……

初めて見た時のあなたは、穴の空いた天井から降り注いだ月明かりを背負っていて

その神秘的な姿に僕は心打たれた

ハール

(神様……僕の、神様……?)

研究員B

な、なんだ貴様は!

彩月

……悪人に名乗るは無い

ザシュッッ

研究員A

ひ、ひぃぃぃ!!!

研究員A

やめてくれ!!!殺さないでくれ!!!!

彩月

……死ぬ覚悟もなしに人の命を蔑ろにしようとしていた己を恥じて去ね

ザシュッッ

ハール

…………✨

彩月

…かわいそうな子

彩月

悪人の醜い心から蔑ろにされていた悲しみの子よ

彩月

おいで

ハール

……(コクッ

従う以外の選択肢なんてなかった あるわけがなかった

僕の神様のために

あそこから救い出してくれた、 あなただけのために

ハール

(どんな敵も、どんな困難も、あなたのために打ち消してみせましょう)

だから

ハール

(だから!!!こんな奴らに屈服してたまるものか!!!)

ハール

《死んででもあの方をお守りする!!!貴様らなんぞにこの心意気を崩されんぞ!!!》

ヴォンッ

星屑

な、こいつ!!

星屑

まだ抵抗する気かよ!!

オネガ

そんな体でまだ……!?

擾乱

……もう一度だけ聞く、彩月はどこだ

ハール

(誰が言うも、の…か……)

カツ……カツ……カツ……

星屑

……っ!!!

カツ……カツ……カツ……

オネガ

あ、足音……まさか……!

カツ……カツ……カツ…

数斗

[ついに……出て来たんだね]

カツ……カッ

擾乱

…彩月

彩月

……ここまでこられちゃ、仕方がないもの

ハール

《なんで……まだ、僕は戦えます……!》

彩月

…もういいわ、ありがとう

彩月

あなたはよく頑張ってくれたわ

彩月

…もう、楽になりなさい

ハール

《…あぁ、ありがとうございます、神様》

ハール

《あなたのために死ねて、僕は誰よりも幸せ者だ》

ハール

《ご武運を……》

ザシュッッッ

彩月

…神様、か……

擾乱

…よぉ彩月、やっとその面拝ませてくれたな

彩月

…あなたの正義もしつこいものね、私もそうだけれど

星屑

ここでお前を絶対にぶっ飛ばしてやる!!

数斗

[もう逃げられはしないよ夢泡ちゃん]

オネガ

覚悟してください彩月さん!

彩月

…もう逃げも隠れもしないわ

彩月

いつの争いも、正義と正義がぶつかり合うもの

彩月

故意的な悪いでは無いものは曲げようがない

彩月

…さぁ、あなた達と私の正義

彩月

最後に生き残るのはどちらか、決めましょう

情報メモ

𝗇𝖾𝗐

ハール スタンド名 empty letters(エンピューレタース) 18歳 死去

ジェニファー

良刻ジェニファー
数斗の実妹
兄を慕う優しい妹
現17歳
女性
スタンドなし
裏話:数斗を突き落とした数日後母は自首し、ジェニファーは親戚に預けられた。今は生き別れた兄を探している

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コメント

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ユーザー

敵味方の過去編ー!!! 星屑と数斗の絡みがもう泣きたいー!数斗くんんんんん私が愛すよー!!!たくさん愛をあげるよぉおお(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

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