道彦
おー!海だー!!
克哉
明夫、コテージってまだ?
明夫
もうそろそろ…あ、ここだ
明夫
俺達が宿泊するコテージ
克哉
すげー、イイとこじゃん!
道彦
高かっただろ?悪いな
明夫
いや、借りたのは親だし
明夫
それに、この旅行だって
明夫
俺の就職と卒業祝いを
明夫
合わせてってことだしさ
明夫
(なんて謙遜するけど)
明夫
(本当に、いいコテージだ)
明夫
(こんな所を借りてくれて)
明夫
(親に感謝だな)
明夫
あ、結構時間経ってる
明夫
早くコテージに入ろう
明夫
(俺の手首に光る時計は)
明夫
(就職祝いに両親から貰ったものだ)
明夫
(見る度に、嬉しくなる)
道彦
まじか、急ごう!
克哉
時間は有効に使わないとな!
明夫
ああ!
克哉
っかー!ビールが美味い!
道彦
夕焼けの海を見ながら飲む…
道彦
あー、贅沢だ!最高!
克哉
大学生の特権だな
道彦
来年から社畜だもんな
克哉
嫌だー!働きたくねー!
明夫
…………
道彦
明夫の内定先くらい大手なら
道彦
普通に休み取れるんだろうな
明夫
それは…わからないかな
明夫
俺も不安だ…
道彦
…そうだよな
克哉
あー、やめだやめだ!
克哉
ぱーっと楽しいことしようぜ
道彦
それもそうだな
道彦
缶蹴りやる?空き缶あるし
明夫
缶蹴り?この歳で?
3人
あはははは!
明夫
(さっきまでの雰囲気が)
明夫
(嘘みたいに消えてる)
明夫
(…………)
明夫
(『信用出来る仲間は何よりの宝物だ』)
明夫
(両親はそう俺を育てた)
明夫
(俺も、本当にそう思う)
明夫
(克哉と道彦は…)
明夫
(仲が良くて、笑い合えて)
明夫
(俺の一番の自慢だな…)
明夫
なんかないかな…。あれ?
明夫
(何となく鞄を開けた俺は)
明夫
(見覚えない封筒を見つけた)
明夫
(親が餞別でもくれたのか?)
明夫
(封筒に入っていたのは)
明夫
(手書きの地図だった)
明夫
なんだこれ、『宝の地図』?
明夫
(両親のイタズラか?でも…)
明夫
なあ、これ見てみろよ
明夫
ここの砂浜には
明夫
面白い物が埋まってるらしい
克哉
なになに?宝の地図?
明夫
なあ、確認しに行かないか?
道彦
へー!面白そうじゃん
克哉
宝って、徳川埋蔵金かな
明夫
なんで徳川埋蔵金の地図が
明夫
俺の鞄に入ってるんだよ
3人
あはははは!
道彦
地図のこの四角がコテージで
道彦
この波線が浜辺ってことだな
克哉
で、このバツがついてるとこ
克哉
掘ればいんだろ?
明夫
行ってみよう!
道彦
そういえばコテージの脇に
道彦
スコップ何本かあったよな
明夫
よし、それを借りよう!
克哉
お宝、見つけるぞー!!