ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
なんてことない、普通の朝やった
ちょっとお寝坊の日曜日
8:00
カーテンを開けて差し込んできた太陽の光を全身で浴びながらおっきく伸びをする
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
ウチの今の人生は幸せや
家族がおって
友達がおって
北信介っちゅう大好きな恋人がおる
勉強も人並みくらいには出来るし
運動もそこそこ出来る
部活は男バレのマネージャー
毎日3食美味しいご飯が食べれて
充実した生活が出来とると思う
せやからこそ
信じられへんかった
ニュースキャスター
△△ ○○
朝から何アホらしいことを言うてるんだと
ニュースキャスター
ニュースキャスター
△△ ○○
ウチは机の上に置いてあったリモコンを拾いあげてチャンネルを変える
ニュースキャスター
ピッ
ニュースキャスター
ピッ
ニュースキャスター
何に変えても同じ様なニュースばかり
アニメすらやってへん
△△ ○○
△△ ○○
幸せな日常が、あと4時間で終わるわけないやん
そう思うしかあらへんかった
珍しく今日は両親揃って東京の方に出張でいのうて
一人っ子で兄弟もおらへんから家に1人やった
△△ ○○
△△ ○○
そう自分に言い聞かせる
けれど、Twitterのトレンドも
ネットニュースも
全部隕石の話題だ
それを見とるうちに、現実だと理解せざるを得なかった
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
段々と怖くなってきたウチは部屋の隅に三角座りになって顔を埋めた
ちょうどその時
ピンポーン
と、家のチャイムがなった
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
ウチは沈む気持ちを抑えてノロノロと玄関のドアを開けた
△△ ○○
ドアを開けた先には
北 信介
大好きな人がおった
△△ ○○
彼を見た途端
安心からか、寂しさからか
涙が溢れ出た
北 信介
△△ ○○
信くんは、私の頭をポンっとなでると「おじゃまします」っと言って中に入った
北 信介
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
ウチは1度引っ込んだ涙がまたあふれそうになる
北 信介
信くんは優しい顔で笑った
あぁ、むっちゃ好きな笑顔や
この笑顔に何度救われたか
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
いつも通り
せやけどちょっとちゃう
新鮮な日
飲み物の準備が終わると、信くんと一緒に自分の部屋に来よった
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
北 信介
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
北 信介
北 信介
君とこうやって過ごす時間が好き
君の眉を下げて微笑む顔が好き
この穏やかさが好き
せやさかいウチは君に惚れてもうたんや
ううん、それだけやない
他にも数え切れないほど、君が好き
どない高価なプレゼントよりも
どんな素敵な場所に行くよりも
君と何気ない話をする
そないな時間がもっと欲しい
どのくらいの時間が経っただろうか
体感的にはほんの一瞬
やけど、ふと見てん家の時計は11時42分
残された時間はあとわずかやった
空がやけに明るい
北 信介
△△ ○○
窓から見える景色
いつもの昼間よりも明るうて
雲は赤みがかかっとる
ほんでおっきな塊がゆっくり地上にっ近づいてきとる
あれが世界を終わらせるんやな
別に死ぬ事が怖いわけやない
自分に真っ直ぐ生きてきたからきっと死んでも地獄には行かへんと思う
それに多分、死ぬ時は痛みもなく一瞬やと思う
生きるか死ぬかなんてどうせ運や
隕石が来とっても来とらんくても死ぬ時は死ぬ
ほな、なんでやろ
北 信介
悲しくて涙が止まらんのや
信くんと居られんくなるのは嫌やし
声を聞けんくなるのも
触れることも出来んくなるのも
絶対嫌やけど
それよりもずっと嫌なこと
信くんっちゅう存在がなくなってしまうことや
誰よりも真っ直ぐで
心が綺麗で丁寧で
世界で1番大好きな君が
君っちゅう存在が
なくなってしまうのが嫌や
おらんくならんと欲しい
死なんとってほしい
世界でたった一人になってしもても
信くんだけは
生きとってほしい
北 信介
北 信介
北 信介
北 信介
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
涙は止まることを知らんと次から次へと流れていく
信くんは最初、びっくりしたような顔をしとったけど
次第に笑った
北 信介
北 信介
ほんまに幸せそうな笑顔で
春高で見た時のような
めっちゃ愛おしい笑顔
それを見た瞬間…
そん時に気づいてしもうた
△△ ○○
北 信介
△△ ○○
君のその笑顔をもっと見たい
君の声を聞いとったい
君に触れとったい
まだ知れへん君を知りたい
君の隣で
彼女っちゅう特別な場所で
△△ ○○
あぁ
なんて自分勝手でわがままな願いやろう
きっと誰だってそうなって欲しいと思うてる
世界にはまだ生き足りない赤ん坊だっておる
せやけど尚、思うてしまう
君と過ごせた日々がどれだけ輝いとったか
君といる自分がどれだけ幸せだったか
君がどれだけ愛してくれとるか
それが分かってしまうから
その輝きを
その幸せを
その愛を
失いたくないんや
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
北 信介
北 信介
北 信介
北 信介
そう言うと信くんはギュッと抱きしめてくれはった
せやさかい、ウチも強く抱き締め返した
大好きな君
つかんではなしとない
離れたない
このまま一生時が止まればいいのに
北 信介
少ししぃ、信くんが真面目な声でウチの名前を呼んだ
△△ ○○
北 信介
北 信介
一瞬、なんの音もない静寂に包まれた
ゆっくり目を見開く
ほんで、大粒の涙が信くんの服を濡らす
嗚咽を何度も繰り返して
グチャグチャになった顔で
△△ ○○
とだけ言うた
ねぇ神さん
そこにいらっしゃいまっか
ウチの声が聞こえまっか
もしこの声が届くんやったら
ようさんのありがとうと
ちょぴっとのわがままを言わせてください
信くんと出会わせてくれてありがとさん
幸せな時間をありがとうさん
ほんで
どうか
どうかもう少しだけ
もう少しだけでいいので
このままでいさせてください
?年後
北 信介
△△ ○○
待ちに待った結婚式
ようさんの拍手に迎えられ
君の横に立つ
誓いの言葉を終えて
お互いの指に、キラキラとかがやく指輪を通す
ねぇ神さん
大好きな人との時間をくれてありがとさん
ウチは今むっちゃ幸せやねん
あの日よりもずっと
あの時は思われへんかった気持ち
もし明日が来なくても
ウチは、胸を張って幸せでしたと言える
あの日のように怖がるウチはおらん
大好きな信くんとおるから
もう大丈夫や
あの日
あの瞬間
奇跡的に隕石の軌道がズレて
地球が救われた
全人類が喜んだその瞬間を
ウチは忘れへん
ウチも信くんも大喜びやった
けどそのお話は
また別のお話や
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
コメント
19件
関西人なんですが、驚くくらい関西弁上手い、、、( ゚д゚)しかも作品もめちゃいい✨神作だ、、、、😭✨
北さんって,どこまでも心が広いイメージがある...でも,ちゃんと怒ったり,褒めたりする,超絶優しい人だと思う。あと,彼女には甘く,宮ツインズには少し厳しいというイメージも1部あります笑🤣 めっちゃ最高すぎるんですが,てか関西弁の使い方上手くないですか?本当に尊敬してます(←変人)