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初めて買った喪服を着て、 母と一緒に式場へと向かった。
…
友達が花影で静かに微笑んでいる。
味のしない寿司
大好きなはずの日本酒も全く美味しくない。
小さな箱を抱えたあいつのお母さんが真っ白なハンカチに涙をあてがっていた。
………
そこからの記憶は...............…
…
……
…………
赤橋 凪
赤橋 凪
赤橋 凪
赤橋 凪
赤橋 凪
赤橋 凪
…酒を飲みすぎた。
ついついうっかりというか、 気づいたらというか……。
まぁ、
赤橋 凪
…いつもなら程々にしてあいつを呼びつけてもう居酒屋出ちゃうけど…。
赤橋 凪
そうひとりごちって 居酒屋の年季ある机に突っ伏す。
周りから見たらみっともないんだろうけど、 ぴしっと飲んでいることもできない。
赤橋 凪
まだ頭の中にあいつの思い出が残ってる。
いつも一緒にいたあいつが…。
でも、
もう……。
赤橋 凪
赤橋 凪
第一話 酒呑み
…生まれた時から一緒にいた。
理由は、うちの母さんと、あいつの母親が古くからの友人だったから。
……らしい。
一緒に過ごした中の一番最初の思い出は、
桜舞う入園式に、 2人で手を繋いで写真を撮った時だ
それからずっとずっと一緒にいた。
あとはもうぜんぶ腐れ縁
小学生のときにかなりの確率で 同じクラスだった。
そこから、グッと仲良くなって……。
家も割と近いので暇さえあれば ずっと遊び回るようになった
そして当たり前のように同じ中学へ上がって、
イタズラしたりテストの点数で ギャーギャー騒いだり
高校受験の時なんかは
素行の割にはなぜだか頭のいいあいつに 追いつくために死に物狂いで勉強したり、
…
成人を迎えてからも、たびたび家とか店とかでご飯を食べて酒飲んだりしたりして
最近どうとか、気圧がきついとか、もうそろそろ浮ついた話あるんじゃないのとか
職場がどうとか、こうとか。
たまーに会って話していた。
自分なりの青春は十分出来ている、と思う。
実際に、楽しかったし……。
きっと、
ずっとこんな感じで歳を重ねていくんだろう。
そう思っていた。
あいつ。
白波スミレが死んでしまうまでは。
頭が、痛い……。
スミレ…
いや、
……。
酒の飲み過ぎだからだ もう、やめやめ……。
とりあえず考えるのをやめて、唐揚げをひょいと一つ食べ、続いて酒をガバリと煽った。
赤橋 凪
赤橋 凪
部屋がシンと 静まり返っている
ただいまという声がこだましそうだ
赤橋 凪
時計は既に23:00を通り過ぎていた。
赤橋 凪
赤橋 凪
赤橋 凪
ヨロヨロのだったが、 何とか帰ってこれた。
全く今となっては介抱役に来てくれる スミレが居ないもんだから大変だった。
冬に入りかけてるのに汗ばんでるし、 肌寒いのに顔だけは熱っていて気持ち悪い。
とにかくもう横になりたい。
靴を脱いですぐ、
上着を脱ぎ捨て、荷物を放り投げ
1LDKの狭い部屋に、ドサッと倒れ込んだ。
赤橋 凪
床のひんやりとした感覚が心地いい……。
そして私は、気を失うかのように 寝落ちてしまった。
あれ、
板の間で寝たのに背中痛くない……?
なんでだ
夕子
夕子
夕子
あぃ…………?
母さん………。
バチンと目が覚めた。
と、同時に若干ブチ切れた母さんの、 いささか寝起きの人間に浴びせるには大きい声と
二日酔い特有の頭痛が私を襲った。
赤橋 凪
あー?そういえば、
昨日母さんからメール来てたような気がする……?
お酒の力によってピッチリしまった 記憶の引き出しをこじ開けるが、いまいち思い出せそうにない。
重い体を起こして正座をする。
赤橋 凪
夕子
夕子
夕子
夕子
赤橋 凪
いや、まてよ?
母さんが家に来るのは、いいんだけど…
なんで来てんだろ…?
赤橋 凪
赤橋 凪
下手なこと言ったら、メールを覚えて いないことがバレて結構怒られそうだ
赤橋 凪
夕子
赤橋 凪
赤橋 凪
夕子
夕子
早速、メールを覚えていなかったことがバレた。
夕子
ごもっともです……。
夕子
夕子
赤橋 凪
そう言えば、スミレが死んでしまってから すぐあたりに、このことについて話し合った。
あれからもう、だいたい2,3ヶ月だ
放っておいてしまったのは、 スミレに悪いことをしてしまった。
夕子
夕子
赤橋 凪
赤橋 凪
夕子
夕子
赤橋 凪
もう、2度と酒なんか飲んでやるものか。 心に決めた。今度こそ禁酒…!
夕子
夕子
赤橋 凪
急な心遣いの言葉に、少しびっくりした。
見透かされているような気がしたからだ。
夕子
夕子
夕子
夕子
夕子
夕子
母は神だった。
もうあの方のメールは秒で目を通すと その瞬間誓った。