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くまぁぁ
くまぁぁ
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昔から特に仲の良かった
黄くんと赤くんは、
今でもときどき校内で2人で話している
姿を見かけるけれど、
そこに桃くんが加わるのは
一度も見たことが無かった
それで
僕は、
たぶん軽く挨拶をするだけだろうと
予想した。
でも、驚いたことに彼らは
その場で会話を始めたのだ
当たり前のように
顔を見合わせて言葉を交わす
3人を見て、
僕の心の中には
自分でも良く分からない
なんとも言いようの
ない感情が込み上げてきた
2、3分ほど何か話したあと、
赤くんと黄くんは桃くんに
小さく手を振り
再び校門に向かって歩き出した
桃くんはふいにしばらく立ち止まって
彼らの背中を見送っていた
けれど、忘れ物でもしたのか、
踵(きびす)を返して
来た道を戻っていった。
二手に分かれた幼馴染たちの
姿を交互に見つめてながら、
僕は自分の鼓動が妙に
忙しくないのを自覚する。
彼らとは家が近所で、
学校もずっと同じ
いわば腐れ縁というやつだった
赤くんと僕は幼稚園の
年少のとき、
行き帰りのバスで隣の席に
なったことから仲良くなったし、
よく家に遊びにいっていた。
年長のときに黄くんが
同じ組になり、
男の子にからかわれていた
赤くんを助けてくれたのが
きっかけで、
彼も仲間に加わった。
そして、
小学校に上がった7歳のとき、
桃くんが近くに
引越してきた。
僕たちの通っていた
学校に転入してきて、
そのときはクラスが違うので
面識は無かったけれど、
たまたま公園で遊んでいる時に出会った
桃くんは僕たちからすると
ずいぶん変わった雰囲気を
持っていた。
ぼんやりしているというか、
ふんわりしているというか、
いつもぽうっとした顔で
空を見ているような子で
なんだか違う世界から
やってきたみたいに思えた。
だから
僕たちは彼のことが 気になって仕方なく、
あれやこれやと、
声をかけては遊びに
連れ出したものだった。
学校の校庭や
近所の公園、
原っぱや河川敷、
誰かの家やその庭、
とにかくどこに行くにも
4人一緒だった。
でも、
小学校の高学年に
なるころには、
まず周りの雰囲気が
変わってきた。
男子と女子に分かれて
対立したり、
誰々ちゃんは誰々ちゃんが
好きだとか
あの子とあの子は
両想いだとか
無責任に騒いだり。
そうゆうふうにして
男女の境目が
はっきりしてくるにつれて、
周囲の目もあって
何となく気恥ずかしくなり、
共に行動する時間が減って、
徐々に距離が離れていった。
中学も高校も同じだったけれど
僕たちはもう二度と
4人で一緒にいることは無かった。
くまぁぁ
くまぁぁ
くまぁぁ
くまぁぁ