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「俺は信じる」
西空ともり
西空ともり
声が聞こえた。
西空ともり
西空ともり
目を覚ました。
浴槽に浸かったまま、寝てしまったのか……?
いや、違う。
私は昨日、ここで……。
西空ともり
今は何時だろうか。
小窓から差し込む光は微かだ。
おそらくは朝日。
……良かった。遅刻の心配は要らなそうだ。
一晩中、冷水に浸かっていたため、身体が錆びている。
できれば、もう動きたくない。
できることなら。
西空ともり
西空ともり
浴槽を出た私は、そのまま服も着ずに、
吸い寄せられるよう自室へ辿り着いた。
シーツに身を包める。
レースカーテン越しに見下ろす世界は灰色。
それだけ確認すると、カーテンを閉めた。
スマホをつける。
青白い光にも、もう慣れてしまった。
外はこんなにも眩しいのに。
西空ともり
〇〇町にて、男子高校生(16)が死亡。
自室にて、首を吊った状態で発見。
その場で死亡が確認された。
自殺と思われる。
東雲ザンセイ
西空ともり
声が聞こえた。
西空ともり
西空ともり
今のは……?
幻聴……だろうか。
ぴろん
通知が鳴った。
まだ5時前だというのに。
誰が……?
ママ
不在着信
ママ
不在着信
ママ
ママ
ともり
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
ともり
ママ
ママ
ともり
ママ
ママ
ママ
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
〇〇高校、男子生徒の自殺。
あれ……
虐待が原因かもしれん。
マジ?
ソースは?
ほんとなら、やばくね
拡散された、本名と顔写真。
あれ、どっかで見たことあるなと思ったんだけど。
考えてたらムラムラしてきてさwww
どうすっか考えたんだけども、
あろうことか、その時は、ニューハーフの気分だったんよ。
あろうことか、に草
流れ変わったな……
それで、どうしようか葛藤する内に、
点と点が軌跡を成した。
どういう事だw
これで辿り着いたなら、成したのは奇跡だろwww
未成年も扱ってる、アウトな店なんだが。
そこにいたんや。
完全一致の顔面。
怖くて、使ったことは無い店なんだけども。
知り合いに常連がいてさ。
ソイツ曰く、
親に無理矢理、やらせれていたらしい。
親の店だった、ってことや。
……やばくね?
カワイソス
流石に草も生えないw
生えてて草
生えてんのは、下半身の方やろ
やかましいわwww
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
藤谷コタロウ
吉森さよ
吉森さよ
吉森さよ
西空ともり
西空ともり
私は、弱虫だ。
なぜ、あの時。
「ザンセイは良い人だった」って、
そう言えなかったのだろうか。
…………
そりゃ、そうか。
そんな事、言いたくない。
彼が死んだ。この事実は受け止められている。
だが、それをコンテンツとしてしまう、
そんな今が、人間が、
私は嫌いなんだ。
とても、嫌いだ。
あれは、昨日だったか。
それとも一週間、いや一ヶ月。
もしかすると、一年以上前だったかもしれない。
そんな曖昧な記憶。
でも、根強い記憶。
ある日の朝の事だ。
寝る寸前まで、ブルーライトを浴びていたためか、
早朝の微かな陽光で、目を覚ましてしまった。
時刻は確か、4時30分。
いつも通り、私はすぐにカーテンをめくった。
その向こう、窓ガラス越しに見た光景。
それが、忘れられない。
向かいのビルの手前。
白いワンピースを着た女性が、地面に伏していた。
血を流して、伏していた。
そう。
それは、飛び降り自殺の事後だったのだ。
私はそれを見た瞬間、動けなくなってしまった。
何と言えばいいのだろうか。
それがグロかったとか、怖かったからとかでなく、
単に、人が死ぬ事を知った。
ねえ、誰か。
頭の良い人。
ママ、パパ。
先生。
大人の人。
私に教えてほしい。
どうして、みんな死んじゃうの。
死んじゃうのに、死んだ人を貶すの。
その人の生をカミサマにしちゃうの。
あの人は、何を想って死んだの。
何を守りたかったの。
あなたを殺したかったの。
がちゃ。
扉を開いて、屋上に出た。
普段、閉じているはずの扉。
私はなぜ、ここに来たのだろう。
わからない。
ただ、呼ばれた気がする。
西空ともり
フェンスの向こう。
塀に腰を下ろす彼女に問う。
西空ともり
そう言う彼女の笑顔は、
不器用に歪んでいた。
西空ともり
西空ともり
この学校の屋上から見える街並みは、
おそらく、大多数の人間には綺麗に写る。
ただ、私はこれが嫌いだった。
新しいビルが増え、街が発展していくとともに、
日陰も大きくなっている気がしたからだ。
西空ともり
西空ともり
懐かしく、感じた。
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
風が流れた。
靡く彼女の髪が。背後の街並み、その反射で煌めく。
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
……ねえ、トキ。
私ね、
ずっと……
夢を見ていたの。
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
西空ともり
「□□駅〜、□□駅〜。」
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
今、彼がどこで、どうしているのか。
私には知りようがないけれど……。
また、どこかで。
出会えたらいいな。
「若者をこれ以上追い込むなー!!」
「教育を見直せー!!」
「生命を大切にしろー!!」
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
西空ともり
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
春風うすづく
春風うすづく
春風うすづく
西空ともり
西空ともり
サブタイトル
『ハッピーエンドは、君次第。』
「夕焼けに殺される」 完
※本作はフィクションです。現実の人物・団体とは関係がありません。 本作に政治的意図はありません。あくまで作品のテーマとして若年層の自殺を取り扱った事をご理解いただきたいです。