あの桜が咲く頃に

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毎日同じ病室で迎える朝

少し慣れてきた、もう家と同じようなものだ

桜の花びらは脆い

他の花のよりも多分脆い

その筈なのに…

あの花だけは、毎年毎年、強風と雨のお天気でも…

次の日には綺麗な花を咲かせてる

お父さんとお母さんの願いが籠ってるからなのかな、

あの桜の木は季節が春から夏に変わるまでずっと綺麗なままでいてくれている

今回の雨は…小雨と言ったところだ

これくらいの雨ならへっちゃらだろう

雨の日は何時もの何倍も暇だ

だって桜の木に近づけないのだから

俺は友達もいなけりゃ、話し相手すらもいない

だから毎日木が友達だと言われてもおかしくないくらい木と時をすごしてる

でも…そんなつまらない日常もこれで終わりだ！✨️

何故なら…！

俺にはいるまが居るからだ！✨️

来るなと念を押して言われたけど…

そんなの聞くわけない

天邪鬼の言うことなんて聞いてるだけ無駄だ

(ﾍﾟﾗｯ(紙が出てくる

相変わらずツンデレだな〜笑

病院の庭(?)的な

何なんだろ、この気持ち

友達なんか…何時もなら直ぐ断るのに

なんで…OKしたんだろ…？

なんで…顔が熱くなるんだろ…？

何で…胸が熱くなるんだろ…？

なんなんだよ…こいつ

嬉しい…！！嬉しすぎる…！！

同じ境遇の人と友達になれた…！

しかも…こんな〝優しい子〟と…！

人生で1番嬉しいかも！！✨️

ﾎﾟﾂｯ

ｻﾞﾊﾞｰｰｯｯ

何だろ…？

ただ手を握られて

引かれて走ってるだけなのに

友達なら普通にする事なのに

なんで恥ずかしいの…？

俺、おかしくなっちゃった、？

2人ともお着替え中

…どうせ、嘘だよ

誰一人と…そう思う奴なんかいねぇ

全部嘘

｢大嫌い｣なんだよな、こういう人間

でも…

何故か…

〝此奴〟だけは嫌いになれない

差程他の人間と変わらないのに

何なんだろうな、この気持ち

｢また明日｣

言われたの…何時ぶりだろ、

14年…生きてきて…

その言葉を聞いたの…

数えられるくらいしかねーな、

友達も…家族も…誰もいない

小さい頃に…全部失った

そんな俺の過去を…聞いても

〝アイツ〟は友達でいてくれるだろうか

俺の過去を聞けば…誰一人俺に近づかなくなる

前居た友達だって…そうだった

俺が…嫌いで仕方なくなるんだろう

俺も…もう諦めた

ひとりぼっちでいるって決めた

それが…1番楽だから

でも…

偶にはこんなのも

悪くないかもしれない