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HMSウェンディゴ
‐その日の早い時刻‐
視点・不破湊
技師の仕事は石炭を絶やさずに入れることである
その日もいつもと変わらず船を進める予定だった
技師である不破湊は船を進める為に石炭を入れていたが 6ヶ月も進めていては 石炭が底をつく
残りわずかの石炭を見て
不破湊
不破湊
と深くため息をついた
石炭が尽きては船は進まない
幸運にも6月の北極は白夜のため 眠い目を擦りながら今は何時かと 作業に取り掛かる
船から外に出る時
だとか
とか
等々の呻き嘆きが聞こえたのでみんなも大変なんだなぁ…と
他人事のように思いながら 石炭そりからある全ての石炭を回収し 持ち帰った
北極に長居は厳禁である
ある資源は非常に限られるし 何より寒さが厳しい
その照明に今持ってきた石炭はものの数分で 北極の空に消え去った
社長の粋な計らいで程よいところに船が止まったので社長に
不破湊
と言い、少し駆け足で石炭を探しに 目の前の洞窟を探索した
視点・加賀美ハヤト
その頃加賀美ハヤトはいつも通り進めたのにお礼を言ってきた 不破湊に戸惑いを隠せずにいた
加賀美ハヤト
彼が部屋(船長室)を出て行ってから 口にする
加賀美ハヤト
疑問だけが社長の頭を埋めつくした
視点・不破湊
技師である不破湊は あまりにも雰囲気の悪い洞窟に入るのを躊躇っていた
どうも嫌な予感がするのだ
洞窟の広さはランタンで照らした程度では分からない
何かが出てくるのではないか 嫌な予感だけが頭を巡ったが
自分が動かない限り船も動かない為 責任重大であることには 変わりなかった
覚悟を決め 何か燃えるものが無いか探した
洞窟は想定よりかなり狭かった
想像していた洞窟は コウモリが襲ってきたり… と考えていたが
よくよく考えたら そんな動物はこの環境下では 生きれない
だが 嫌な予感は的中してしまうもので
…シャワシャワシャワ…
と妙な音が聞こえてきた
少し怖い気持ちがあったが 好奇心に負け 音の方角へランタンの光を向ける
と、暗闇から出てきたのは 動物の骸骨らしきものと 木で構成された 不格好なオブジェ
音がしていたとはいえ いきなり暗闇から骸骨が出てきたら どんな人間でも驚いてしまう
それは不破湊も例外ではなく
不破湊
と少し間抜けな声が出てしまった
驚きで足元に骨のこん棒の山が あることに気付かず
そのこん棒の一部を蹴ってしまい
ガシャン
不気味なオブジェを破壊してしまった
不破湊
自分が一体何をしたのか状況を掴めず その場に立ち止まる
不破湊
状況を少し理解した不破湊は 誰のものか分からない 既に壊れてしまったオブジェに対して
不破湊
と必死に(?)謝り そこら辺にある石炭などの燃料物を 持てるだけ持って足早に帰った
後に判明したことだが 加賀美ハヤトによると 北極には不穏な噂が耐えないらしく その中の一つに そのオブジェのこともあった その名も
トーテム
見つけたら必ず壊せ。 と言われるものらしく 詳細はそこまで知らないらしい
彼の行動は意図的でなかったとはいえ 正しかったので彼は安心し 胸を撫で下ろした