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一度死にかけた女、ある男の配下になる

第6話 - 第6話

2024年12月15日

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一般人

アズール

…紅蓮、大丈夫か

花霞紅蓮

…ああ

アイリス

…のう、紅蓮よ

花霞紅蓮

…どうした

アイリス

お主が言いたくないのであれば言わなくても良いが…

アイリス

紅桜について教えられない
理由とはなんじゃ？

花霞紅蓮

…

アイリス

…わかった。お主が言いたくないのであれば、無理に聞く必要はない

リアム

…これからどうするつもり？

花霞紅蓮

…わからない

花霞紅蓮

私…俺はどうすればいいんだ…

花霞紅蓮

教えてくれ…

永瀬翔

…紅蓮さん

永瀬翔

僕、白狼さんや黒狼とよく
一緒にいたからわかるんだ

花霞紅蓮

…なにをだ

永瀬翔

彼らは、あのレオとかいう
人達のところに行く

アズール

…なんだと？

花霞紅蓮

そう言い切れる理由は？

永瀬翔

理由はないよ。でも、彼ら
ならそうする

永瀬翔

彼らも、僕達から引き剥がしたあの人達を許さないはず

ノア

…そうなってくると
結構まずくない？

アズール

ああ、俺らはあいつらの思う壺だ。こうなるのを予測していたのかもしれない

アンジェロ

じゃあ今すぐあそこに
行くぞ！！

アズール

ああ、お前ら！準備を…

フェリス

アズール、ちょっと待って

アズール

あ？なんだ？

天谷椿

あ、あの！

花霞紅蓮

…椿？

天谷椿

こ、これは私の想像なんですけど…

アズール

そんなのはいい！早く言え！

天谷椿

わ、私達が速攻行くというのもあちら側は読んでいるのではないですか！？

天谷椿

おそらくですが、私達をここに連れてきて、2人を抜けさせたら私達が今のことを考えるというのをあちらは読んで、罠かなにかを仕掛けている
可能性があります！！

アズール

…

天谷椿

…あ、あの…？

アズール

確かに、今、我らは怒りに
身を任せて攻め入ろうとした

ヴァイス

でも冷静に考えたら、そういうことも考えらますね…！

ノア

やっぱり凄いよ椿ちゃん！
よく冷静に考えられたね！

フェリス

うん…私でも少し焦った…

アズール

…こればかりは、認めるしかないな

アズール

だが、どうやって攻める
つもりだ？

天谷椿

…紅蓮さん、聞きたいことがあります

花霞紅蓮

どうした

天谷椿

あの…

レオ

…遅くないか？

アレグサンダー

アリス、ちょっと見てこい

アリス

えー？めんどくさいな〜

アリス

うーん、いないなぁ…

アリス

（まさか…逃げた！？）

花霞紅蓮

おいアリス

アリス

…！？ぐれ…！

花霞紅蓮

動くな。動いた瞬間斬り殺す

アリス

あ、はい…

花霞紅蓮

質問がある。それに答えろ

アリス

…なにかによる

花霞紅蓮

なぜお前はそっち側についているんだ

アリス

…私には弟がいるでしょう？

花霞紅蓮

リューだったか？

アリス

ええ。それで、リューが少し面倒なことになってるの

花霞紅蓮

どういうことだ

アリス

…今から言うことは、
他言無用でお願いね

花霞紅蓮

ああ、約束しよう

アリス

…リューは、レオに捕まってるの

花霞紅蓮

なぜだ

アリス

私が知りたいわよ…！私は
弟と普通に暮らしてただけ
なのに…レオのやつが…！

アリス

正直、あんたが居なくなろうと、どうでも良かったの。
リューがちゃんと成長して、甥っ子を見せてくれたら…
それでいいのよ…！

花霞紅蓮

…やはりな

アリス

え…？

花霞紅蓮

うちには頭のいい嬢がいてなその子がお前の性格を聞いてきたんだ。そこからお前が
そちら側についている理由を導き出してくれたんだ

アリス

…は？性格だけで？

花霞紅蓮

ああ、お前がブラコンと
言ったら、こういう説があると言った。それをお前の
口から聞きたかっただけだ

アリス

…ふふっ！すごい子がいるのね、そっちには！

花霞紅蓮

それで、お前はこの後どうするつもりだ

アリス

どうもできないわ。弟が人質にされてるんだもの

花霞紅蓮

では、頼みがある

アリス

頼み…？

レオ

どうだ、いたか？

アリス

いや、いなかったわ

レオ

は？いないだと？なぜだ

アリス

いや私が知るわけないでしょ

アレグサンダー

…奴等が逃げるはずがない

アリス

はぁ…面倒くさいわね…
早く来ないかしら…

アリス

（…まさか、内側から壊す
準備をしろだなんて、すごいこというわね…！）

アラン

…

レオ

…？どうした、アラン？

アラン

…いや、なんでもない

アズール

さて、最後の復習だ

アズール

あの建物は4階建て、
その4つの階の奴を全て潰す！

アズール

まずアンジェロが一階で暴れてくれ

アンジェロ

今日も血液祭りだ！！

アズール

2階ではノア、フェリスが
暴れろ

ノア

よし！気合い入れるぞ！！

フェリス

うん…全力で潰す…！

アズール

3階ではアイリス、暴れてやれ

アイリス

任せておれ！

アズール

最上階では俺、リアムが
暴れる

リアム

お姉さん、頑張っちゃう！

アズール

椿はなにかあればヴァイスを経由し、全員に連絡しろ！
翔とシャーロットは椿の護衛を頼む！

天谷椿

はい！がんばります！

シャーロット

頑張る！

ヴァイス

御意！

永瀬翔

がんばるよ〜

アズール

紅蓮、お前は狼姉兄を探せ。おそらくだが、もう既に中にいる

花霞紅蓮

わかった

アズール

そして、見つけた時に白狼へ真実を話してやれ

花霞紅蓮

…ああ、覚悟は決まった

アズール

シャーロット、ちょっとこい

シャーロット

？

アズール

ゴニョゴニョ…

シャーロット

了解！頑張るよ！！

アズール

よし、では行くぞ！

全員

おう！！

白狼

…くそっ！ここにもいない！

黒狼

あ、姉上！少し落ち着け！

白狼

わかってる！だが…！

アラン

なんだ、小蝿がいたのか

白狼

！！

ブン！

白狼

くっ！誰だお前は！！

アラン

我はアラン。大槌を使い…

黒狼

ふっ！（シュッ

アラン

人が話している時に攻撃とは感心せぬな

黒狼

なに！？完全に死角であっただろう！！

アラン

死角？我に死角などない

アラン

我は五感が研ぎ澄まされている。故に隙はない

白狼

…へー、だからなんだって言うんだい！？

白狼

『獣化・モデル狼』！

黒狼

『ウェアウルフ』！

アラン

…ふむ、人狼か。初めて見る

白狼

うるさい！行くぞ！！

ダッ！

白狼

『狼破爪』！

黒狼

っ！待て、姉上！！

白狼

え…？

アラン

…遅いな（グッ…

アラン

『偃月払い』

ゴキっ！

白狼

ガァァァァ！！

バゴン！

白狼

ガハッ！

黒狼

い、一撃で壁まで吹き飛ばした…だと？

アラン

黒いの、貴様は後だ

アラン

まずはあの白いのをやる

ダン！

黒狼

なっ！あ、姉上！！

白狼

ぐっ…！

アラン

潰れろ

アラン

『偃月落とし』

ドゴン！！

白狼

……え…？

黒狼

…ガハッ

アラン

ほう…相当距離があったのに庇えるのか

白狼

こ、黒狼！！大丈夫か！！

黒狼

ぐ…あ……

アラン

ふん、どちらにせよ順番が
変わっただけだ。意味はない

白狼

く…くそ…！！許さない…！！

アラン

そんなことをほざいても、
貴様はもう動けまい

アラン

さあ、潰れろ

白狼

くそぉ…！！
すまない、みんな…！！

アラン

『偃月落とし』

ドゴン！！

三歳にも満たない頃に森で迷子になったことがある

薄暗く、不気味な雰囲気があった

とにかく泣いた。でも、そんな声を聞く人はいなかった

幼いながら、ここで死ぬのだと悟った

そのとき、森の奥の方から紅に染まった髪、桜のように美しい男の鬼が現れた

鬼は、生き物をなんでも食うと聞いていた私は死ぬと思った

でも、彼は私を助けてくれた

私は、彼にお礼をしたくて名前を聞いた

彼は、こう名乗った。

『紅桜』、と

彼の後ろ姿はまさに鬼だった

だが、優しい背中をしていた

また会える、そう思っていた

だが、何十年も会えずにいた

あの背中を、優しい後ろ姿を見たかった。感謝を伝えたかった

また、会いたかった

でも、会えなかった

だから、半ば諦めていた…

白狼

（またあの後ろ姿を見れるとは思っていなかったんだ…）

花霞紅蓮

俺の配下達が世話になったな

アラン

紅蓮…！！

花霞紅蓮

しっかりと､感謝を伝えてやる

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