賭ケグルイ 藍

様子見として、とりあえずこの額

それなら、相川君も30万か

俺らの前に、2枚ずつカードが 配られていく

俺は……2と7か。 つまり、足して9

肝心のディーラーの1枚目は、 クイーン

絵札は全部10と数えられるから、 クイーンは10になる

俺からか……まぁ、ヒット一択だな

増えたカードは……ジャック

元あったものと足して、 俺の合計は19だ

うん、最初にしては中々いいと思う

あっちの増えたカードは9

それなら、俺と同じ19か

ディーラーは、合計が17以上に なるまでカードを増やし続ける

最初の1枚目は……5。 合計は15

これで、相手の バーストする確率が高くなった

だから、俺らの勝率も 上がったことになる

勝ちが決まった直後、 嬉しそうに両手で小さく ガッツポーズをした相川君

それから俺らに、30万円分の チップが配られた

よし、まずは一勝

今回は、相川君から賭け金を決める

思わずびっくりして、 相川君の方を見て目を見開いてしまう

たしかに手持ちは多いし、 勝てたらすごいけど……

とりあえず、俺はキリのいい70万

さっきの相川君の行動には、 少し驚いたけど……

心の中で苦笑していると、 自分の前にカードが並べられた

今回は、エースと2。 エースは1とも11とも数えられるし、 今のところ、合計は3か13かな？

相川君の方は、3と4で 合計が7

先に賭けたのは相川君だから、 今回はあっちから選択する

思わず、声が出てしまった

キョトンとした顔で、 相川君にこちらを見られる

7でダブルダウンは、 まず間違いなく21の ブラックジャックにはならない

それどころか、10かエースが 出ないと、ディーラーの最低数より 低くなって、危険なのに……

増えた数は……8。 だから、合計は15

これは、まずいんじゃないか……？

ルールを分かっていないわけでは ないだろうし……

なら、わざとやってるとしか 思えないけど……

増えた数は、7。 それなら、俺の合計は20だ

ディーラーが21じゃない限り、 絶対に負けない数

1枚目は9。2枚目は……3。 ここまでの合計は12

さらに増えて、2。 刻むねぇ……

もちろん、相手がバーストしてる わけだから、相川君も勝ちだ

っていうか、あれ？ やっぱり負けようとしてたの？

俺の読み通り、 あえて低い数で勝負に出てたんだ

それも、元の2倍の200万 っていう大金を賭けて

この子は、その危機感という スリルを楽しんでいる

……実際俺だって、 この狂気に魅せられている

そう言いながら、楽しそうに笑う彼

あれからまた2回やって、 次は最後のセット

今のそれぞれの手持ちは、 俺が500万、相川君は260万

あっちは、大金を低数で賭け続けて、 勝ったり負けたりを繰り返して、 この数になった

ちなみに俺は、賭けに勝ったり、 バーストして負けたり、 まぁそこそこな感じ

ふと、相川君に呼ばれる

へぇ、最後に全賭けか

相川君の案に乗って、お互い全額を 賭けて、最終セットをスタートした

俺の手札はエースと2で、 合計は3か13

次はどうしたんだろう

つまり賭け金を2倍にして、勝つと 手持ちが倍になって帰ってきて、 負けると手持ちの倍の借金を 背負うことになる

たしかに、より一層 ゲームが面白くなりそうだ

……けど……

この案には、あえて乗らないでおく