友達

バタンッ

またやらかした

僕は芥川龍之介 生まれつき体が弱くて 貧血で倒れることは 珍しくない

そして今日 高校の入学式で倒れた

またあの時みたいに…なるのか？

中学生の頃

こんなこと慣れている… ほぼ毎日彼等はこう云う

体育の時だって 倒れたのに助けてくれなくて 死にかけたときもあった そんな時もこいつらは

なんて 僕を気にかけることなく 僕をいじめた

そんな存在要らない

目を開けたらそこは 保健室だった

不意に中学生の頃の記憶がよみがえった

僕は 家が代々[やつがれ]と称してたので 僕の一人称も [やつがれ]に固定されていた

馬鹿にされると思った

強そう

そんな言葉 生涯だれにも言われたことがない 僕に相応しくないからだ

初めて言われた訳か 自惚れてしまった

なんだろうこの気持ち… 新しいことを始めたときの 初々しい感じか… 言葉に表せないこの感情

二人とも居なくなった保健室は とても静かだった

外を見ると 桜が散っていて 儚いが綺麗だった

明日は学校に行くことにしよう

芥川の背中には夕焼けの赤と 桜の桃の色が儚く、そして まるで芥川の心を代するように 綺麗に写っていた