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9月某所にて
謎の人
優奈
それは突然で、でも鮮烈で、私のこれからの人生を大きく変える出会いだった。
街角
優奈
私は岡崎優奈。成績普通、見た目普通、性格普通のバドミントン部に所属しているなんの変哲もない普通の女子高校生だ。
優奈
しぶとく生き残る残暑を感じながら、私は見慣れた帰り道を歩んでいた。
優奈
おとこのこ
なぜか道端にうずくまって泣いている、たぶん小学生ぐらいの男の子がいた。
思わず声をかける。
優奈
おとこのこ
優奈
おとこのこ
男の子が指差す先には、いつも学校から帰る時に横を通る立体駐車場があった。
優奈
男の子の顔がぱあっと晴れる。
おとこのこ
優奈
そう言って私は立体駐車場に向かった。
立体駐車場
優奈
私は鳥が巣を作りそうなちょうどいい場所をくまなく探してみたが、見つからず...。
外はさっきよりも暗くなってしまった。
優奈
風船が見つからなかったのは良くないことだが、暗い中、男の子1人で待たせるのはもっと悪いことだ。
優奈
私は思わず息を呑んだ。
なぜなら、曲がり角を曲がったその先、片手に赤い風船を持った、街灯ほどの高さの...
優奈
鳥の姿をした二足歩行のバケモノがいたからだ。
ばけもの
バケモノはこちらに気付いたと同時に駆け寄ってきた。
ばけもの
優奈
私は反対方向へ逃げるが、抵抗虚しく、バケモノに捕まってしまった。
ばけもの
優奈
優奈
謎の人
ばけもの
優奈
突如何者かに横からバケモノが殴り飛ばされ、拘束が解かれる。
真紅のマント、熱く燃えるが如き髪色、全てを飲み込む漆黒色の体。
代わりに私の前に現れたのは...
謎の人
優奈
謎の人
優奈
謎の人
優奈
謎の人
優奈
ばけもの
謎の人
優奈
謎の人は私を突き飛ばして立ち上がったバケモノからの攻撃を避けさせる。
ナイフとアスファルトが擦れ合うような音がこだまする。
優奈
謎の人
優奈
謎の人
謎の人は拳を振りかぶり、バケモノに飛び掛かる。
ばけもの
謎の人
...が、バケモノの爪によって豆腐のようにスパッと切断されてしまった。
優奈
ばけもの
バケモノがぎょろっとこちらを見る。
優奈
のそ...のそ...
バケモノは爪を研ぎながらこちらへ歩み寄ってくる。
優奈
謎の人
ばけもの
再びバケモノが吹き飛ばされる。
優奈
謎の人
優奈
謎の人
ばけもの
謎の人
優奈
ばけもの
優奈
優奈
見渡すと、ちょうど車を停めにこようとした一般利用者がこちらに来る。
優奈
私はその車へダッシュし、車の窓のすぐそばに立った。
ばけもの
優奈
優奈
私はバケモノの攻撃を直前でよけた。
ガシャン!!
窓が割れ、バケモノの腕が車の窓に引っかかる。
ばけもの
車を運転していた男
さっき謎の人は謎の復活を遂げていた。もしあれを何回もできるなら、時間を稼げば勝機はあるはずだ...!
優奈
ばけもの
優奈
バケモノの腕は今にも窓から抜けそうだ。
車を運転していた男
男が反対のドアから飛び出し、逃げていく。
優奈
私は反対側のドアから男の車に乗る。
優奈
私は思いっきりアクセルを踏んだ。
ばけもの
優奈
私は自分でも信じれないほどのドリフトをかまし、バケモノを引きずり回す。
ばけもの
優奈
すぽっ
優奈
バケモノは勢いよく車からすっぽ抜けていった。
ばけもの
やばいやばいやばい
優奈
ばけもの
優奈
咄嗟に目を瞑る。
刹那、今まで経験した様々なことが脳内で駆け巡る。
優奈
まさかこんな早く見ることになるなんてなあ...
謎の人
謎の人
優奈
ばけもの
目を開けるとバケモノの後ろに謎の人が立っていた。
謎の人
謎の人
ばけもの
あたりがビッグバンの如く輝き、思わず目を細める。
優奈
目を開けるとそこにバケモノの姿はなく、あの、謎の人が1人立っていた。
私は車から降りて謎の人に近寄る。
優奈
謎の人
優奈
謎の人
謎の人は姿勢一つ変えず、うつ伏せに倒れた。
優奈
謎の人
謎の人
優奈
謎の人は急ぐ私の裾を掴む。
謎の人
謎の人
謎の人
謎の人は大の字に仰向けになる。
まるでお礼の言葉を全身で浴びようとしているかのように。
優奈
優奈
謎の人
優奈
謎の人
謎の人
謎の人
優奈
優奈
イレギュラーマン
優奈
優奈
優奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
目を覚ますと、私はまだ駐車場にいた。
外は真っ暗になってたから当然男の子はもういなかったし、そもそも風船は戦いの途中で割れてた。
家に帰ったらすっごく親に叱られた。
あの『イレギュラー』と呼ばれるバケモノと『イレギュラーマン』は何だったのか。
今でもよくわからない。
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イレギュラー