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第3話 使用人殺人事件

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第3話 使用人殺人事件

1 - 第3話 使用人殺人事件

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2018年09月24日

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ちっ!木にぶつけた背中が痛むな。だが、我慢出来ない程じゃ無い。

轟は痛めた背中を加藤に気付かれない様に歩いた。

山田 隆夫

あそこです。

山田が指差した事件現場は、他の場所より木々が鬱蒼としていて、周りの景色はあまり見えない。

轟 健二

えらく、木々が集中してるな。

加藤 恭子

本当ですね。これじゃあ、周りから見えませんね。

轟 健二

犯人がここを事件現場に選んだとなると、余程、見られると不味い事があったか……

轟 健二

しかし……

轟は何かをブツブツと考え始めた。

こうなると、長いんですよね〜

ま、この横顔が好きなんですけど。

山田 隆夫

何か判りましたか?

轟 健二

その前に、遺体が発見される、前後に雪は降ったか?

山田 隆夫

いえ、発見当日は快晴で雪は降っていません。前日も同様です。

轟 健二

遺体発見場所には足跡の他に何か、痕跡はあったか?

轟 健二

例えば、ソリとか。

山田 隆夫

いえ、足跡は遺体発見者の猟友会の人の物のみです。

轟 健二

遺体発見当日から1週間前には雪は降ってないか?

山田 隆夫

それなら、発見当日から丁度1週間に降りました。

轟 健二

と言う事は…

加藤 恭子

取り敢えず、ここから、出ませんか?

山田 隆夫

そうですね。あまり長時間、冬の山に居ると風邪を引きますからね。

轟 健二

…それもそうだな。

3人は一旦、現場を後にし、車に戻った。

山田 隆夫

所で、御二方は今夜の宿は、もう取ったんですか?

加藤 恭子

えぇ、もう〇〇宿と言う所に取ってあります。

轟 健二

言っておくが、宿代も県警で落として貰うからな。

ふんだくるって言ってましたもんね。

山田 隆夫

それはもうご自由にふんだくってやってください。

山田 隆夫

私の給料に影響が無い程度にお願いしますよ。

轟 健二

それは知らん。もしかしたら、お前の今月の給料が無くなるかもな。

山田 隆夫

そ、それは困ります!

轟 健二

俺には関係ない。

しばらく、車に揺られていた。

轟 健二

スマンが少し寝る。

轟 健二

着いたら起こしてくれ。

山田 隆夫

えぇ、判りました。

轟は腕を組み、目を閉じて、寝息を立て始めた。

加藤 恭子

相変わらず、寝るの早いですね〜

山田 隆夫

昔からですよ。

山田 隆夫

ところで加藤さん。

加藤 恭子

なんでしょう?

山田 隆夫

轟さんの事を良く見てやってください。

山田 隆夫

轟さんは、こう見えて気を使う所がありまして。

加藤 恭子

それは私も判ります。

山田 隆夫

あまり、誰かを頼ろうとしないんですよ。

加藤 恭子

そうなんですか?そうは見えませんけど…

山田 隆夫

時折はこちらを頼ってくれますが、貴方程、頼る事はありませんよ。

山田 隆夫

傍から見ても、貴方に惚れきってるは判ります。

加藤 恭子

ちょっ!

山田 隆夫

はっはっはっ、失礼しました。

山田 隆夫

ですが、本当にお願いします。

山田 隆夫

偶に、この人はいつか知らぬ内に1人でどこかへ行ってしまうのではないだろうか、と思う時があるんですよ…

加藤 恭子

………はい。判りました。

そう言えば、轟さん。歩く時に何だか様子がおかしかった様な……まさか……

車に揺られること数十分。轟と加藤の泊まる宿が見えて来た。

山田 隆夫

轟さん。着きましたよ。

轟 健二

………着いたか。

轟は少しまだ残っている眠気を振り払いながら目を開けた。

加藤 恭子

あそこですね。

轟 健二

あれだな。〇〇宿。

2人は車から降りた。

山田 隆夫

それじゃあ、明日の昼前に迎えに来ますので。

轟 健二

いや、もう少し早くて……

加藤 恭子

はい、お願いします。

山田 隆夫

それでは、また明日。

山田はそう言うとパトカーを発進させた。

加藤 恭子

それじゃあ、中に入りましょうか。

轟 健二

……そうだな。

女将

いらっしゃいませ!

加藤 恭子

宿の予約を取っていた轟と加藤と言う者ですけど…

女将

轟様と加藤様ですね。少々お待ちください。

女将は確認を取りに、奥へと行った。

加藤 恭子

…なんで私が昼前に頼んだか、気になってますか?

轟 健二

まぁ、少しな。

轟 健二

大方、朝、寝坊でもしそうだから、保険でも掛けたんだろ?

轟は軽く笑いながら言った。

加藤 恭子

違います!

すると、加藤が少し大きな声で反論して来たので轟は面食らった。

加藤 恭子

私は……

女将

お待たせしました。お部屋へ案内しますので、こちらへどうぞ。

轟 健二

すみませんねぇ。

加藤 恭子

……

〇〇宿 203号室

轟 健二

荷物も少なくて助かったな。

加藤 恭子

……

轟 健二

…それでどうしたんだ?

加藤 恭子

っ!

轟 健二

おっと。

加藤はベッドに腰掛けていた轟に向かって抱き着いた。

轟 健二

中々、大胆だな。

加藤 恭子

茶化さないでください!

轟 健二

……

加藤 恭子

後ろ向いてください。

轟 健二

いや、どうした…

加藤 恭子

良いから!

轟 健二

……

轟は無言で後ろを向いた。

そっ

轟 健二

っ!

轟はそっと背中を触られただけで、痛みが全身を走った。

加藤 恭子

こんな優しく触っても痛みがあるんでしょ。なんで、こんな状態になるまで我慢してたんですか。

轟 健二

…すまんな…気を使わせて。

加藤 恭子

気を使っているのはどっちですか!

加藤 恭子

私にくらい、気を使わないでください!

轟 健二

…あまり心配を掛けたくなくてな。

加藤 恭子

心配を掛けたくないんでしたら、早く寝てください!

轟 健二

いっつ!

加藤は轟の背中を思っきり叩いて、ベッドに寝かした。

轟 健二

きょ、恭子。少し、強引過ぎないか?

加藤 恭子

知りません!

轟 健二

…ふっ。

優しいな。恭子は…

こんな俺を心配してくれるんだ。

轟 健二

恭子。

加藤 恭子

どうしたんですか。早く………ん。

轟は振り向いた加藤、いや、恭子の腕を引っ張り口と口を合わせ、接吻をした。

加藤 恭子

ん……ん…ん

轟 健二

ん……ん…ん

加藤 恭子

ぷはっ!

加藤 恭子

と、突然、何をするんですか!

恭子は顔を真っ赤にしながら、口に糸を引いたまま言った。

轟 健二

ふふふ、いや何、痛みにはキスが良いと聞いた事があってな。

加藤 恭子

も、もう、やるならやるって言ってくださいよ!

ふふふ、可愛いな。

本当に守れて良かった。

加藤 恭子

…何考えてるんですか。

轟 健二

ん?恭子は可愛いな〜って事だけだが?

加藤 恭子

なっ!?

恭子は再度、顔を真っ赤にした。

轟 健二

それじゃあ、明日からは、もう少し頼らせて貰うとしようかな?

加藤 恭子

も、勿論です!

恭子は顔を真っ赤にしながらも胸を張って言った。

轟 健二

それじゃあ、今は、もう少し愉しむとするか。

加藤 恭子

あ、健二さん!それはずる………ん

加藤 恭子

ん……ん……ん…ん

轟 健二

ん……ん……ん…ん

轟 健二

…結構、恭子もがっつくじゃないか。

加藤 恭子

…それはどっちですか!

加藤 恭子

私ももう少し愉しませて貰いますよ!健二さん!

この後、しばらく、2人の接吻は続いた。

そして、恭子はとても、安心した様な顔をしていた。

第4話に続く

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