…親友
明夢
(結局、親友どまりかぁ…)
けど、それでもいいと思った。
どんな形であれ、雪音と一緒にいられるならと。
明夢
…うれしいな
雪音
良い天気だねー
どれだけ空が綺麗であれ、私の手が汚れた事は事実。
私は…
雪音
どしたの、食べないの?
雪音
お腹でも痛い?
明夢
…食べる前に、一つ聞いていい?
雪音
明夢
幾ら親友が雪音を惑わす奴等を殺ったって
明夢
"普通の人"は法に触れた人なんか
明夢
眼にも留めようとしない筈なのに、なんで
明夢
私とまだ仲良くしてくれるの…?
雪音
そんなの
雪音
私が"普通の人"じゃないからに決まってるでしょ?
雪音
明夢って意外と鈍感なんだねっ
雪音はそう言って笑った
あたかも"普通"であるかの様な笑い。
こんな話なんて一切しないような人の。
明夢
普通の人じゃない理由って…
雪音
私は
雪音
明夢より先に
雪音
法に触れてるから、かな
明夢
雪音
家を飛び出して、お金に困って
雪音
食べ物を盗んだ事、
雪音
寝るとこが無くて
雪音
駄目だと言われても
雪音
公園のベンチで寝た事、
雪音
学校へ入る為に
雪音
外で生活してた分の学力を取り戻す為に
雪音
無理矢理明るい性格を創り上げて
雪音
勉強が出来る人になんとか取り入った。
雪音
そこくらいかな
雪音
明夢と会う少し前
雪音
その勉強出来る人を…殺した。
明夢
…何があったの?
雪音
人間関係。
雪音
元がこんなだって打ち明けたの
雪音
信頼できるなーと思って。
雪音
そしたらなんか、幻滅されちゃってね…
雪音
アンタがそんな暗いやつなんて知らなかったって
雪音
よく分からない理由であっさりお別れ。
雪音
暫く嫌がらせとかも続いた。
雪音
それで…
明夢
なんだ…
明夢
冴えないのは
明夢
人に裏切られたのは
明夢
私だけじゃなかったんだ。
雪音
雪音
私達ってほんと
「似てる。」
雪音
…そろそろお弁当食べよっか。
明夢
そうだね。
パカッ
雪音
あ、明夢のお弁当
雪音
クッキー入ってる!
明夢
作ってきたんだ。
明夢
「雪音の為に」♪
私達の問題は帳消しになんて出来ない。
でも。出来なくても。
雪音
美味しい!
今信頼できる"普通じゃない人"は
明夢
ほんと?良かったー!
私にとって、親友なんだと思う。







