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第1話 - あ

2023年03月13日

#恋愛

結城真矢

リツ

お姉ちゃん久しぶり～

リツ

相変わらず地味な生活してるっぽいけど生きてる？？笑

ラン

何？

ラン

なんか用でもあるの？

リツ

あれ？なんか冷たくない？？？？

ラン

要件がないなら連絡してこないで。

リツ

ん？？

リツ

なんか怒ってる？？

リツ

もしかしてまだ根に持ってるの？笑

ラン

なんのこと？

リツ

私がお姉ちゃんの元カレと付き合ってたことだよ！

リツ

今じゃ名前も覚えてないけどイケメンだったな～

ラン

よくもぬけぬけとそんな話ができるね

ラン

私から奪ったくせに...

リツ

奪ったなんて人聞きの悪いこと言わないで

リツ

あの時は彼が自分で私と付き合いたいって言ってきただけよ！

ラン

はぁ？

ラン

あなたのほうから誘惑してたでしょ！

ラン

家に連れてったときはきわどい服着てご飯にも誘おうとしてたじゃない！

リツ

そんなことしてないわ！

リツ

あれは彼から話しかけてきたの！

リツ

私は悪くないよ！

リツ

てかお姉ちゃん、私に嫉妬してるの？笑笑

リツ

そういえば小さいころから私だけちやほやされてたもんね笑

ラン

はいはい

ラン

またその話？

リツ

だってお姉ちゃんの彼氏と言ったらずっと地味なひとばっかじゃん笑

ラン

そんなことないよ！

リツ

はぁ？

リツ

全員陰キャだし、汚い眼鏡かけたキモ男ばっかだったでしょ！

ラン

あんたほんと最低ね！

リツ

どこが？

リツ

本当のこと言って何が悪いの？

リツ

図星？笑

ラン

てかあんたもいい加減働いたら？

リツ

私はお姉ちゃんみたいに働かなくていいんだよ

リツ

彼氏が養ってくれるからね♡

ラン

まだそんな暮らししてるの？

ラン

いい加減働きなさいよ！

リツ

やだよ

リツ

そんなめんどくさいこと

リツ

私はお姉ちゃんと違ってかわいいからいいの！

リツ

でも最近今の彼にも飽きてきちゃった

リツ

いい大人して4℃のアクセサリーしかくれないし笑

ラン

あんたいい加減にしなさいよ！

リツ

だってそうでしょ？

リツ

これしかお金をかけてくれないなんて泣

リツ

もうそろ潮時だわ笑

リツ

てかお姉ちゃんの働いてるのって外資系？だっけ

ラン

そうだよ

リツ

外資系ってお給料いいんでしょ？

ラン

それがどうしたの？

ラン

あんたには関係ないでしょ

リツ

クロさんってお姉ちゃんって職場で出会ったっていってたよね？

ラン

そうだけど...

リツ

てことはクロさんもお給料いいってことだよね！

リツ

クロさん結構いいかも

ラン

何言ってんの？？

ラン

また同じことを繰り返す気？

リツ

同じ事ってなに？？

リツ

別にちょっといいかもって言っただけよ

リツ

そういえば近々クロさんと２人で実家にくるって話聞いたんだけど

リツ

私もたまには実家に顔出そうかな～

ラン

え...

ラン

まさか同じ日に来る気？

リツ

えー

リツ

私行っちゃだめなの？

ラン

だめに決まってるでしょ！

リツ

そんなこと勝手に決められたくないなあ

リツ

来週の土曜日だったよね？

リツ

私もその日行くことにする！

ラン

ほんとにやめてくれない？

リツ

何をそんなに焦ってるの？笑

リツ

まさか何かいけないことでもあるの？笑

ラン

また変なことしようとするでしょ！

リツ

そんなことしないよ！

リツ

じゃあまた来週ね～

～数日後～

リツ

前の土曜日はありがとね～

ラン

ほんとに来るなんて信じられない

ラン

何考えてるの？

リツ

私が実家にいくことはなにもおかしくなくない？

リツ

私の家なんだし

リツ

それの何がいけないの？

ラン

それはそうだけど...

リツ

なんか勝手に自意識過剰じゃない？

リツ

勝手に盛り上がられても困っちゃうなあ

ラン

何その言い方

リツ

だってそうじゃん

リツ

勝手に過去のこと思い出して因縁つけてきて

リツ

私かわいそうじゃない？

ラン

それはあなたが悪いことじゃない？

リツ

はいはい

リツ

もういいよ

リツ

それにしてもクロさんいい人だったわ～

リツ

結構イケメンじゃん

リツ

かなりジェントルマンだったし

ラン

そう？

ラン

なんかあったっけ？

リツ

結構イケメンだったし

リツ

出来すぎてて惚れ惚れしちゃったわ～

リツ

よくあんな人捕まえたね～

ラン

まああの人人当たりいいしね～

リツ

実家で会ってほんといい人だと思ったわ～

リツ

めっちゃエスコートしてくれるし

リツ

あんないい人いなくない？？

ラン

そうだね

リツ

お姉ちゃんがあんないい人旦那さんにするなんて信じられない

リツ

お姉ちゃんにしては珍しいよね笑

ラン

余計なお世話よ

ラン

てかあの日なんか連絡先交換してなかった？

リツ

え？

リツ

ばれてたの？

ラン

やっぱり

ラン

なんかこそこそしてるなって思ってたのよ

ラン

あんたいい加減そういうことするのやめたら？

ラン

いくつになってもそんなことしてると身を滅ぼすよ

リツ

お姉ちゃんには関係ないじゃん

リツ

だってクロさんから交換しようみたいな感じだったもん

ラン

あきれたわ

リツ

私から言ったわけじゃないよ～

リツ

前もそうだけど私のせいにしすぎじゃない？

リツ

そっちこそいい加減にしてよ

リツ

いつも私が悪いみたいに言って

リツ

なんでいつも私だけが嫌な思いをしなきゃいけないの？

ラン

もうわかったよ

ラン

なんかクロのこと話したついでだからいうけど

ラン

昨日クロから別れようって言われたわ

リツ

え！！

リツ

別れちゃうの？

リツ

クロさんと？

ラン

まだわかんないけど

リツ

なんで？

リツ

あんないい人なのに～

リツ

何かあったの？

ラン

知らないよ

ラン

一方的に言われたんだもん

リツ

でもまあ納得かも笑

ラン

は？

ラン

どういうこと？

リツ

お姉ちゃんみたいに芋っぽい人じゃいやだってことでしょ？

リツ

やっぱり私みたいにキラキラした子のほうがいいよね～

ラン

あなたには関係ないでしょ

ラン

なんであんたが出てくるの？

ラン

これは私たちの問題だからあんまり首突っ込んでこないで

リツ

はいはい笑

リツ

でもお姉ちゃんとクロさんだったらやっぱり釣り合わないよ

リツ

クロさんやっと気づいたんだね

ラン

だから関係ないでしょ？

リツ

もう早く別れちゃったほうがいいんじゃない？

リツ

そのほうがお互いのためだよ

リツ

いつまでも縋り付いててもいいことないし

ラン

しつこいよ？

リツ

わかったわかった笑

リツ

もう別れるってことはクロさんをご飯とかに誘ってもいいってことだよね？

リツ

前に連絡先交換しておいてよかった～

ラン

まだどうなるとか決まってないから勝手なことしないで

リツ

わかったよ笑

リツ

まあせいぜいたくさん話し合いしな！

リツ

お互いが納得して別れられるように笑

～数か月後～

リツ

ねえねえ

リツ

今誰と一緒にいると思う？？

リツ

ねえ聞いてる？？

リツ

もうそんなに知りたいなら教えてあげる！

リツ

なんと今あなたの元旦那のクロさんといまーす笑

ラン

は？

ラン

なんで？

リツ

だから前連絡先交換したって言ったじゃん

リツ

それでご飯行きませんか～？って連絡したら行くことになったの！

リツ

楽しみすぎて久々に本気でおめかししちゃった笑

ラン

もう大人になりなよ

ラン

いつまで子供みたいなことしてるの？

リツ

なに？

リツ

そうやって説教するふりして負け惜しみ言ってるの？

リツ

見苦しいね～

リツ

私はそんな風になりたくないな～

リツ

悔しいなら悔しいって素直に言いなよ！

リツ

金持ちの旦那奪われて悔しいですって笑

ラン

いや別に全然悔しくないよ

リツ

は？

リツ

往生際が悪いな～

リツ

早く認めちゃいなよ笑

ラン

ほんとに悔しくないよ

ラン

だって今その人無一文だもん

リツ

へ？

リツ

どういうこと？

リツ

だってお姉ちゃんと同じ職場でお給料もいいんでしょ？

ラン

まあ確かに同じ職場で出会ってそれで結婚したよ

ラン

ただ今も働いてるとは言ってないよ～

リツ

は？

リツ

まって

リツ

どういうこと？

リツ

もう働いてないの？

ラン

うん

ラン

そうだよ

リツ

そんなこと聞いてないよ！

ラン

まあ別に言ってないからね

ラン

そのことは笑

ラン

しかもわざわざ言う必要なくない？

ラン

別に聞かれたわけじゃないし

リツ

まあそうだけど

リツ

でもお金持ちって言ってたじゃん！

ラン

そんなこと言ってないよ

ラン

勝手にそう思い込んでただけでしょ

ラン

同じ職場で出会ったって言っただけだよ

リツ

なんで教えてくれなかったの？

ラン

教えるも何もなくない？

ラン

あんたが勝手に連絡先交換してご飯行ってるだけでしょ

リツ

それはそうだけど...

リツ

ていうかお金ないってどのくらいないの？

ラン

え

ラン

目の前にいるなら直接聞けばいいじゃん笑

リツ

聞けるわけないじゃん

リツ

ねえ教えてよ！

ラン

それを知ってもいいことないよ～

ラン

それでも聞きたいの？

リツ

もういいよ！

リツ

なんでそんな嫌味に言ってくるの？

ラン

いやそれはそっくりそのまま返すよ

ラン

元はといえばあんたが変に突っかかってくるのが悪いんでしょ？

ラン

黙ってないで何とか言いなよ！

リツ

ごめんなさい

ラン

まあ別に今更謝られたもなんとも思わないけど

ラン

じゃあいいこと一つ教えてあげる

ラン

クロは実はいま働いてないだけじゃなくて最近パチンコにはまっちゃったのよ

リツ

へ？

リツ

パチンコ？

リツ

そんな人には見えなかったよ！

ラン

まあそういうもんでしょ笑

ラン

でもかなりパチンコにはまちゃってさ

ラン

今じゃ仕事に行かずに毎日パチンコいってんのよ

リツ

うそ！

ラン

ほんとだよ

ラン

ちょうど前に実家に行った時期ぐらいに彼の貯金なくなっちゃったんだよね

ラン

毎日行くくせに負けてばっかりだから笑

ラン

聞いてる？？

リツ

聞いてるよ！

リツ

泣きそうなんだけど

リツ

彼がパチンコにはまるような人なんて知らなかった

ラン

まあそんな感じだわ

ラン

結婚したときの彼に戻ってほしくていろいろしたけど

ラン

全部無駄だったわ

リツ

ほんとに信じられない

ラン

嘘とかついてないから安心して笑

リツ

わかってるよ！

リツ

ふざけないで！

ラン

あれれ

ラン

私はいたって真面目なんだけどな～

ラン

ていうかなんでそんなに焦ってるの？

ラン

別にあんたには関係ないことじゃない？

ラン

ただご飯に行ってるだけなんでしょ？

リツ

そうだけど...

リツ

お姉ちゃんには黙ってたんだけど実は私クロさんと結婚してたの

ラン

え？

ラン

ほんとに？

リツ

うん

リツ

本当だよ

ラン

まああなたの気に入った人だしいいんじゃない？

ラン

気が利くしジェントルマンなんでしょ？

リツ

うるさい！

リツ

ここまで来たらそんなこと関係ないよ！

リツ

ほんとにどうしよう

ラン

あの人貯金を食いつぶしただけじゃなくていろんなところに借金してるから大変よ

リツ

え？

リツ

借金まであるの？

リツ

働いてないんだよね？

ラン

そうだよ

ラン

私の名前でお金借りようとしててそれでもう終わりにしようと思ったの

リツ

どうしよう

ラン

また仲良くしてくれる元カレとかいるんじゃない？笑

ラン

その人たちからお金集めれば？

リツ

もう黙って！

ラン

あなたたちどうせ実家で会ったときぐらいからご飯とかデートとか行ってたんでしょ？

ラン

そのおかけですんなり離婚出来て助かったわ～

ラン

ありがとね！

ラン

今までイラつくことねちねち言ってきてしょうもない妹だと思ってたけど

ラン

初めて感謝する！

リツ

ねえ

リツ

見捨てないで...

リツ

助けて...

ラン

もう結婚してるからあんたがどうにかするしかないよ

ラン

助ける義理もないし

ラン

私はずっとそんな子供みたいなこと続けてたらいつか身を滅ぼすって言ってたよね？

リツ

ほんとにごめんなさい

ラン

謝るよりも先に仕事先を探しに行ったら？

リツ

お願い助けて！

～後日談～

ラン

この後聞いた話ではリツはクロの反対でなかなか離婚できず、もともとフリーターだったため

ラン

就職することもできなかったそうです。

ラン

昼間は毎日バイトに明け暮れ、夜はキャバクラで生計を立ててつつクロの借金を返済する毎日を

ラン

送っているそうです。それでも一向にクロは働こうとしないため借金は日増しに増えていっている

ラン

そうですが。

ラン

私は、一度実家に戻り、友人の紹介で2歳年上の方とのお付き合いもはじめ充実した毎日を過ごしています。

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結城真矢

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