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コメント
1件
最高すぎる…なんでそんなにいい作品がかけるんだ… 癖に刺さりすぎる…(((
ライブツアーの成功を祝って、居酒屋にきていた。 ビールジョッキが次々と空になり、美味しい料理がテーブルを彩る。
こさめ
こさめが上機嫌で顔を赤くしている。その隣で、いるまはすでに顔色が悪かった。普段からそこまで酒に強くない彼は、ハイボールを数杯飲んだあたりから、どこかぼんやりとしていた。
LAN
流石リーダー。心配そうにLANが声をかける。
いるま
いるまは力なく笑うが、その額にはうっすらと汗がにじんでいる。
こさめ
無邪気にそう言って、こさめが新しいレモンサワーを差し出す。いるまは反射的にそれを受け取ると、ぐいっと一口飲んでしまった。その瞬間、彼の顔色がさらに悪くなった。
いるま
いるまが口元を押さえる。その異変に最初に気づいたのは、向かいに座っていたなつだった。
なつ
そう叫んだ時にはもう遅かった。いるまはガタッと椅子から立ち上がると、そのまま口元から胃の中のものを盛大に吐き出してしまった。それは彼が座っていた席の真横、ちょうど通路とテーブルの間に広がり、琥珀色の液が床に染みていく。
店内にいた他のお客さんたちが、一斉にこちらに視線を向けた。 メンバー全員の顔から、一気に血の気が引く。
LAN
LANが慌てて駆け寄り、背中をさする。いるまはえずきながらも、ずるずるとその場にしゃがみ込んだ。その顔は真っ青で、目には涙が浮かんでいる。
いるま
か細い声で謝るいるまに、みことが素早くティッシュを持ってきてくれた。 店員もすぐに駆けつけ、片付けを手伝ってくれる。
なつ
みことが、いるまの肩をポンと叩いた。いつもに増して、優しい声色だった。
LAN
LANが腕を貸し、いるまはふらつきながらも立ち上がった。 その間、すちとこさめが店員に何度も頭を下げ、みことは片付けを手伝っていた。
トイレから戻ったいるまは、まだ顔色は悪かったが、少し落ち着いたようだった。 メンバーは彼を囲んで、改めて大丈夫かと声をかける。
いるま
いるまが申し訳なさそうに頭を下げた。
なつ
なつが笑いながら言う。
こさめ
こさめがにこやかに続けた。
すち
すちが冗談めかして言うと、いるまは小さく吹き出した。 LANとみこともうんうんとうなずいている。
LAN
LANの言葉に、いるまは静かにうなずいた。居酒屋を出る頃には、空には満月が輝いていた。 この失敗は彼らの絆を一層深める、少しほろ苦い思い出として心に残った