寧々
ふぅ、
わたしはタクシーをおりて一息つく
寧々
あれからもう5年、か
目の前に広がるカラフルな世界を見ながらつぶやくと
たくさんの思い出たちがよみがえってくる
あの夢のような日々が幕を降ろしてからもう5年もたったのだ
仲間うちで結婚や婚約の話が出てきてもおかしくはない
寧々
それにしても
わたしは小さく笑みをつくる
寧々
相変わらずだね
寧々
えむ
ゲートの影からはみ出ていた懐かしいアホ毛がぴょこっと動く
かわいらしいアホ毛を揺らしながら顔を出したのは大切な親友
えむ
えへへっ
えむ
バレちゃってた?
えむ
びっくりさせようと思ったのになあ
そう言ってぺろっと舌を出すえむ
5年前よりも少し大人っぽくなった気がしたけど気のせいかも
寧々
当たり前でしょ
寧々
わたしのこと、ナメないでよね
そう言いながらえむに歩みよる
えむ
えへへっ
ずっと変わらない屈託のない笑顔でえむが抱きついてきた
寧々
ちょっ、えむ!?
えむ
ん〜っ!
えむ
久しぶりの寧々ちゃんだぁ〜!
戸惑うわたしを差し置いて、えむはぐりぐりと頭を押しつけてくる
すると、運が良いのか悪いのか
ドタドタと激しい足音が聞こえてきた
??
寧々〜!!(クソデカボイス)