父
まぁ座りな
渚
うん
父
渚は、、、悲しくないか?
渚
、、、
父
わかった
父
母さんの約束守ろうとしてるんだな
渚
うん
渚
母さんは、、、大切な人を守れって言った
渚
でも、僕はそれができなかった
渚
それが悲しいし、悔しい
渚
それに、母さんの死だって泣きたいくらい悲しいよ
渚
でも、、、泣いたら姉ちゃん達まで悲しむから
父
そうか
父
父さんも悲しい
父
泣きたい
父
渚くらい辛いんだ
父
でもな
父
母さんが言ってる守るということはそういう事じゃない
渚
え?
渚
なら、、、どういうこと?
父
ボディーガードみたいに守るのは違うんだ
父
今の幸せな日常
父
大切な家族
父
それらを壊れないように父さんを助けてくれって意味なんだ
父
父さんもできることはやるつもり
父
でも、一人で出来ることと出来ないことがある
父
渚がやってくれてる家事もありがたいと思ってる
父
今回の母さんの死は約束を守れなかったんじゃないんだ
父
守るのは僕だったんだから
渚
で、でも
父
渚は悪くない
父
家族を守らなきゃいけないのはこの父だ
父
僕が病院に居れば母さんを守れた
父
それが違いだ
父
だから渚
父
自分を責めるな
渚
うん
父
今なら泣いて大丈夫
父
もう二度とこのような悲劇は生まない
父
そして、君等を守る
父
この事は二人も分かってるはず
父
あの二人は立ち直りが早い方だ
父
茅もあのように見えて立ち直りは早いからな
父
すぐ忘れる性格だ
父
そして渚
父
問題は君だ
渚
え
父
いつまでも引きずってばかりいたら母さん泣くぞ?
渚
う、うん
父
ごめんなこんな夜遅くに話して
渚
大丈夫、、
父
それじゃ、、、おやすみ
渚
(なんで父さんはこんな事があって僕等を心配できるんだよ)
渚
(母さんの死が悲しくないの?)
渚
(でも、父さんの言ってることは正しい)
渚
(いつまでも引きずってばかりいたら守れる物も守れなくなる)
渚
(立ち直らなきゃ、、、)
渚
おやすみ、、、父さん
父
くっ
父
妻よ
父
守れなくてすまない
父
僕は彼等を安心させることができたか?
父
母さん、、、
父
僕は、臆病者だ、、、
父
ただ強がる事しかできない
母
大丈夫ですよ
母
貴方ならきっと良い父になれますよ
父
!
父
母さん?
微かに母さんの声がした
父
幻聴か、、、
父
良い父か、、、
父
ふふ、、
父
きっと、、、あの子達を守ります
父
何があろうと絶対に
渚
、、、
渚
姉ちゃん達、、、寝てる
渚
もう立ち直ったんだな、、、
渚
凄いよ、、、
渚
やっぱ、、、予兆はあったんだ
渚
事故、、、正夢
渚
全て今の出来事に繋がった
渚
分かっていれば、、、守れたのに
美咲
渚
渚
あ、起こしちゃったよね
美咲
ううん
美咲
茅は寝たけど私はまだ寝てない
渚
もう2時回ってるんだから早く寝なきゃ
美咲
うん、、
美咲
渚
渚
何?
美咲
悲しい?
渚
、、、
美咲
あんたは凄いよね
美咲
あんな状況でも涙一つも見せなかったんだから
美咲
あんた強いよ
美咲
でも分かるよ
美咲
内心悲しいんでしょ?
渚
うん、、
渚
だって、、母さん、、死んじゃった、
渚
悲しいよ
美咲
よしよし
美咲
辛かったね
美咲
泣くの我慢してたんだよね
渚
うん
美咲
今なら泣いていいから
すると、渚の目から涙が溢れた
渚
うっうっ
美咲
頑張った
美咲
あんたは強い
美咲
茅も守るし、母さんも守ろうとする
美咲
良い子に育ったんだね
渚
姉ちゃん、、、
渚
うっ
渚
うわああああああん
夜、ベッドの上で渚は初めて泣いた