〜短編集〜

曲パロ

ードラドの悲劇ー

傘村トータ様

⚠️前のリメイク版です

少しは上手になってるといいな……

隙だらけの彼の背中に羽はない

とても大きな傷があるだけだ

どうしてないの？

と聞いたら

彼は

訳あって無くしちゃったんだ

と

少し前に言っていた

俺たちは1人1色の羽を与えられて生きている

笑って彼は答えなかった

俺は橙くんに隠し事をしてる

俺は羽を与えることができる

でも、その代わり俺の羽は無くなっちゃうけど

橙くんにならあげてもいいかな

冗談で言ったのに

橙くんは見たことも無いような顔して

と言った

隙だらけの橙くんの背中に羽はなくて

ただ傷が残っているだけ

橙くんが自分で切り落としたんだって

少し前に聞いた

俺たちはなんで羽が与えられるんだろう

どうして羽が与えられて生きているんだろう

羽のある橙くんはどんなだったんだろう

もう2度と思い浮かべたりはしないと決めたよ

俺は赤に隠していることがある

俺は昔、羽を与えることができた

実は、赤が彩ってるその黄金色の羽は君のものじゃない

初めて会った時びっくりした

赤の羽は見たことないほど"黒い色"をしていた

噂で、黒い翼は不幸を引き寄せると聞いた

赤はいつも同じ顔で

と

呟いていた

違うやろ？

本当に消えるべきなのは黒い羽のほうやろ？

どんな色が似合うんやろう……

ごめんな、俺選ぶ力はないよ？

でもきっと俺の黄金は似合うやろう

"さよなら"

また今度"初めて会った時"素敵な羽だねと褒めてあげるね

泣き疲れて眠った赤にそっと移し替えるため

俺はとびっきり大きい刃物を使って

震える手で

羽を切り落とした

隙だらけのこの背中に羽はなくて

傷があるだけで

何も無い

俺は笑って

答えた