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りうら
りうらは、ベッドの上で浅い呼吸を繰り返していた。昨日から少し喉の違和感があったけれど、まさかここまで悪化するとは。全身が鉛のように重く、頭はガンガンと痛む。熱があるのは明らかだった。
今日はグループでのレコーディングの日。楽しみにしていた曲だし、自分のパートもたくさんある。休むなんて選択肢は、りうらの中にはなかった。
りうら
震える手でスマートフォンを掴み、時間を確認する。集合時刻まではあと1時間。起き上がろうと力を込めるが、すぐに目眩がして視界が揺れる。
その時、コンコン、と部屋のドアがノックされた。
ないこ
聞こえてきたのは、ないこの優しい声。いつもなら返事をするけれど、今は声が出ない。喉が張り付いたように感じる。
ないこ
心配そうな声と共にドアが開き、ないこが顔を覗かせた。ベッドに横たわるりうらの顔を見て、ないこの表情が瞬時に強張る。
ないこ
ないこは慌てて駆け寄り、りうらの額に手を当てる。ひんやりとした掌が心地よく、思わず目を閉じてしまった。
ないこ
焦るないこの声が聞こえる、りうらは、ただ首を横に振るしかなかった。
りうら
今にも消えそうな声で呟くと、ないこは大きくため息をついた。
ないこ
有無を言わさぬ口調でそう言うと、ないこは手際よくスマートフォンを取り出した。メンバーに状況を説明する声が聞こえる。りうらは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。自分のせいで、みんなに迷惑をかけてしまう。
すると、ないこが通話を終え、再びりうらの額に手を当てた。
ないこ
りうらの目から、ポロポロと涙が溢れ落ちた。迷惑をかけてしまったことへの申し訳なさと、メンバーの優しさが、胸にじんわりと染み渡る。
ないこ
ないこはそう言って、優しくりうらの頭を撫でた。その手の温かさに、りうらの心は少しだけ軽くなる。
ないこ
そう言い残し、ないこは部屋を出て行った。静かになった部屋で、りうらはゆっくりと瞼を閉じる。メンバーの優しさに包まれて、りうらは安らかな眠りについた。
しばらくして、再びドアがノックされる音がした。今度は、少し賑やかな声が聞こえてくる。
If
悠佑
ガラリと開いたドアから顔を出したのは、Ifと悠佑だった。Ifは心配そうにりうらの顔を覗き込み、悠佑は手に温かそうな湯気を立てるお粥の入った鍋と、スポーツドリンクのペットボトルを持っている。
If
Ifは軽く呆れたように言いながらも、その声には深い心配が滲んでいた。悠佑は慣れた手つきでサイドテーブルにお粥と飲み物を置くと、りうらの額にそっと手を当てた。
悠佑
りうらは、ゆっくりと目を開けた。二人の顔を見て、また涙が滲みそうになる。
りうら
If
悠佑
二人の言葉に、りうらは胸が温かくなるのを感じた。一人で抱え込もうとしていた弱音が、彼らの優しさによって溶かされていくようだった。
その時、りうらの胃のあたりがキューッと締め付けられるような不快感に襲われた。急に込み上げてくる吐き気に、ゴクリと唾を飲み込むが、間に合わない。
りうら
りうらは咄嗟に口元を抑え、ベッドの端に身を乗り出した。咳き込むような音が響き、胃の中のものがせり上がってくる。
ないこ
ないこが慌てて洗面器を持って駆け込んできた。ちょうど良いタイミングで受け止められ、りうらは何度もえずく。Ifと悠佑も、顔色を変えてりうらの背中をさすった。
If
悠佑
ないこは、もう片方の手で冷たいタオルを絞り、りうらの額に乗せてくれた。ひんやりとした感触が、熱を持った体に少しの安らぎを与える。
りうら
嘔吐きが落ち着くまでの間、メンバーは誰一人として嫌な顔をせず、ただひたすらにりうらの背中をさすり続けた。その温かい手が、りうらの不安を少しずつ和らげてくれた。
しばらくして、りうらが落ち着きを取り戻し、横になると、部屋のドアが再び開く音がした。今度は、心配そうな表情を浮かべたほとけと、少し慌てた様子の初兎が入ってくる。
ほとけ
初兎
ほとけはりうらの傍にそっと座り込み、その手を優しく握った。初兎はすぐに洗面器を片付け、新しいタオルを用意し始める。
ないこ
ほとけ
ほとけは涙目でりうらを覗き込む。初兎は手際よく水で濡らしたタオルを持ってきて、りうらの口元を拭ってくれた。
初兎
りうらはゆっくりと首を横に振った。まだ胃の不快感が残っており、起き上がるのも億劫だった。
悠佑
If
全員の温かい視線が、りうらに注がれる。りうらは、こんなにたくさんの人に心配してもらっていることが、心にじんわりと染み渡った。
りうら
かすれた声で呟くと、ないこがそっとりうらの頭を撫でた。
ないこ
りうら
真里奈 作者
真里奈 作者
真里奈 作者
真里奈 作者
コメント
7件
ふぉおおおおおおお！！ いや好きすぎて困る😖
やっぱり体調不良最高！！！ リクエストいいですか？？よければらんらんの貧血からの嘔吐とか書いて欲しいです！！
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