学年トップの裏の顔

同じクラスのないこは

口数は少ないが 学年トップの成績を持ち、生徒会長をも務める

所謂、逸材だった

そんな、ないこには

＿裏の顔があった

ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ

クラス全体が騒めく

今日は期末試験の結果発表の日だ

ないこはあまり感情を表に出さない

闇に包まれている感じだった

ないこは授業中も 自ら挙手や発言をしない

普通だったら態度にAは付かないはずだ

それでもないこはオール5の成績

俺はずっと謎に思っていた

廊下を走っている時のことだった

普段なら誰もいないはずの 生徒会室から誰かの嬌声が聞こえた

俺は、興味心で近づいた

そこには目を 疑うような光景が広がっていた

そこで俺が見たのは

紛れもなく、複数人の教師に 強姦されているないこの姿だった

見ているだけで恐ろしい

そして何より気になったのは 教師の言葉だ

｢期末で1位取れたのは誰のお陰｣

確かそんな事を言っていた

まさか＿＿なんて事は 思いたくない

これは見なかったことにしよう

そう思い俺は、逃げるように走った

次の日、俺は居ても立ってもいられず 昨日の件でないこを呼び出した

辺りを見渡し、落ち着きのないないこ

”昨日”というフレーズを出すと焦り出す

突然大きな声を出すないこ

余程思い出したくなかったのだろう

その場にしゃがみこんで泣き出す

そう頼むないこの声は震えていた

項垂れるないこの肩を支えながら慰める

きっと脅されているのだろう

ふとないこの肩を見ると 首筋に噛み跡や傷が痛いくらい付いていた

例え成績と引き換えだとしても ここまでないこを脅している教師を

俺は許せなかった

本当は詳細を聞きたい所だが 今は控える事にした

翌日、ないこから 承認が出たので詳しく話を聞くと

ないこの家庭は元々貧しく、親も離婚していて母親は早朝から深夜まで働いていたらしい

そんな母親の代わりに、兄弟達の世話や 食事をないこが行っていたため

勉強も儘ならず、中学の成績は下がり続け 母親に迷惑をかけてしまっていた

だから

高校ではなるべく迷惑をかけないように 生徒会に入ったり、クラスの事をやったりと

勉強以外の事を一生懸命に励んでいた

だが、勉強は捗らない

だからないこは最終手段に出た

それは＿

自分の身体と成績を引き換えること

教師に身体を売ることで 常に学年トップを貫いていたらしい

家に帰って勉強出来ないないこにとってはそれしか成績を上げる方法がなかった

俺はその話を聞いた時 驚愕した

それでも止めることは出来なかった

ないこは必死だったから

人は誰にだって裏の顔がある

その言葉を改めて信じた出来事だった

学年トップの裏の顔