杏堂〇〇
タッタッタッ
急ぎ足で地下へ向かう。
太宰が捕まっている牢獄の方から何やら喋り声が聞こえた。
??
〜〜〜〜
??
〜〜〜ねぇぞ
太宰治
〜〜〜
太宰治
忘れてない?
早足で角を曲がり、牢獄の階段へ出る。
そこに居たのは…
中原中也
二度目はなくってよ!ドンッ
階段の中間地点で内股立ちの裏声で叫ぶ中也と 下の方で鎖を外され自由の身になった太宰が。
中原中也
笑うとこだろここ!!
杏堂〇〇
……
太宰治
あっ、
中原中也
あ"
杏堂〇〇
あ〜、うん
杏堂〇〇
ワタシナニモミテナイカラ…
中原中也
ちょ、一寸待て!
中原中也
今のは違くて…
太宰治
中也見られちゃったね
太宰治
〇〇には知られたくないって云ってたのに…
中原中也
おい!
中原中也
出鱈目云うな!
杏堂〇〇
なんて茶番はこの位にして
態と作っていた引き気味な表情を元に戻して 二人の間に立つ。
演技だと判った中也は心底ホッとしたように 小さく溜息をついていた。
杏堂〇〇
太宰の鎖が解かれてるのはどう云う事かな?
中原中也
ギクッ
判り易く肩を震わせながら俯く中也。
太宰治
中也が蹴りで鎖を壊して私を逃がしたのだよ
太宰治
逃亡幇助なのにね〜
中原中也
なっ、テメッ!
杏堂〇〇
…はあ、全く
中原中也
之は俺…だけど違くてな!
杏堂〇〇
判ってる判ってる
杏堂〇〇
どうせ嫌がらせに来て鎖外してボコそうとしたら
結局太宰の罠にハマって嫌がらせされて交渉したんでしょ
結局太宰の罠にハマって嫌がらせされて交渉したんでしょ
中原中也
怖
太宰治
怖
杏堂〇〇
おい、そういう時だけ意思疎通やめろや
太宰治
〇〇は又私に会いに来てくれたのかい?
杏堂〇〇
まーね
中原中也
なっ、又ってなんだ
中原中也
前にも来てンのか
あ、之面倒臭いやつだ。
杏堂〇〇
あ〜、私はこの辺で…
太宰治
待ってよ
中原中也
待て
二人に両手首を捕まれ、逃げ場が無くなる。
杏堂〇〇
(ヤッテシマッター)