蒼
桃
本編スタート!
キキーーーッ!!!!
ドン!!!!!!
ブレーキ音と鈍い音が響く
蒼
え…?
通行人A
おい!人が車に轢かれたぞ!!
通行人B
だ、誰か!救急車!!!
平和な街が一瞬にして混乱に陥った
騒ぎ出す通行人
泣きわめく子供達
そして倒れていたのは…
子供を抱きかかえる桃先輩だった
蒼
せ…先輩!!!
僕は急いで桃先輩に駆け寄る
桃
………
子供A
っうわぁぁん…!!泣
子供は桃先輩の腕の中で泣いている
蒼
っ先輩…?
僕は先輩の身体を揺らす
桃
……っ
桃
っあぁ……
桃
ちょっと…痛かったかも…ww
そう言うと桃先輩は またいつものようにニカッと笑う
蒼
ちょ…何言ってんですか!!!
蒼
頭から血が…!!
桃先輩の頭からは血が流れている
桃色の綺麗な髪が赤く染まる
桃
あぁこれくらい大丈夫だって…ヴッッ!!
桃先輩は起き上がろうとするが 苦しそうに頭をおさえる
蒼
ちょ!起き上がらないでください!もうすぐ救急車が来ますから!!
桃
そんな大袈裟な…ッッ!!意外と痛てぇ
子供A
お兄ちゃんごめんなさい…僕のせいで泣
そう言うと少年は桃先輩に抱きつく
桃
お前のせいなんかじゃねぇよ…俺が勝手にしたことだ…怪我はねぇか?
子供A
う、うん…
桃
なら良かった…お前が無事ならそれでいい…
桃先輩は微笑みながら 子供の頭を優しく撫でた
蒼
っなんでこんなこと…!
僕には桃先輩のとった行動が 理解出来なかった
桃
勝手に体が動いちゃって…ほんと…馬鹿だよなぁ…ww
そう言って桃先輩はまた笑う
蒼
(なんで自分のことは後回しなの?)
蒼
(なんで自分の身を守ろうとしないの?)
蒼
(なんで…?泣)
僕の頬に涙が伝う
桃
…え?なんで泣いてんの?
蒼
(あれ?なんで僕泣いてるの?)
蒼
(涙が止まらない…)
桃
もしかして…俺が死んだと思った?w
桃
っこんなんで死ぬほど…やわじゃねぇから…
桃先輩はそう言うと僕の頭を撫でる
蒼
もう、この馬鹿…泣
その時の桃先輩の手は
とても暖かかった
ピーポーピーポー
遠くからサイレンの音が聞こえる
桃先輩は安心したように目をつぶった
蒼
はぁ…
蒼
心配かけないでくださいよ…
僕は桃先輩を見つめる
この時からかもしれない…
僕が桃先輩を好きになったのは







