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テラーノベル(Teller Novel)

太宰

森さん。帰ってきたよ。

森さん

おあえり太宰くん。少し落ち着いあかな?(おかえり太宰君。少し落ち着いたかな?)

森さんは桜弥に頬をつねられながそう云った。

太宰

うん。

太宰

姉さんは?

森さん

買い物

森さん

桜弥くんも3ヶ月でしょ?

森さん

そろそろおもちゃで遊ぶだろうし

森さん

鏡花と二人で買いに行ったよ。(芥川くんも)

太宰

そっか。

森さん

それと太宰くん。一つ気付いてないことあるでしょ?

はて?全くわからない。私は一日前まで毎日桜弥と一緒に居たし、気付かないことなど…

森さん

首すわってるよ

太宰

ほんと?

森さん

うん。

桜弥

ううー

森さん

太宰くんがいいのね。

森さんから桜弥をパスされ1日ぶりに抱っこすると、何時もより重く感じた。

森さん

首もすわってるから縦に抱っこも出来るよ、

太宰

中也。ちょっ…と桜弥預けるね

何故か涙が出てきそうになった。

今まで桜弥の成長とか見る暇なかったから、重くなってることに嬉しさもあったし、何故気づかなかったのか情けなくもなった。

芥川

太宰さん?

太宰

芥川くん。

太宰

久しぶり

太宰

買い物どうしたの?

芥川

お久しぶりです。

芥川

僕の性に合わなかったので…

芥川

そのっ、大丈夫ですか?

太宰

なにが?

芥川

色々…

太宰

多分。っていうか

太宰

何偉そうにしてるの。

太宰

殴るよ?

芥川

厭。そのすいません。

芥川

中原さんが探してたので

太宰

あぁ。中也か

太宰

ありがとう芥川くん。

芥川

いえとんでもない。

太宰

あれ?桜弥は?

中也

姉さん達が持ってった

太宰

持ってったって…

中也

あぁそう。此れボスに貰った。

中也がポケットから出したのは温泉旅行のペアチケット。

太宰

えっと…

太宰

二人で?

太宰

桜弥は?

中也

姉さん達が預かりたいって

太宰

でも。

中也

偶には、な

太宰

其れきのうも同じこと云ってた!

中也

否その温泉だろ。

中也

俺ずっと仕事だったし。

中也

ちょっとぐらい労ってくれてもいいんじゃねぇの?

太宰

ツンデレ。

中也

ちげぇし!

中也

とっ兎に角!明日から四日間休みもらえたから

太宰

うん。行く。

太宰

何気に中也と旅行何て久しぶりだし

中也

そうだな…

中也

(っても遠征の旅行だったけどな)

太宰

じゃあ私先に帰って荷造りしてるから

中也

おう。

中也

俺はここで少し書類捌いとく

太宰

二人…

太宰

そっかずっと一人で、居たもんね

中也と一緒に居られる事が凄くすごく、嬉しかった。

彼に抱きしめられたとき、ほっとした。孤独が消えた。誰かが側にいてくれることがこんなにも嬉しいと気付けた

太宰

中也には返しきれないほどの借りが出来ちゃったな

太宰

よしっ。

太宰

中也迎えに行こ。

太宰

お待たせー

中也

疾かったな

太宰

ふふ。育児は時間との勝負だよ。

中也

そうだなー。

中也

車着いたからさっさと乗れ

太宰

はーい

中也

箱根まで

ドライバー

了解です。

車が動き出して数十分。私達は一言も喋らなかった。最初に口を開いたのは中也だった。

中也

太宰。本当に無理をさせた。

中也

申し訳ない。

太宰

善いよ。もう

太宰

今は。

太宰

中也の側に居たい。

中也

中也は何も言わず私を撫でた。誰かの温もりがこんなにも温かいと感じたのは初めてじゃない。

だけどいつも以上に暖かく、優しく感じた。

中也

おっ、おい。泣いてるのか?

太宰

泣いてない!

中也

否。言い訳になってねぇ

太宰

…泣いてる。

太宰

中也の莫迦!

中也は一つ大きな溜め息をついた。

中也

はあ。

そして、自身の帽子で顔を隠し、私に優しく長い口付けをした。

其の時の中也の表情は、正に百億の名画にも優る様な美しく、儚い顔だった。

太宰

永い。

中也

すまねぇ。でも偶には

太宰

私少し疲れてるから

太宰

寝かせて

中也

ああ。

私の頭をぐいっと引き寄せ自分の肩に乗せた。

中也

太宰。愛してる

太宰

私もだよ。中也

再び口を合わせ、私は夢の中へと向かった。

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