太宰
コナン
太宰
記憶を覗いて太宰は首を傾けるようなそぶりを見せる。それに対してコナンはうるせ〜。ほっとけとちょっとばつが悪そうに目を泳がせていた。
まだ一限目、教室には子供達の明るい声が響いている。
太宰
実体の方まで鼻歌を歌い出しそうなほど太宰はうきうきとしていた。その反対にコナンの心は重い。じんわりとしたものが躍りだしそうな気持ちに水を差す。でもそれはコナンからしても同じであった。
コナン
太宰((え~、私死んだから行く場所もないのに……。このままでいいよ。
小学生としてもう一度全てやり直すの)」
コナン
太宰
コナン
はぁってため息をつくコナンの感情が太宰に流れこんでくるが、太宰は朗らかに笑って授業を受けていた。
なごやかにそして賑やかに小学校の授業は続いていく。
灰原
灰原に太宰がそう言われたのはコナンの体に入ってから三週間をしたころであった。その間太宰は毎日小学校に通い、終わったあとは子供達と遊び、家に帰れば美味しいご飯を食べて眠る。
小学生の理想的な暮らしを満喫していた。
土日を子供達と思いっきり遊んで江戸川コナンを謳歌している。
そんなのだったから問われるのも当然であった。あ~って乾いたような思いを抱いたのはコナンで、太宰はえっと首を傾けるだけだった。
このごろはもうお互いの心が寸分の遅れもなく伝わってくる。だから太宰はえへへと頭を掻き、コナンは頭を抱えた。
コナンin太宰
灰原
灰原の目は冷たかった。
その言葉と共に寒々としているが、向けられる太宰はにこにこ笑っている。そのようなもの欠片も気にしていないようだった。
コナン
太宰
じと目で見てくる灰原を大宰はじろりと見る。彼女の理由はすべて把握している。
だからと言って太宰はコナンの体を出ていく気はない。
太宰
ちょっと考えてあることが思い浮かぶ。
太宰
コナン
その考えはすぐにもコナンに伝わっていた。にやと太宰の口が上がる。それは灰原を安心させるものにはならなかった。
むしろますます警戒させている
コナンin太宰
灰原
博士
コナンin太宰
コナンin太宰
阿笠博士の家で太宰は誰がどう見ても悪役のする笑みを浮かべていた。信用されようとする者がする笑みではなく灰原どころか阿笠まで引きつった顔をしていた。
お前って心の中のコナンが頭を抱えている。
コナンin太宰
博士
灰原
コナンin太宰
にっこりと携帯を差しだすと共に電話番号までも太宰は伝えているが、それでも疑いの目ははなれなかった。博士が手にした携帯を灰原がもらって電話をしっかりかけている。
もしもしと固い声が灰原から出る。
灰原
灰原
だいぶ間があった。
その上でとまどったように首を傾けていくから博士や電話をかけるように言った太宰までその首を傾けていた。
灰原
灰原
二人が無言で見つめてしまう中、やっと電話がきられていた。灰原のじとりとした目が太宰を見る。
コナンin太宰
コナン
太宰
コナン
灰原
灰原
じとと少女の目が太宰を睨んでくる。なんじゃとと驚く博士も疑うような目で太宰を見ていた。
コナンin太宰
太宰
コナン
はぁって太宰の中でコナンがため息をついている。どうするだってジト目で見られているような錯覚に陥る。ん~~って太宰は唇を尖らせていた。
コナンin太宰
にこにこにこにこ。太宰は素敵な笑みを浮かべる。数々のものを虜にしては頷かせてきた極上の笑みであった。
胡散臭いよ、悪手だよと頭の中でコナンはぼやいている。その言葉通り一瞬顔を赤らめたものの灰原はまたジト目になっていた。
はぁなんて深いため息をついている。
灰原
コナンin太宰
灰原
コナンin太宰
灰原の首がことりと傾くのに太宰は意味深に笑うだけだった。
コナン
太宰
コメント
1件
なんか好きだわ………((なん勝手なんだよ