sakura
sakura
sakura
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校外学習を2日後に控えた朝
起き抜け1番に僕を襲ったのは頭痛だった
青
ピピピッ(体温計)
青
青
青
青
プルルルル(電話)
先生
青
青
先生
先生
青
先生
先生
ピッ(電話切る)
青
僕はそのままベットに倒れ込んで眠ってしまった
青
見ると時計の針は12時を回っていた
青
青
タクシー会社に連絡したあと、のそのそと出かける体制を整える
青
壁伝いに玄関まで移動し、やっとのことで靴を履く
青
青
青
考えても仕方の無いことなのに、熱のせいか家族のことばかり思い出してしまう
青
青
青
長い待ち時間を経て診察してもらい、受付で薬を貰ってから再びタクシーでアパートに戻る
熱が上がっているのを感じながらも、なんとかお金を払ってタクシーを降りた
桃
青
青
青
桃
反応を示さない僕に不安を覚えたのか、距離を詰めて目の前で手をぶんぶんと振ってくる
青
青
桃
桃
青
青
青
桃
桃
青
青
青
青
桃
青
青
青
桃
桃くんが目を細めて優しく言うもんだから、なんだか安心した
その拍子に、足から力が抜けそうになる
桃
間一髪のタイミングで桃くんが支えてくれたから、崩れ落ちずに済んだ
桃
青
青
桃
桃
その瞬間、体がふわりと浮いた
青
数瞬のあと、桃くんが僕をお姫様抱っこしているんだと理解する
青
桃
桃くんは僕を抱きかかえながら、慎重にアパートの階段を登っていく
桃
青
アパートの前で、ようやく足が地面に着く
青
カチャカチャ…(鍵)
青
鍵穴に鍵を差し込もうとするけど、視界がぼやけて上手くいかない
桃
僕の手から鍵を奪い取った桃くんが、扉を開けてくれた
桃
青
桃
僕を玄関に座らせ、靴を脱がせてくれた
桃
青
何を、と問う前に足が再び地面を離れた
次に下ろされたのはベットの上で、その拍子にスプリングがギシッと沈む
青
桃
青
桃
青
青
桃
青
桃
青
どこをどう見ても僕の荷物しかなくて、この部屋で2人以上が生活してるとは思えない
青
桃
青
青
桃
青
頷くと、桃くんは顔をしかめた
桃
桃
青
青
青
抱いた一抹の不安は、少しして聞こえてきた規則的な包丁の音によってかき消された
ウトウトしてた僕の鼻に、美味しそうな匂いが届く
青
桃
青
青
青
青
桃
青
さっきまで食欲なんてなかったけど、いい匂いに食指が動いた
その匂いの元は、ネギがたっぷり入った卵粥だった
青
青
体調の悪さなんてどっかに飛んでいったんじゃないかってくらい箸が進む
桃
パクパクと食べ続ける僕に微笑みながら、桃くんが床に腰を下ろす
青
桃
青
桃
青
青
青
桃
桃
桃くんが見せたスマホの画面には、小さな女の子のあどけない寝顔があった
青
桃
青
青
青
青
桃
この前なんか、と苦々しい顔の桃くん
桃
青
青
口角を上げた僕を、桃くんが忌々しそうに睨む
桃
青
青
桃
当たり前のやり取りなのに、それが僕たちの間に生まれたというだけで、なんだか胸の奥がむず痒くなった
再度ベットに横たわり、もぞもぞと布団を口元まで引き上げる
青
桃
青
桃
青
夏までに
桃くんが表情を曇らせた理由は、多分そのワード
桃くんは知ってる。夏に、別れが訪れることを
だけど、桃くんは知らない。
それが、一生の別れであることを
青
桃
ブー、ブー(携帯)
桃くんが何か言いかけた時、スマホのバイブ音が部屋に響いた
青
桃
桃
桃
少しの間、相槌を打っていた桃くんの顔つきが、ふと真剣なものになった
そして、電話を切って僕に向き直る
桃
青
急いでるはずなのに、テーブルに置いた食器をキッチンへと運んでくれた
桃
桃
青
青
そんな僕を見下ろす目を細めて、優しく微笑む
桃
言い残して、桃くんは足早に部屋を出ていった
1人になった部屋で、真っ白な天井をぼうっと見上げる
青
心臓が妙に暴れているような気がする
桃くんの笑顔と言葉を思い浮かべると、とっても温かい気持ちになった
その反面、きゅうっと締め付けられて……少し苦い
青
こんな感情、僕は知らない
青
布団を頭まで被り直し、思考を無理やりシャットアウトした
sakura
sakura
sakura
sakura
sakura
コメント
8件
続き楽しみです☺️✨✌
さとままじゃん
今日一日で全話読んでしまったものです! めちゃくちゃ面白くて、ホントの小説を読んでる気分になれました⸜(* ॑ ॑* )⸝ 今までTERRORで読んだ中で1番綺麗な物語でした!(ᵒ̴̷͈ᗨᵒ̴̶̷͈ )✧ ありがとうございます! 新作待ってます«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク