旭
北区は、特に被害が少なかった町だからここを調査しよう。
麻耶
そして中央区がその次と……
旭
あぁ
麻耶
どこから調査しますか?
旭
ここから少し行った大通りだ。
麻耶
確かに人が密集する場所ですし良いかもしれませんね。
旭
じゃあ行こう
麻耶
はい!
旭
今回の感染症は、発症すると、すぐに吐き気と頭痛を伴う。
旭
それから1日もすれば死に至る恐ろしい感染症だ。
旭
少しでも吐き気と頭痛が起きたら言うんだ。
麻耶
はい。了解しました。
男性
すみません………食べ物はありませんか?
麻耶
えっとこの町の住人ですか?
男性
はい……
旭
ここは、危険だ。いますぐ避難しろ
男性
嫌です……俺にはお金が無いので家が買えないのでここで生きます。
男性
仕事を探しに行っても「感染症の町の人間」と言われて仕事を断られました……
麻耶
しかし……ここに居ても感染症を発症するかもしれないんですよ?
男性
他の場所に行って罵声を浴びて孤独に生きて死ぬより、ここにいる沢山の仲間達と一緒に病死したほうがマシです……
旭
この近くには、他にも人がいるのか?
男性
あぁ……20人は居ます……
麻耶
20人も………
男性
早く出ていってくれませんか?
旭
行くぞ
麻耶
しかし……
旭
部長は応じる者だけで良いと言ってただろう
麻耶
分かりました。
旭
さっきあの男が言ってたが他にも人がいるらしい。
捜して避難させよう。
捜して避難させよう。
麻耶
はい………
麻耶
先輩あそこにも人が!
旭
話しかけるぞ
旭
君、ここは危ないから避難しなさい
青年
は?
青年
なんでだよ?
旭
君も感染症にかかって死んでしまうかもしれないんだぞ?
青年
この町を出ればあっちの奴等になんて言われるか想像くらいできるだろ!
青年
「お前みたいな危険な奴が近づくな!」とか言われるのは見え見えなんだよ!
旭
そうか………
青年
もう俺には構わないでくれ………
麻耶
失礼しました。
麻耶
駄目ですね……
旭
皆外の世界を嫌ってるんだろう……
旭
北区はあと住宅街だけだな…
麻耶
はい……そこて誰かを救えれば良いんですが………
まだ見えぬ真実を知る為、北区最後の調査へと向かう………
第2話へと続く……