ケホケホッ、うぅ、目が染みる……
副隊長は大丈夫ですか?
保科宗四郎
に……仁乃ちゃん、か?
保科はうっすらと汗を滲ませ慌てた顔で問う
え?何言ってるんですか笑
私は私ですよ?
保科宗四郎
いや……そうやなくて、
保科が刀を取り出して仁乃の前にかざした
……?
仁乃はいぶかしげに刀に写っているであろう自分の姿を覗き込む
は、
仁乃
なんじゃこれーー?!?!
仁乃の悲鳴が森に響き渡った
保科宗四郎
恐らくやけど……
保科宗四郎
あの怪獣の煙の影響やあらへんか
保科宗四郎
それしか考えれへん
仁乃
え、え、ええ
仁乃
え
仁乃
え?!
仁乃
えしょんな漫画みたいな展開ありましゅ?!
保科宗四郎
しゃーないけどここは現実や
保科宗四郎
滑舌もチビになってもうとるな
仁乃
らまってくらしゃい!!
仁乃
あらしだって嫌でしゅよ!!
保)にしても
保)チビ仁乃こんなんやったんか
保)かわええなあ
保科がそう思っていると、茂みの奥から人の気配がした
柊 和音
騒がしいのお、静かに追いかけれんのか……
柊 和音
って、は?
柊 和音
な、何じゃ、その餓鬼は、?
現れたのは、和音だった
小さくなってしまった仁乃を見て目を見開いている
仁乃
か、かかかじゅねしゃん?!
仁乃
なんれここに?!
柊 和音
儂も訓練に参加してたのじゃ。
柊 和音
悲鳴が聞こえて、五月蝿いと思うての。
柊 和音
注意しに来たんじゃが……
柊 和音
お主、仁乃か?
仁乃
そうれすけど……ぁ、
仁乃
しゅみません、かちゅぜちゅもなんかチビになってて話しにくいんれす
柊 和音
良い良い。
柊 和音
聞き取れたらええんじゃ。
柊 和音
それより……この事態どうするのじゃ?
保科宗四郎
まあ…訓練は中止でしょうね
柊 和音
矢張りそうなるよのう。
保科宗四郎
ええ
保科宗四郎
僕ちょっと隊長に連絡してきます
保科はそう言うと無線機を片手に何かを話しながらどこかへ歩いて行った
仁乃
かじゅねしゃん……
仁乃
どぉおしよおおーー
柊 和音
儂に聞かれても困る。
柊 和音
折角、4にものぐるいで鳴海から逃げてきたというのに、……
柊 和音
災難とは切っても切り離せんのう。
仁乃
ほんろ……しゅみましぇん……
シュンと肩を落とすチビ仁乃。
チビ仁乃は少し心も幼くなっているのか、涙目でプルプルと震えている
柊 和音
まあそう怯えるでない。
柊 和音
儂がついておる。
仁乃
!
仁乃
かじゅねしゃん……!!!
和音がポンとチビ仁乃を撫でた丁度その時、保科が戻ってきた
保科宗四郎
やっぱり訓練は中止だそうや
保科宗四郎
至急、立川基地に戻るとの事です
柊 和音
儂はおいとまかえ?
保科宗四郎
おってくれと、仁乃ちゃんの目が言うております笑
仁乃
!!
柊 和音
ははっ、素直な奴じゃな
柊 和音
チビ仁乃
仁乃
な、なんれすかそのあだ名!
保科宗四郎
おっ、ええですねぇ、チビ仁乃
保科宗四郎
チビ仁乃ちゃん
柊 和音
良い名とは思わぬかえ?
仁乃
思えませんよ!
続く








