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最後の一針を入れ糸を切る
机の上には丁寧に仕立て上げられた衣装
散瑠🇯🇵☀
そうポツリと呟くのは 仕立て屋の女主人の散瑠(ちる)だ。
寸分の狂いもない。 それが彼女の仕事だった
散瑠🇯🇵☀
彼女は立ち上がり棚の奥に手を伸ばす
取り出したのは 一対の鋏(はさみ)
それは母の形見であった
散瑠🇯🇵☀
散瑠🇯🇵☀
長年使い込まれた刃は 静かに鈍い光を宿している
…否
それはただの鋏ではない
悪魔が宿るの器具の一つ
「恨みの鋏」
散瑠🇯🇵☀
散瑠自身は悪魔を知らない
ただこの鋏を握ると 胸の奥がざわつく
散瑠🇯🇵☀
散瑠🇯🇵☀
散瑠🇯🇵☀
散瑠は鋏を強く握りしめ 庭へ向かおうとした
ひらり、と 空気を切るように 黒い羽が一枚 目の前に舞い落ちる
散瑠🇯🇵☀
次の瞬間、背後から声がした
低く、冷たい声
振り返ったそこには 黒い翼を背負った女が立っていた
散瑠🇯🇵☀
散瑠は即座に距離を取り 刀を構え目を細める
女は気にも留めない様子で 淡々と言葉を続ける
黒椿
散瑠🇯🇵☀
黒椿
散瑠🇯🇵☀
その一言で 散瑠の胸が微かに軋んだ
そう、彼女は軍人であり 陛下の側近であった
黒椿
黒椿
散瑠🇯🇵☀
そう言いながらも 刀を握る手に力がこもる
黒椿は薄く笑った
黒椿
黒椿
風が吹き 黒い羽がもう一枚宙を舞う
黒椿
黒椿
黒椿
散瑠🇯🇵☀
散瑠は声を荒げ 黒椿を睨みつける
黒椿
黒椿
黒椿
黒椿
黒椿
散瑠🇯🇵☀
一瞬の沈黙、それから_
散瑠🇯🇵☀
散瑠🇯🇵☀
恨みの鋏が一瞬禍々しく光る
散瑠🇯🇵☀
黒椿
黒椿
黒椿
そう言って黒椿は 自分の血を1滴垂らす
それはだんだんとナイフの形となる
そして_
生まれ変わりのナイフとなる
黒椿
黒椿
そう黒椿はニタァと笑う
散瑠🇯🇵☀
散瑠はナイフを見つめ 無言でそれを懐にしまった
散瑠🇯🇵☀
黒椿
そう言い、黒椿は去る
その夜、散瑠は久しぶりに 夢を見なかった
第2話 「鋏」 ‐Fin-
次回 「独立」