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無一郎はやはり忙しいからと長時間話すことはなかなかできなかったが、それでも必ず見舞いに来た。勿論蜜璃も同じだ。

無一郎は奈那を優しく見守り、蜜璃は最近の話や楽しい話をたくさん聞かせてくれた。

寝たきりではあったもののふたりが見舞いに来ていた時間は全く退屈ではなかった。 彼らの訪問を楽しみに二日ほど過ごした奈那は、同室から聞こえた小さな呻き声と共に目を覚ます。

横を見れば炭治郎が目を覚ましていた。 彼は七日も寝ていたことに驚いていたが、怪我の割に回復が速すぎる。 炭治郎は奈那よりも大怪我をしていたはずだ。

その後は部屋に産屋敷あまねが訪れ、炭治郎の体調を気遣いながら"痣"というものについて説明を求めた。

全く参考にならなかったようだ。奈那も炭治郎の言葉は全く分からなかった。 炭治郎はしょんぼりと謝罪していた。

その日、無一郎が見舞いに来ることはなかった。 奈那は無一郎に何かあったのか、もう自分に興味をなくされてしまったのかと不安になる。

竈門炭治郎

奈那、何か……寂しそうな匂い。

竈門炭治郎

……ああ、ごめん! 珍しいから気になって……

奈那

ああ、炭治郎くんは鼻が利くんだよね! それならバレちゃうかあ……

落ち込む奈那に声をかける炭治郎。 どうやら蔓延る噂とは関係なく恋心に気付いていたようだ。

竈門炭治郎

言ってもいいのか分からないけど……恋の匂いがするんだ、時透くんだよね?

更に誰を好いているかまでしっかりと把握されていた。

奈那

えええっ何!? 人まで分かるのその嗅覚!!いいな、いいな!!私も欲しいよおお! その能力…

竈門炭治郎

いや! 奈那は時透くんと一緒にいるときに切ない匂いと甘い……

竈門炭治郎

深い愛情の匂いがするんだ、だから好きなのかなって

奈那

えええっそんなに分かりやすい!? 恥ずかしいな!!

奈那

わああん炭治郎くーーん!! 無一郎様って好きな人いるのかな!? 教えてよおお!!

奈那

……いや!! やっぱり教えないで!! 今ここで腹斬りそう

竈門炭治郎

心配する必要はないと思うぞ

炭治郎は眉を下げて優しく微笑み伝えるも、キャーッと布団の上をゴロゴロ転がる奈那に声は届かなかった。 安静にしなくてもいいのか? と炭治郎は心配したが、この様子を見れば問題はなさそうだ。

同室の玄弥は奈那が目を覚ます前に伊之助が大騒ぎしたこともあり、ただ部屋を変えてくれと願っていた。

三日程経った頃、無一郎は申し訳なさそうに見舞いに来た。炭治郎と玄弥は機能回復訓練のため不在だ。

時透無一郎

奈那、ごめんね。緊急の柱合会議と話し合いがあって

奈那

い、いいんです!! また来てくれて、ありがとうございます

柱は忙しい。それはよく分かっている。 奈那は僅か三日間、無一郎も蜜璃も来なかったことにげっそりと痩せこけ、布団から起き上がる気力すら失っていた。

彼らが見舞いに訪れなかった原因は多忙。 最近は鬼がめっきり現れなくなっているとしのぶから聞いていたが、それを利用して一般隊士たちに柱が稽古をつけることに決まったという。 それの作戦会議をしていた。

奈那

柱はずっと忙しいですねえ

時透無一郎

仕方ないよ、強いから

奈那

ふふっ、自信ありの様子! 事実貴方は強いから、隊員からするととてもありがたい期間になるはずですよ

時透無一郎

だといいけど。ちゃんと僕のところまで来てよ

にやりと笑う無一郎。太陽に照らされて綺麗な顔がよく映える。月明かりの下の彼も当然美しいけれど、また違った魅力だ。

奈那

当然です

時透無一郎

来たばかりだけど……準備があるからもう行くね。はやく元気になってね

恋の力とは恐ろしいものだ。 無一郎の「元気になってね」は奈那に驚異的な回復をさせた。

ほんの五日でほとんど問題なく動けるようになった奈那は、二日遅れの柱稽古に参加することになった。

まだ肋と脚は痛むものの、一刻も早く無一郎の稽古を受けたいという理由でしのぶに泣きつき、諦めた彼女から渋々許可を貰った。

奈那

最初は……天元様か

奈那は久々に天元と会えることが楽しみで、軽い足取りで音柱の屋敷へと向かった。

屋敷に着くと真っ先に視界に入ったのは倒れ込んで今にも死にそうな隊士たちの姿。

奈那

えええ何これ!? えっ!? 大丈夫ですか!?

隊士

あ、貴方は……恋柱様の継子の……! だ、大丈夫じゃないです全然死にます。元音柱様、厳しすぎる…

奈那

え、ええ……?

青ざめた顔で転がる人たちにただただ困惑していると、よく通る大声が。

宇髄天元

遅い遅い遅い遅い、何してんのお前ら意味わかんねえんだけど!!

宇髄天元

……って、奈那もいんのか! 丁度いい、お前もこいつらになんか言えよ!!

奈那

ええ……私も今あんまり走れないですし!!

隊士

奈那さん…助けてくれ……音柱様ヤバすぎる

転がっている隊士はもう指の一本ですら動かせそうにない。

奈那

それなら私もやってみようかな、天元様はどんな稽古を?

宇髄天元

走るのみ!! 体力向上の稽古は基本中の基本だ! ただ……ド派手に俺が止まれと言うまでな

奈那

体力向上は大切ですからね、死にたくないなら走るべきですよ

隊士

敵に回った……継子様が……やっぱり格が違うんだな……

宇髄天元

走れ走れ!! 俺はまだ休憩なんて言ってないんだけど?

隊士たちはヒイヒイと言いながら何とか身体を起こし、走り去った。

まだ近くにいる隊士も多い中、天元が何か思い出したように声を張り上げた。

宇髄天元

そういやお前時透とはどうなったんだよ!

奈那

声デカ!! 天元様声デッカ!!! 勘弁してくださいよ!!

宇髄天元

お前の方が派手にデケェんだよ!!!

それなりに遠くにまで聞こえている。周りの視線が突き刺さり、ざわつく声。 奈那は天元を軽く睨むことしかできなかった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

初コメ失礼します! 書き方も物語の雰囲気も何もかも大好きです🫶💞 続きが楽しみです♪

ユーザー
ユーザー

めっちゃ好き⤴

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