右睡 真咲也

⚠担任

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ

その場にはもう彼の桃色は無かった そして落ちている彼の 彼に渡した私が作った栞

その一瞬嫌な予感がした

私の予感はよく当たる

彼の家へ全速力で走った。

肩で息をしながら

玄関の扉へ手をかけると

鍵をかけていなかった

罪悪感を感じながらも扉を開け

開けた瞬間

私の嗅覚を刺激する

あの匂い

夢で感じた

鉄分を含んだ生臭いあの匂い

ｶﾞﾁｬ

一瞬理解が追いつかなかった

夢で見たあの状況

浴槽に赤いプールを作り その中で眠りに着こうとする

桃色の彼

それを見ている黒い林檎

その場に踊る

赤の匂い

冷たくなってゆく桃色の妖精

天使は桃色の妖精の死を3時間嘆き

正気を取り戻したかと思えば

桃色妖精が持っていた

カッターで自分の頸動脈を突き刺した

天使の白肌が赤く染められてゆく

2人の命が消えてゆく

静かに。

ゆっくりと…

━BADEND━ 天使と妖精の深紅の湖