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若井

おーい!元貴!

大森

ん…んんぅ…

いつも通り起こされる朝。

でも、今日は声が違う。

若井

おはよー!起きろー!

大森

ん……え?

涼ちゃんじゃない…?

眠い目をうっすら開けると、いつもの金髪じゃなくて、赤髪が見えた。

大森

…なんで若井が居んの?

若井

えぇー!それは酷くない?!

若井

ま、とりあえず朝ご飯出来るから行こうぜ。

そう言って、若井はベッドから引きずるようにぼくをリビングまで連れて行った。

藤澤

元貴、おはよぉ。

リビングに入ると、涼ちゃんがすぐに話し掛けてくれた。

朝、いつも聞く声になんだか安心する。

藤澤

ご飯食べれそぉ?

大森

え?うん。

大森

てか、なんで若井が居るの?

若井

酔っ払ったお前をおれが送ってあげたんじゃん!

若井

ね!涼ちゃん!

藤澤

そうだよ〜。
若井君にちゃんとお礼言いなね?

若井と涼ちゃんの会話を聞いて、少しずつ昨日の記憶が蘇ってきた。

そういえば、お店の人が間違えて、お酒飲んじゃったんだっけ…

大森

…ありがと。

でも、二人ともいつの間にこんな仲良くなってる訳? 若井なんて涼ちゃんって呼んじゃってるし。

藤澤

はい!ご飯出来たよ〜。
簡単なものでごめんね?

涼ちゃんは若井にそう言いながら、テーブルに朝食を並べた。

それはいつものスープとトーストに加え、普段はない目玉焼きが付いていた。

若井

美味そうー!
泊めてもらっただけじゃなくて、朝ご飯まで!
涼ちゃんありがとう!

若井

いただきまーす!

藤澤

どうぞ〜。

大森

…いただきます。

若井

うまっ!

若井

いいなー、元貴。
こんな美人で優しい人と一緒に住んでるなんて。

大森

優しいはともかく…美人って。
涼ちゃん男だよ?

若井

美人に男も女も関係なくない?

若井

ね!涼ちゃん!

藤澤

え、僕に聞くの?!

藤澤

まあ、僕は嬉しいかなぁ〜。

若井に話を振られて、涼ちゃんは少し顔を赤くして恥ずかしそうに笑った。

今日の朝は、何もかもが気に入らなかった。

若井が起こしに来た事も。 若井と涼ちゃんがいつの間にか仲良くなっていた事も。 トーストに目玉焼きが付いていた事も。

涼ちゃんが顔を赤くしていた事も。

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