その先を見てみると
赤
赤
そこには、ただ一面の野原が広がっていた
赤
一晩で街が消えた?
そんなはずない
俺は考えを巡らせた結果、 その理由に思い立った。
立ち並ぶ家も、電柱も、看板や柵も、全てが木で出来ている
明らかに俺が住んでいる所とは違うことがわかった
その時、俺は、この真夏の暑い光の下で一滴も水分を飲んでいない事に気が付いた
赤
幸いに、財布は持ってきている
だが、何処を見渡しても自販機や水道水はない
だんだん頭が暑くなってきてぐらぐらとする
暑くて、暑くて死んでしまいそう
その時、、、
紫
赤
俺は、ゆっくりと目を開けると、俺の顔を覗き込む様にしている人影が見えた。
太陽の邪魔が無くなり、だんだん姿が見えるようになってきた
赤
変なコスプレをした男の人が立っていた
歴史の教科書に載っているような軍服を着ていた
その人の顔を眺めているとそっと手が伸びてきて、俺のおでこに優しく触れる
紫
そう言って、男の人は腰に手を掛けあるものを取りだした
紫
俺は、水だと聞いてすぐに手に取り勢いよく水を飲んだ
赤
紫
俺は、ほとんど飲み干してその人の顔を見た
赤
優しく包み込んでくれるような笑顔が、俺の顔を見返した
紫
赤
紫
指差した方には涼しそうな場があった
俺は、ふらりと身を起こした
でも、その瞬間
赤
足に力が入らなくてバランスを崩してしまった
紫
倒れかけた俺を素早い動作で抱きとめた
赤
紫
次の瞬間、俺の身体は軽々と抱き抱えられていた
俺は、焦りで顔が赤らむのが分かった
紫
と、耳元で囁かれ言われるがままに両腕でしがみついた
木の根元にそっと降ろされた
赤
と、小さく頭を下げた
紫
紫
俺は、「いるま…」と繰り返すと、いるまさんは、クスッと笑顔を見せた
紫
赤
紫
いるまさんはニコッと笑った
あまり笑顔が得意では無い俺も、つられたように笑ってしまった
紫
赤
紫
いるまさんは、そう言って俺に手を差し伸べてくれた
とても、自然な仕草だったので俺も自然といるまさんの手を取ることが出来た
紫
そんな事を言っている、命の恩人の大きな背中を追いかけている。
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